[2023_06_21_05]「ようやく入り口」 再処理審査で規制庁(東奥日報2023年6月21日)
 
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「ようやく入り口」 再処理審査で規制庁

 原子力規制委員会は20日、六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)など日本原燃3施設の審査会合を東京都内で開いた。審査に当たる原子力規制庁の担当者は、原燃の準備・検討不足や作業遅れにより進展が滞っていた再処理工場の設計・工事認可の審議が「ようやく入り口に入った」と評価。原燃にとって懸案だった技術的議論に着手できるとの認識を示した。
 原燃は会合で、建屋や設備の耐震評価の前提となる地盤モデルについて説明。基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)を大きくしたことなどによる状態変化を考慮し、標準的な手法を使ったモデルを新たに設定、従来のモデルと比較しながら検討を進める方針とした。
 規制庁の担当者は「既に入手しているデータにしっかり向き合い、場合によってはデータを拡充して、さまざまな角度から検討してほしい」と注文した。ただ、原燃が説明に着手できた項目は一部に限られ、規制庁は十分な検討時間が必要として、次回会合を8月ごろと見込んでいる。
 原燃はまた、申請書類の不備を巡り、あらためて社内の対応や現状を説明した。大柿一史専務は「施設の安全な操業を脅かしかねないとの強い危機感を持って取り組む」と改善を強化する姿勢を強調した。
     (加藤景子)
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