[2023_06_15_06]再処理工場の冷却機能喪失 原燃、対策完了と公表(東奥日報2023年6月15日)
 
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再処理工場の冷却機能喪失 原燃、対策完了と公表

 日本原燃は14日、六ヶ所村の六ヶ所再処理工場で2022年7月に高レベル放射性廃液タンクの冷却機能が一時喪失したトラブルを巡り、根本原因を洗い出して改善策を講じたと公表した。既に実施した直接原因の分析を含め、全ての対策が完了したと明らかにした。
 作業員が冷却設備の弁を誤って閉じたとみられ、8時間にわたって廃液が冷却されなかった。原燃は直接原因となった誤操作を防ぐため、弁の施錠管理や識別表示を徹底。22年12月末までに工場全体の弁など約5千カ所で対策を講じた。
 原燃はさらに根本原因を追究し、五つの問題点を抽出。例えば、誤操作で安全機能が停止する危険への対策が一部にとどまった要因を「課題抽出などの管理不足」と分析し、トラブルにつながりかねない要素をリスト化して作業に用いる。
 「重要業務が各部署任せで、課題共有や対策展開の機能が弱い」との分析には、「エ場運営会議」を活用して改善を図るとした。
 この根本原因分析には、再処理工場内の部屋の照明が消えて国際原子力機関(IAEA)の監視が中断した問題や、頻発した労働災害にも共通する視点を反映させたという。原燃は14日、県と村に分析の実施と対策の完了を報告した。
    (佐々木大輔)
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