[2023_01_20_01]福島第1原発処理水海洋放出 県漁連「容認できぬ」 風評対策の強化訴え(東奥日報2023年1月20日)
 
[テキスト文]
 政府が東京電力福島第1原発の処理水海洋放出の時期を「今年春から夏ごろ」と見込んだことについて、県漁連は19日、「容認できない」との意向を示した。同日行われた経済産業省による漁業関係者向けのオンライン説明会終了後、熊木正徳県漁連専務が取材に応じた。
 熊木専務は、安全対策に一定の評価をした一方で、風評対策には「被害が生じると、漁業者は当然のことながら国民、消費者も損失を被る」と説明し、「国や東電はもっときめ細かに情報発信し、風評にならない対策を短い期間の中でもやるべき」と訴えた。
 経産省資源エネルギー庁によると、設明会には全国の漁業関係者が参加し、予定を超える2時間超行われた。政府が海洋放出時期を示した13日、全漁運は「処理水の海洋放出に反対であることはいささかも変わるものではない」との談話を出している。
 一方、本県の東通村や六ヶ所村沖では既に、放射性物質を含む液体の海洋放出が行われている。
 日本原燃・六ヶ所再処理工場では2006年に、使用済み核燃料からプルトニウムを実際に抽出する試運転に着手、放射性物質のトリチウムなどを含む液体が発生している。海に放出する際は、できるだけ取り除き、沖合約3キロ、水深約44メートルの場所にある放出管から拡散して流している。
 原燃によると、海中と大気中への放出による人体への影響を年間0・022ミリシーベルトと評価、法令に基づく規制値の50分の1程度という。再処理工場は24年度上期の早期に完成する計画。(畑山佳奈子、加藤景子)
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_:経産省資源エネルギー庁:ROKKA_: