[2025_02_15_06]英のプルトニウム廃棄方針 電事連会長、影響否定(東奥日報2025年2月15日)
 
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英のプルトニウム廃棄方針 電事連会長、影響否定

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 英政府が使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを廃棄する方針を公表したことを巡り、電気事業連合会の林欣吾会長は14日の記者会見で、「日本とは違った環境があろうかと思う。各国のエネルギーの確保状況による判断だ」と述べ、日本の核燃料サイクル政策への影響を否定した。英国に残る日本所有分のプルトニウムについては、英原子力廃止措置機関と取リ扱いを協議中とした。
 林会長は、廃棄対象は英国分のみで「日本の原子力事業者が保有するプルトニウムではない」と説明。英国ではプルトニウムを含むMOX燃料を使える原発が1基にとどまる一方、エネルギー自給率が60%を超えているとし「それぞれの国に合った対応を取ることが必要だ」と語った。その上で、資源に乏しい日本にとってサイクル政策は重要だと述べた。
 日本の電力会社はかつて英国に使用済み核燃料の再処理を委託。現時点で日本分のプルトニウム約21・7トンが残されている。
 同じく電事連で会見した東北電の樋口康二郎社長は、英政府の方針に「日本の保管分は対象外と認識している」と、日本への影響はないとした。東北電は女川原発3号機(宮城県)でMOX燃料を燃やすプルサーマル発電を計画しているが、安全審査は未着手で実施のめどは立っていない。樋口社長は「申請の準備を進め、プルサーマルに向けてしっかりと取り組む」と語った。  (加藤景子)
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