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[2025_05_08_03]迷走プルトニウム イタリアはイギリスにプルトニウム処分依頼へ 日本の政策にも影響か(毎日新聞2025年5月8日) | ![]() |
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参照元
06:30 原発の稼働によって生じる核物質・プルトニウムについて、英国は地中に処分する方針を今年打ち出した。英国でプルトニウムを保管しているイタリアがさっそく、一緒に処分してもらう動きを見せている。一方、同様に21・7トンを保管している日本の今後の政策に影響はあるのだろうか。 日本保有分は地中処分対象外 英国は現在、北西海岸のセラフィールドに自国分と外国分の分離プルトニウム合計約141トンを保管している。うち、21・7トンが日本の所有分だ。国際原子力機関(IAEA)の基準ではプルトニウム8キロが核兵器1発分とみなされており、核兵器約2700発分に相当する。 だが、日本保有分は今回の地中処分対象には含まれていない。原発の使用済み核燃料は必ず再処理し、プルトニウムを分離して再び原発で利用するという「核燃料サイクル」政策を維持しているためだ。 他方、日本には当初、小規模な東海再処理工場(茨城県)しかなく、大量の使用済み核燃料を処理しきれなかった。このため、船で主に英国とフランスに運んで、両国の再処理工場でプルトニウムを分離してもらってきた。これまでの報道や統計によると、英仏への再処理委託の関連費用は1兆円を超える。 英国には1970年以降、4168トンがセラフィールドの再処理工場に運ばれ、プルトニウムが分離された。これを原発で再利用するには、ウランと混ぜて「MOX燃料」に成型する必要がある。最初のMOX燃料は英国内の加工工場で作られ、99年に福井県の関西電力高浜原発に到着。いわゆる「プルサーマル発電」が実施される予定だった。 MOX燃料データ捏造で進まぬプルサーマル ところが、どんでん返しが起こった。燃料を安全に燃やせるか調べた検査データが英国で捏造(ねつぞう)されていたことが発覚。MOX燃料は英国に送り返された。捏造の背景には、寸法を守るなどの品質管理の厳密さをクリアすることが難しいという技術的な問題があった。結局、この工場は閉鎖に追い込まれ、その後の製造計画も頓挫してしまった。 MOX燃料製造をフランスに委託することについても、核物質の輸送が難しいうえ、フランスのMOX燃料加工工場でも不良品が多発しており、解決策にはならなかった。そのため、英国にある日本のプルトニウムは、今も宙に浮いたままだ。 国内でプルサーマル可能な原発は、関電高浜原発3、4号機▽四国電力伊方原発3号機▽九州電力玄海原発3号機の3原発4基。しかし、電気事業連合会が今年2月に示した計画では、2025年度は新たなMOX燃料を装着する予定がない。26年度から関電が0・7トンのプルトニウムの利用を計画しているのみだ。 東電など英国と協議も「回答控える」 (後略) |
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KEY_WORD:英国-再処理断念-プル廃棄_:GENKAI_:IKATA_:ROKKA_:TAKAHAMA_:TOUKAI_KAKU_: | ![]() |
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