[2020_07_01_06]コロナ禍の中でのJ−POWER株主総会 質疑で原発関連の話題が多く出た 核開発力維持のため大間原発をフルMOXで稼働するのか 山田武(たんぽぽ舎、千葉県在住)(たんぽぽ舎2020年7月1日)
 
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コロナ禍の中でのJ−POWER株主総会 質疑で原発関連の話題が多く出た 核開発力維持のため大間原発をフルMOXで稼働するのか 山田武(たんぽぽ舎、千葉県在住)

◎ 6月25日、J−POWER株主総会に出席した。BIZCORE築地(フリーレイアウト貸室)で開催された。(例年は東京プリンスホテル)
 コロナ禍で1時間に短縮、参加は先着順70名迄ということで、朝早くからでかけて並んだ。
 しかし実際には、会場で空きイスが目立った。
 業務報告・議案説明後の質疑応答では、石炭火力発電への融資停止、巨大地震津波、核燃料、使用済みMOX問題、米NRC委員長ヤツコ氏の「原発は破綻した科学技術」発言等、原発関連が多く出た。

◎ 毎年出席し厳しく質問追及する函館のO氏がコロナ禍と人数制限など懸念して欠席したが、私が事前に彼から預かった次の質問を代わりにした。

質問:「連結決算書類」の核燃料・加工・燃料等とは何か、金額は748億1200万円。過去5年間で33億4500万円増加している。
 ウラン燃料なのか、MOX燃料なのか、別の何かか?
回答:加工ウラン燃料である。MOX燃料は未だない。(Global Nuclear Fuel)

質問:どのような状態でどこに、保管しているのか。(国内か海外か。本数はどれくらいか)
回答:国内である。燃料加工工場で様々な加工過程にある。本数は回答なし。

質問:これは本当に「固定資産」なのか。
回答:固定資産である。電気事業規則に従っている。

◎ 江古田映画祭、ギャラリ古藤のT氏は、マスクの上に自作のフェースガードの出で立ちで登場した。
 そして内閣府の有識者会議が4月21日に公表した「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震巨大地震津波」について質問した。
回答:太平洋側は10.3mだが、大間原発は津軽海峡側なので回り込むので影響は小さい。

◎ 私の質問:なぜ事故で経営破綻の危険のあるフルMOX大間原発の建設を固守するのか?
 フルMOX原発運転は世界で初めてのことで、運転の難しさが指摘されている。
 運転中に出るトリチウムも100倍と言われ、温排水で海を温めている。
 スリーマイル原発では膨大な調査資料と報告で、事故は100万年に1回と言ったが、5年も経ず事故が起きた。

 福島第一原発も5重の壁、多重保護で安全と言っていたが、1・2・3号機ともにメルトダウン事故が起きた。
 設計図通りに正確に作ったとしてもヒューマンエラーが起こりえる。
 伊方原発3号機で、今年1月、初めて使用済みMOX燃料がで取り出された。
 処分方法は決まっておらず、行き先のないまま、敷地内のプールで当面保管されるそうだ。

 使用済みMOX燃料は再利用できず、核のゴミになる。
 通常原発の使用済み燃料は数年で冷えますが、MOXの使用済み燃料は何倍(300年)もかかるようだ。
 放射線は2.2ミリシーベルトもあり通常原発の使用済み燃料の70倍近くになります。
 核燃料サイクルをやめ、使用済み燃料は直接廃棄処分した方がコストパフォーマンスが良いそうだ。

 日本は47トンのプルトニウムをもっている。(国内に約11トン、再処理委託した英仏に約36トン、原爆6000発分に相当)
 国際社会から核開発の野心ありと疑いの眼で見られ、とくにアメリカが懸念を表明した。
 核開発力は維持したいので、日本はプルトニウム消化のために、フルMOXで大間原発を稼働するのではないか?

回答:日本は資源小国で国の長期エネルギー政策に基づきベースロード電源確保、気候温暖化対策CO2削減に貢献するためです。
 危険回避のため、最初は1/3MOXでスタートし、燃料取り換え時に徐々にMOXを増やしてゆく。

 残念ながら、いつもの通り一編のものでした。

 最後に長年(10年以上)社長と会長をやった北村氏から引退あいさつがあった。
 「電気を一瞬でも止めないように社員と頑張ってきた」と、感無量の様子で言葉を詰まらせた。
(10年以上の長きにわたり、社長・会長の激務、お疲れ様でした。)
 お昼は仲間と、築地場外市場で海鮮丼を頂いた。場外市場は元気な様子だ。
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