[2015_11_12_01]大間原発補助金「見直しを」 有識者、行政の無駄点検 (東奥日報2015年11月12日)
 
 政府は11日、中央省庁の事業に無駄がないか有識者が公開で点検する「秋のレビュー」を東京・霞が関の合同庁舎で始めた。有識者は、4回しか使われていない使用済み核燃料の運搬船「開栄丸」に毎年度支払われている約12億円の維持費に関し「契約打ち切りや内容の見直しを含め、最も合理的な方法に改めるベきだ」と求めた。河野太郎行政改革担当相も「納税者に説明できないものに税金は使えない」と批判した。
 開栄丸は高速増殖炉もんじゅ(福井県)を運営する日本原子力研究開発機構が2006年に建造。10年度以降は使われていない。維持費は、文部科学省が原子力機構を通じて開栄丸を所有する運送会社「原燃輸送」に支払う仕組みとなっている。有識者は原子力機構に対し業務運営の透明化やコスト削減を要請した。
 また、電源開発が建設中の大間原発(大間町)に関しては、ブルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う技術への経済産業省の開発費補助金1億円について「大間原発の運転時期を踏まえて抜本的に見直すべきだ」とした。
 レビューは11日を含め8府省の55事業が対象で13日まで実施する。政府は点検結果を16年度予算編成に生かしたい考えだが、事業ごとの存廃や予算削減などは判定しないため、どこまで反映させられるか問われそうだ。
 午前は「子どもの学力向上」関連事業を議論した。公立小中学校の教職員給与に充てる国庫負担金をめぐり有識者は、文科省が学校現場の誤認に応じて教職員を増員する「加配定数」について「人口減少の中で数を増やすのであれば、客観的な証拠が求められる」と指摘した。全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、指導方法改善につなげるためデータを広く開示するよう求める意見が相次いだ。
 午後には原子力関連事業とともに、1981年以前に建てられた大型施設の耐震化を進める国土交通省の事業などを論議。改修費の補助割合を引き上げる予算の執行率が13、14年度ともに10%に満たず、有識者は「事業者が改修を先送りしないよう補助の期限を明確にすべきだ」とした。
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