[2022_10_27_10]活字になった珠洲原発 過疎にやってきた「国」策(珠洲たのしい授業の会2022年10月27日)
 
参照元
活字になった珠洲原発 過疎にやってきた「国」策

 関西・中部・北陸の3電力会社による共同開発として進められた「珠洲原発計画」は,住民に様々な影響を与えました。
 このページでは「珠洲原発計画」に関する文献(新聞を除く)を紹介します。学習資料にどうぞ。画像をクリックすると,アマゾンに飛びます。本のくわしい情報はそこでもわかります。リンクしていないのは,アマゾンでは取り扱っていない本です。すでに手に入らないものもあると思いますが,図書館や古本屋で探してみてください。

 単行本

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■落合誓子著『バッド・ドリーム』(自然食通信社,2009年)
 珠洲原発建設計画が「凍結」されたのは2003年12月。あれから6年が過ぎようとしています。
 今回紹介する本は,その反対運動の渦中にいた落合誓子現珠洲市議が,珠洲原発反対運動を元にして書いた「フィクション」です。
 主な登場人物を挙げると,花田武(反対派候補者),山田信教(住職,反対派の中心人物),北島祐介(弁護士,反対派事務局長),前川たみ・宮前文子(漁師の女房,反対派の実働部隊),上戸幸一(村会議長を務める古参の議員,推進派)…などなど,あのとき珠洲にいた人なら,「この登場人物は,あの人とあの人を足したような人だ」というのがとてもよく分かって,まるでノンフィクションのように読むことができるかもしれません。
 反対派として選挙に出た花田武は,ある棚田で,名前も知らないお爺さんを抱きしめます。そして,こう思うのです。

 手の中に入ってしまった小さな爺さんが花田はいとおしかった。
 本当は子どもや孫に囲まれた生活がしたかったのだろう食糧のない時は食糧を,人手がないときには人手を,兵士がないときには兵士を,時代の要求に黙って応じて来たこんな年寄りが置き去りになってしまったという今の時代。
 この棚田の村で,どっちが残っても,たったひとりで老いていく最晩年。こんな人たちがキチンと護られなければ日本はその輝きを失うに違いない。(157p)

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■山秋真著『ためされた地方自治』(桂書房,2007年)
 珠洲原発建設を巡るドタバタを,地元推進派から「外人部隊」と呼ばれた若者の一人が,現地の運動に参加して感じたことをまとめたドキュメンタリーです。
 著者の女の子をわたしも知っています。著者名も本書に登場する地元の人たちもほとんど仮名ですが,珠洲の知っている人が読めば,「ああ〜,これは○○さんだ」って分かるでしょう。
 本書が,全国で読まれることを考えれば,個人名はどうでもいいことです。それよりも,「国」策原発がどのような姿をして我々のものにやってくるのか,がよく分かると思います。
 もともとの視点がユニークなので,それだけで読み応えがあります。原発反対運動のど真ん中にいて,その運動を相対化して見ているので,とても新鮮です。
 また,第5章「大会社の惑わしと周到なだまくらかし」では,ゼネコンを用いた原発建設予定地の土地取得を巡る事件がクローズアップされています。「脱税裁判」として明るみに出たこの事件について,裁判傍聴を重ねるなかで感じた「大会社と個人とのあまりの力の違い」を知るとき,「田舎もんはみんな被害者」という無力感に襲われます。

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■珠洲原発反対連絡協議会編『反連協の歩み』(自費出版,B5版,2005年) 
 やっとできました。1978年に結成された珠洲原発反対連絡協議会(略称:反連協)の運動の歴史をまとめた本です。
 内容は,27年間にわたる反連協の『総会議案書』から抜粋し編集・製本しました。「行動日誌(年表)」や「歴代役員」も載せてあります。巻末には,役員や珠洲原発反対運動に関わってこられた県内外の人からの寄せ書きもあります。全部で466ページもの厚さになりました。
 反連協は,2005年10月29日(土)に珠洲市飯田町の陽慶閣にて,解散総会を開催しました。昔懐かしの役員や来賓をお迎えし,原発反対派が勝利しての解散となりました。
 下の北野進さんの本同様に,今後の珠洲が歩む方向を間違えないためにも,本書を読んでいただきたいと思います。珠洲市の中央図書館にもおいてあります(富山県立図書館にもあります)。
 また,別冊として,反連協が発行してきた情宣紙を集めた『情報宣伝紙集』(A4版,165ページ)も作りました。

『反連協の歩み(本編)』の「経過報告」をサイト上で読めるようにしました。

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■北野進著『珠洲原発・阻止へのあゆみ−選挙を闘いぬいて』(七つ森書館,2005年)
 ついに出ました。反原発運動の先頭に立って闘った,元石川県議・北野進さんの著作です。
 出版社は,原発関連の本をたくさん出している七つ森書館さん。2005年1月中旬の出版記念パーティーには,中里代表取締役にも出席していただきました。400ページで3000円。
 珠洲原発計画浮上当初から計画断念にいたるまでの経過が,節目節目の選挙を軸として語られています。また,珠洲原発反対運動そのものについても,主張の違いを乗り越えて,紆余曲折しながらやってきたことなど,赤裸々に綴られています。
 『珠洲市勢要覧2004』の「珠洲市のあゆみ」には,原発についての記述が全くないと聞きます。いくら自分たちの意見が通らなかったとはいえ,歴史が抹殺されることは許されることではありません。
 珠洲の現代史の中で,国策に翻弄されたこの30年間をしっかり見据えることが,新たな珠洲市づくりには必要です。

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■長田浩昭他編著『いのちを奪う原発(真宗ブックレットNo.9)』(東本願寺,2002)
 能登には,真宗大谷派のお寺さんがたくさんあり,その何人かの住職・坊守の方とは浅くないおつきあいをしていますので,こういう本も手に入ります。
 珠洲原発に関しては,長田浩昭さんと塚本真如さんが書いておられます。
▼さらに浄土は,去来現(こらいげん,過去−未来−現在)という時間概念の中で,仏と仏が念じあう世界として表されている。つまり現在は過去と未来によって限定されていると説かれているのである。(長田浩昭「豊かさのいけにえ−原発を認めてきた時代と私たち−」)より
▼やっぱり国策ということがあるんや。推進の人にとってはいろんな気持ちをね,その「国策」という一言によって,吹っ切らすものがあると思うんやわ。そうするとね,そういうことに関して今まで思ったこともないのに,「国民の電気をどうしたらいいんだろうか」と言ってみたり,「石油がなくなって,どうしたらいいんだ」なんて言うよ。いつ,この人たちは国のことを心配していたのかなと思うけれども。(塚本真如「能登半島の小さな町で起こっていること」より)

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■西尾漠編『原発をすすめる危険なウソ』(創史社,1999年)
 原発周辺には,常にウソがつきまとっています。マスコミをにぎわすウソだけでなく,闇から闇に葬られているウソもあります。そんな話題を集めたのが本書です。
▼209ぺ〜222ぺ <珠洲市・選管ぐるみの市長選不正事件>
 1993年珠洲市の市長選挙が行われ,原発推進の候補者が当選。しかし「不正疑惑」が明らかになり裁判に。96年,最高裁で「選挙無効」となり,市民側が勝訴。やり直し選挙では,またまた電力の圧力と市役所ぐるみの違反が行われ,再び推進派が市長に…。記事を書いているのは柳田達雄氏(当時,珠洲市議会議員,珠洲原発反対連絡協議会会長)です。

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■反原発運動全国連絡会編『反原発運動マップ』(緑風出版,1997年)
 第1部が「現地からの報告」,第2部が「脱原発運動の広がり」となっています。各地の原発反対運動に 取り組んでいる方々からのレポートを集めた本です。
▼122ぺ〜125ぺ <珠洲原発計画の経過>
 珠洲市の簡単な紹介から,珠洲原発をめぐるこれまで(20年間)の歴史が書かれています。執筆者は,柳田達雄市会議員です。
▼293ぺ〜297ぺ <議会と運動のかかわり>
 珠洲市郡選挙区から選出されている北野進石川県議会議員の目から見た,反原発運動と議員とのあり方について書かれています。「民主主義のないところ,踏みにじられてきたところに原発は計画され,建設されてきたのである。」と結んでいます。

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■七沢潔著『原発事故を問う−チェルノブイリから,もんじゅへ−』(岩波新書,1996年)
▼208ぺ〜218ぺ <奥能登の土地攻防戦>他
 著者は,NHK教養番組部のディレクターです。珠洲原発を取り上げたドキュメンタリー『原発立地はこうして進む』(1990年)が,全国放送されました。国策に追随するのが当たり前と言い切る区長の姿や「金で人の心を買う」姿と言ってはばからない電力会社社員などの話が出て来ます。
 チェルノブイリ原発事故が日本の国民に与えた影響は大きかったのだなあと,改めて思いました。

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■広瀬隆著『柩の列島』(光文社,1995年)
 副題に「原発に大地震が襲いかかるとき」とあるように,1995年1月17日の阪神淡路大震災を目にした著者が,われわれに「日本が地震列島の上に立っていることへの自覚」を促します。
▼283ぺ〜284ぺ <石川県・珠洲と山口県・祝島=不正選挙と料亭での懇談会>
 最高裁判決で無効となった「珠洲市長選」の顛末の一部が紹介されています。電力会社と市の役員たちが,袖の下を交わしあっている様子が,醜い。

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■筑紫哲也著『メディアと権力』(新潮社,1994年)
 本書は,筑紫さんが「ニュース23」で語っている「多事争論」を集めたものです。「人間の思考に限界があるのだとしたら,次善の策は,なるたけ多くの事をなるたけ多くの人が争って論じ合い,そこで出されたとりあえず(・・・・)の結論に従って先に進む,という繰り返しを重ねていくことではないか。」(本書24ぺ)という思いから番組内に設けた自分だけのコーナーです。
▼122ぺ <賛否平等・1993.3.1>
 珠洲という言葉は出て来ませんが,この話は珠洲のことです。
 どんなことにも賛成反対はつきものだけれど,その土俵のありかたが一方的な地域がある。同じ土俵に立ってこそ,賛否両論が始まるのだという話でした。筑紫さんは,本田勝一氏とこのテレビ放映の数日前に珠洲市に来られ,飯田小学校で講演をしていかれました。発刊予定の『週刊金曜日』のコマーシャルを兼ねていました。わたしは,そこでお二人の講師紹介をしました。なつかしいなあ。

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■清水修二著『差別としての原子力』(リベルタ出版,1994年)
 腰巻きより…「原子力をめぐる社会現象には,ごく普通の市民の常識からすれば,とんでもない非常識や不合理がたくさんある。「地域振興のために」と,危険と引換えに原発を誘致する側の論理と真理に深く立ち入りながら,原発推進のメカニズムを明かす。10基もの原発と共存させられている福島県民の目線で見たユニークな原発論。」
▼123ぺ〜125ぺ <下北の「野垂れ死に」,能登の「立往生」>
 著者が講演をするために珠洲市に訪れたときの様子が書かれています。農協会館の使用を拒否されたことも取り上げています。寺家の内田さん(故人)の言葉がすごいです。

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■落合誓子編著『原発がやってくる町』(すずさわ書店,1992年)
 著者は,先にも紹介した落合誓子氏です。
 本書は,1冊まるまる珠洲市と珠洲原発に関わった話題のみです。落合さんは,地元で『トリビューン能登』というミニコミ紙を数年間にわたって発行されました。こんなことも珠洲市始まって以来でしょう。ルポとしても優れています。その『トリビューン能登』から,抜粋して本になっています。
 これは一地方の出来事ですが,日本のあちこちに似たような状況があるのだろうなと思います。だからそこ,すずさわ書店さんから1冊の本となって出版されたのでしょう。お薦めの本です。
わたしの手元には,あと2冊あります。欲しい方は,下記のメールでご連絡を。

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■泉滋子著『鳥ではないから…』(自費出版,1990年)
 副題は「現地主婦が見た珠洲原発」。

1989年(平成元年)…まさに突然…。
ほんの身のまわりの事にしか目が向いていない主婦にとって
本当に突然原発がやってきたという印象です。
 今,私は我が町内で,
“反原発運動する普通の主婦”
という異名をとってしまいました。
活動を始めたのは5月21日,38才を迎えた翌日からでした。

ではじまる,一主婦の1年間の行動をまとめた手記です。
いろんな方とやりとりした手紙は,膨大な量にのぼります。本書にはそのほんの1部が紹介されています。全500ページ以上もの「普通の主婦」の反原発の願いは,確実に実を結びました。

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■八木正編著『原発は差別で動く−反原発のもうひとつの視覚』(明石書店,1989年)
 本書の第1部は,能登(志賀)原発と珠洲原発を中心とした話題です。筆者が編集していた会報『いろりばた』を集めたものです。珠洲原発反対連絡協議会が寺家にアンケートをした結果の報告や珠洲の人たちの文章も寄せられています。第2部のタイトルは「専門科学主義なる幻想批判」です。
 著者の八木正さんは,金沢大学教授で,原発推進の論理がいかに前時代的なものをかを明らかにしています。
 左のリンクは,2011年6月発行の新装版です。

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■三輪妙子編著『わいわりがやがや 女たちの反原発』(労働教育センター,1989年)
 第1章「たたかう女たちはいま」で8人の女性が報告を書いています。珠洲原発のことは,落合誓子氏が文章を寄せています。
▼28ぺ〜41ぺ <原発がやって来る村>
 ノンフィクションライターの落合誓子さんが,地元珠洲に帰ってきた見たものはなんだったのか。過疎の日常の息苦しさと,それでも元気になれる可能性が感じられます。この後,ご自分の人生の方向も変えざるを得なくなってしまうとは,原発は建たなくても罪なものです。

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■広瀬隆編著『北陸が日本地図から消える日−能登原発恐怖の疑惑!』(JICC,1988年)
 広瀬隆,生越忠,槌田敦などの反原発の論客が,能登原発に関わるいろいろな疑惑(内部告発の資料や地層のことなど)を取り上げ,「能登半島が核の基地となり,最後はごみすて場になるのでは…」という危惧を述べています。
▼36ぺ〜48ぺ <北陸電力地上げの手口>
 珠洲の現状と志賀町の状況とを絡めながら,金の力でムリヤリ押し切ろうとする電力会社の姿をあばき,「本当の市民の力は,これからわかるだろう」と,未来に向けて原発反対運動が盛んになることを予想しています。この項目の著者は落合誓子氏(珠洲市在住のルポライター,2004年現在,珠洲市議)。

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週刊誌の記事(商品リンクはありません)

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■『週刊現代』(講談社,2000年6月30日号)
▼32ぺ〜37ぺ 電力会社との勉強会が問題に
 我らが石川県出身の短命首相森喜朗氏をめぐる「醜聞・暴言」を扱った記事の中に,珠洲原発に関する話題が出ています。森首相が通産大臣だった頃に,珠洲原発が国の「要対策重要電源」に指定されました。ま,地上げ屋や電力会社社長との結びつきなど,とんでもない政治家です,というか日本の伝統的な政治家なのでしょうね。

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■『週刊金曜日・第131号』(金曜日,1996年7月19日)
▼70ぺ〜71ぺ 推進派の選挙違反でまた汚点(高橋 宏)
「珠洲市のやり直し市長選挙では,大方の予想に反して原発推進派が大差で勝った。追い風に恵まれた選挙で原発反対派が大敗した裏には,市助役の逮捕に象徴される推進派のなりふり構わぬ違反活動がある。反省のないまま行われた選挙は,また大きな汚点を残した」という内容の記事です。高橋氏は元共同通信社記者で,フリージャーナリストです。

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■『AERA』(朝日新聞社,1996年7月15日号)
▼62ぺ〜63ぺ やり直し石川県珠洲市長選−選挙管理団が必要だ
カンボジアでは国連の選挙監視団が働いた。珠洲(すず)市には,せめて他府県からの選挙管理団が欲しい。
という書き出しで始まる本編は,編集部の遠藤氏の記事です。地元では「もらって何が悪い」と思っているであろうキリコの収納庫についても,当たり前の感覚をもっていれば如何におかしいかがわかります。助役まで逮捕された「やり直し市長選」は,歴史の1ページですねえ。あーあ。

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■『週刊金曜日・第126号』(金曜日,1996年6月16日)
▼34ぺ〜35ぺ 結局,「珠洲市長選」で何があったのか(明石昇二郎)
 最高裁判決が出た後の,明石さんの手による記事です。不正選挙だったことは認められましたが,誰も責任を取らない姿勢に疑問を投げかけています。

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■『週刊金曜日・第11号』(金曜日,1994年1月28日)
▼33ぺ〜39ぺ 原発がやってくる町からの報告
・インチキ選挙と地方の現実(落合誓子)
・珠洲で「原発選挙」を見た!(小山内明志)
・必要なのは勇気−珠洲に住む人たちの声… 差別のあるところに原発が来る/市民はもっと「勇気」を/世にも不思議な市長選挙/「原発は金」「力こそが正義」だった/不正を応援する元教員(長い物予備軍)たち/電力の金なんかあてにしてもだめ
▼40ぺ〜45ぺ 「珠洲市長選」で何があったのか(下)(明石昇二郎)
「一方的な選挙会再会」「矛盾だらけの選管」「不正があった“証拠”」「本来ならアウトの選挙」
蛇足:ちなみに青文字の「声」は,わたしが書いたものです。そのため,いろいろと嫌がらせも受けましたが…。われながらいい文章だ。

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■『週刊金曜日・第10号』(金曜日,1994年1月21日)
▼43ぺ〜47ぺ 「珠洲市長選」で何があったのか(上) 明石昇二郎
 1993年の珠洲市長選(後で選挙無効となる)での顛末を,ルポしたものです。
 執筆時は,まだ「不正があった」と確定したわけではありませんが,さすがに鋭いルポを書いています。石川テレビのNEWSで放映された,市職員が密室で何かをポケットに入れている(出している?)様子も写真として掲載されています。
「珠洲市長選’93」「ノーコメントの関係者」「2000億円の分け前」「なりふり構わぬ林陣営」「前代未聞の不明票」「持ち出された<何か>」

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■『サンデー毎日』(毎日新聞社,1991年8月18日・25日号)
▼202ぺ〜205ぺ 電力3社 マル秘つけ届けリスト
 この記事は,珠洲でも有名になりました。なんと,珠洲の関電現地事務所から関電本社に送るはずのFAXが,間違って,なんと大阪府警OBが経営する調査委会社に届いたというのです。このFAXの内容が,電力側が準備した「お中元贈呈先一覧表だった」といいますから,世の中おもしろいです。市長をはじめとして総勢100名余りの珠洲市の地元有力者が並んでいます。記事は「二束三文の土地が宝の山に変われば,誰でも目の色が変わるだろうが,こころでふと立ち止まって,ニッポンの将来を考えてみてはいかがだろうか。」と結んでいます。

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■『朝日ジャーナル』(朝日新聞社,1989年4月7日増大号)
▼111ぺ 過疎の地で揺れる「原発」が争点の市長選
 副タイトルに『能登半島・珠洲市で若者たちが前時代的な政治に「ノー」の声』とあります。
 そう,この記事は,1989年4月に行われた珠洲市長選で,市民たちが,無名の北野進氏(当時29才,後の石川県議会議員)を担いで闘った時のものです。記事掲載時点では,まだ選挙は終わっていませんが,新しい時代の流れが出来たこの選挙のことを,朝日の記者はしっかり見ていたことになります。さすがだなあ。
 このときは,本当に「赤」「非国民」呼ばわりされましたねえ。こわいこわい。
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