[2023_08_19_03]むつ中問防蔵操業時期 宮下知事 RFS、けん制(東奥日報2023年8月19日)
 
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むつ中問防蔵操業時期 宮下知事 RFS、けん制

 宮下宗一郎知事は18日、操業へ向けた国の認可審査が最終盤を迎えた使用済み核燃料中間貯蔵施設の事業者・リサイクル燃料貯蔵(むつ市、RFS)に対し、「(操業時期を)『見極められない』とは言えないはずだ」とし、誠実な説明が必要との認識を示した。同日の取材に答えた。RFSは「認可の段階で時期を見極める」としてきたが、現状で見極めるのは困難との見方もある。宮下氏は「(RFSは)主体性と、地域に向き合う責任が問われる」とも述べた。
 原子力規制委員会の審査は8月中にも認可を得られる見通し。RFSは事業開始見込みを暫定的に2023年度に据えた一方、認可の見通しが得られた段階で見極める−としてきた。しかし最終検査に使う使用済み核燃料を運び出す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)は、核燃料の移動禁止命令が解けておらず、現段階で操業時期を見通すのは難しい情勢にあるとされる。
 宮下氏は「(搬出制約といった)外側の理論や理屈で、(RFSが)自らどうするかということから逃げては駄目だ。主体性と責任の2点は今回、必ず問われる」と指摘。操業時期の見極めについてRFSに対し、「歴代の市長が協力、応援して一生懸命やってきたことが実を結ぶ瞬間に、何の見通しも示せずに『見通せません』とは言えないだろう」とけん制した。
 RFSは18日の取材に「現時点では認可をいただいていないので、コメントは差し控える」とした。
  (佐々木大輔)

 共用化構想「存在しない」

 宮下知事 宮下宗一郎知事は18日、むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設を電力各社で共同利用するという電気事業連合会の構想について、「市にも県にも共用化構想は一切存在しないというのは私の一貫した立場で、県の立場と言ってもいい」と明言した。山口県上関町が中間貯蔵施設の建設に向けた調査の受諾を表明したことには、「(むつ市は)20年以上前から計画があるものの操業に至っていない。(原子力施設が立地する)電源立地点になるには相当な時間がかかる」と述べた。
 共用化構想は、使用済み核燃料を福井県外へ搬出する方針の関西電力が一時、福井側に「選択肢の一つ」として示した経緯がある。上関町の計画は中国電力と関電の共同事業となる。
 宮下氏は「(むつ施設の)事業や搬入・搬出の計画がまだない中で、議論の立ち上げようがない」と指摘。東京電力、日本原子力発電と結んだ立地協定に触れ、「協定の原則に立ち返ることが大事だ」と述べた。
    (佐々木大輔)
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