[2020_10_23_09]コロナ下での事故想定 伊方原発防災訓練 愛媛県内外2万人参加 検温、消毒実施(毎日新聞2020年10月23日)
 
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コロナ下での事故想定 伊方原発防災訓練 愛媛県内外2万人参加 検温、消毒実施

 大地震による四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の事故を想定した県の防災訓練が22日あった。毎年実施している大規模訓練だが、新型コロナウイルスが流行している現状を踏まえて感染症流行下の避難も想定した内容になった。ただ参加者からは「本当に事故が起きたらコロナどころではないのでは……」と不安の声も聞かれた。【中川祐一、遠藤龍】
 訓練は、震度6強の地震が発生して3号機の原子炉が自動停止、全交流電源の喪失などで放射性物質が放出されたと想定。雨天のために予定が一部中止、または変更になったが、県内外の約100機関、およそ2万人が参加した。
 町民らは体調の良しあしで別々のバスに振り分けられ、各地の避難所へ搬送。車内では間隔を空けて座席に座ってもらった他、避難所に入る際には検温や消毒を実施し、体調不良者についてはパーティションに区切られた専用スペースへ誘導した。
 ただ、大分などへの海路避難では、船内のゾーニング(区分け)などの内容が盛り込まれなかった。原発より西側に住むミカン農家、清水京子さん(72)は「事故が起きたら避難者でごった返すと思う。船の中は密になりやすいのでは」と心配そうに話した。
 中村時広知事は「コロナのように考えられないような事態が発生することもあるので、その都度速やかに訓練に盛り込んで検証を続けたい」とコメントした。
 3号機は定期検査中の1月に広島高裁から運転差し止めを命じる仮処分決定が出されている。1、2号機はいずれも廃炉が決まっている。
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