[2016_04_23_05]断層「さらに調査を」東通原発審査で規制委(東奥日報2016年4月23日)
 
 原子力規制委員会は22日、東北電力東通原発(東通村)の重要施設直下の断層に関する審査会合を都内で開いた。取水路などの下を通る断層「fー1」について、東北電は新たな解析結果を示して活動性を否定したが、規制委側はデータ不足を指摘し、さらなる掘削調査を求めた。原子炉建屋直下の断層「f−2」は、活動性はないとの東北電の主張に異論は出なかった。         (古川靖隆) 原発の新規制基準は、13万〜12万年前以降に動いた活断層の上に重要施設を置くことを認めていない。f−1は地下の岩盤部で断層が途切れているが、約10万年前に堆積した上部の地層に小さな断裂がある。この小断裂がfー1の活動でできたかどうかが焦点となっている。
 審査会合で東北電は、f一1の断層面に約1千万年前に形成された鉱物が破壊されずに残っているとし、少なくとも1千万年前以降は動いていないとした。
 しかし規制委側は「調査はまだ十分ではない」などとし、トレンチ(試掘溝)をさらに据り進めて断層を観察するよう求めた。会合後に東北電の笹川稔郎副社長は「多少なら(さらなる掘削調査が)できる可能性はあるが、どこまでできるか現地をチェックした上で検討する」と語った。
 一方、f−2について東北電は約1千万年前に形成された鉱物脈の影響を受けているとし、それ以降の活動はないと説明。原子力規制庁の小林勝耐震等規制総括官は「(活動性がないという)説明性がさらに高まった」と評価した。昨年3月に規制委が了承した外部有識者による同原発敷地内断層の評価書は、f一1の活動性の最終的な判断を見送り、f−2は断層活動の形跡である変位・変形は認められない−としている。
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