原子力規制委員会が二十五日、東北電力東通原発（青森県）には複数の活断層が走り、原子炉直下の断層についても、引き続き調査が必要と判断したことで、新しい規制萎準による同原発1号機の審査は長期化することが確実になった。
　新基準は、原子炉など重要施設を活断層の上に設置することを禁じている。
　東北電は、直下の断層を「活断層ではない」と主張するが、専門家の意見も割れており、新たな証拠で活断層を否定できないと再稼働はできない。断層は建屋の下に隠れ、掘り起こして調べることができず、追加の調査は難しい。
　地震や津波対策の審査を担当する規制委の石渡明委員は「すぐに結論が出るものではない」と審査は長期化するとの認識を示した。新たな証拠が出ず、活断層かどうか判断できなかった場合の対応については「やむを得ない部分は安全側に見る方針だ」と述べ、再稼働を認めない可能性が高いとの見通しを示した。