[2020_02_06_06]原子力規制委 火山の「有意な変化」で報告書案、監視強化を(日経新聞2020年2月6日)
 
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原子力規制委 火山の「有意な変化」で報告書案、監視強化を

 原子力規制委員会の原子炉火山部会は6日、原子力発電所を運営する電力会社が監視する火山で観測データに「有意な変化」があった場合に監視を強化するとの報告書案をまとめた。巨大噴火の前兆をとらえるのは困難として、当初視野に入れていた原発の停止基準には踏み込まなかった。
 火山に関する原発の規制では、火砕流が原発に到達するような巨大噴火が運転期間中に起きる可能性が十分小さい場合などに運転を認めている。運転を認められた後も、有意な変化がないか監視することを電力会社に求めている。
 再稼働済みの原発では九州電力の玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)に関して阿蘇山などの監視を義務付けている。火山の専門家らで作る部会では2016年から有意な変化の定義などを検討してきた。ただし、巨大噴火の前兆現象は過去の記録がない。このため報告書案は「明確に定義することは困難」と記した。
 有意な変化を判断する項目として「地震活動」「地殻変動」「火山ガス」などを挙げた。複数の項目が大きく変動した際に有意な変化があったとして原子力規制庁が部会の確認を受けたうえで、規制委に報告する。
 規制委が有意な変化と判断すれば、電力会社に観測データの拡充などの監視強化を求める。原発の停止を求める明確な基準は当面作らず、その都度、規制委で検討していくという。
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