[2023_12_09_01]日米など「原発3倍宣言」に独伊が加わらない理由(毎日新聞2023年12月9日)
 
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日米など「原発3倍宣言」に独伊が加わらない理由

 2050年「原発3倍宣言」の波紋(上)

 米国は2050年までに日本など21カ国(注)と世界全体の原発の設備容量(発電能力)を3倍に増やすことを目指すと12月2日に宣言した。アラブ首長国連邦(UAE)で開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせて公表したというが、主要7カ国(G7)でドイツとイタリアは宣言に加わらなかった。これは何を意味するのか。
 宣言は米国が英国とともに主導し、フランスやカナダ、スウェーデン、フィンランド、韓国などが参加。ポーランド、ガーナ、モロッコなど、まだ原発を持たない国も加わった。
 宣言は世界の平均気温を産業革命前から1.5度上昇に抑える国際目標の達成に向けて「原発が重要な役割を果たすことを認識する」と指摘。「50年までに世界全体で原発の設備容量を3倍にする目標に向けて協力する」とした。
 米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)は宣言について「原発を抜きに50年の温室効果ガス排出量の実質ゼロは達成できない」と述べた。米ニューヨーク・タイムズは「原発の容量を3倍に増やすことは、欧州のロシア産石油・ガスへの依存を減らす効果も期待できる」と評価した。

 ドイツは「脱原発を実現した」

 ところがG7で宣言に加わったのは米国、英国、フランス、日本、カナダの5カ国で、ドイツとイタリアは賛同しなかった。いつもなら一致結束するはずのG7が国際的な宣言で意見が割れるのは珍しい。
 この点について、ドイツの公共国際放送「ドイチェ・べレ」は「温室効果ガスを排出しない原発はCOP28の議題の一つだ」としながらも、「ドイツは今年4月に脱原発を実現した。日本の福島第1原発の事故をきっかけに… (後略)
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