[2022_02_09_04]東電強制起訴控訴審 証人申請、現場検証を却下 次回結審へ(毎日新聞2022年2月9日)
 
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東電強制起訴控訴審 証人申請、現場検証を却下 次回結審へ

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴され、1審で無罪判決を受けた東電の勝俣恒久元会長(81)ら旧経営陣3人の控訴審第2回公判が9日、東京高裁であり、細田啓介裁判長は検察官役の指定弁護士が申請した地震の専門家ら3人の証人尋問や、原発の現場検証をいずれも却下した。次回期日で指定弁護士側、弁護側の双方が意見を述べて結審する予定。
 公判後に記者会見した被害者側の弁護団は「証人の話を聞き、現地で五感で感じて、この事故の本質に迫ってほしかった。大変残念な決定だ」と批判した。
 起訴状によると、勝俣元会長と武黒一郎元副社長(75)、武藤栄元副社長(71)は2011年3月、東日本大震災の津波で福島第1原発の全電源を喪失させ、炉心損傷や原子炉建屋の水素爆発などを引き起こし、双葉病院(福島県大熊町)から避難した入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされる。19年9月の東京地裁判決は、原発事故につながる巨大津波の予見可能性を否定し、無罪とした。【遠山和宏】
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