[2022_04_08_07]トンガ噴火津波 高くなった要因「複合的」 気象庁の報告書(NHK2022年4月8日)
 
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トンガ噴火津波 高くなった要因「複合的」 気象庁の報告書

 ことし1月、南太平洋・トンガの海底火山で起きた大規模噴火の影響で東北を含む各地の沿岸で潮位変化が観測されたことを受け、気象庁は、専門家による会合でメカニズムについて報告書をまとめました。潮位変化が起きたのは噴火の衝撃による気圧波が影響していると結論づけましたが、被害を及ぼすほど潮位が高くなった理由については「複合的な要因が考えられ、今後も調査・研究が必要だ」としています。
 トンガの海底火山でことし1月に起きた大規模な噴火では、日本各地の沿岸で数センチから1メートル余りの潮位変化が観測され、船や養殖施設などに被害が出ました。
 当初、気象庁は「多少の潮位の変化があるかもしれないものの被害の心配はない」と発表しましたが、深夜になって北海道から沖縄の広い範囲に津波警報や注意報を発表し、混乱もあったことから専門家の会合でメカニズムを検討しました。
 今回まとまった報告書では、地震によって起きる津波が伝わるより4時間程度も早く潮位変化が観測された要因について、噴火の衝撃によって生じた気圧波が速く伝わり、気圧が急激に変化したためだと結論づけました。
 一方、最大で1メートルを超える高さに達した理由については、水深の深い場所で気圧波による影響が大きくなる現象が起きたり湾などの地形で局地的に増幅されたりといった複合的なものだと考えられるものの、何がどの程度影響したのかまでは特定できず、今後も調査・研究が必要だとしています。
 報告書を受けて気象庁は、海外で規模の大きな噴火が起きた際、潮位変化の具体的な予測はできないものの、変化が始まると予想される時間や地域を伝えることになりました。
 潮位変化が観測され、基準に達した場合は津波警報や津波注意報を発表するとしています。
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