[2024_09_26_01]むつ中間貯蔵施設に核燃料/東電が初搬入(東奥日報2024年9月26日)
 
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むつ中間貯蔵施設に核燃料/東電が初搬入

 21:41
 原発の敷地外で使用済み核燃料を一時保管する国内初の中間貯蔵施設(青森県むつ市)に26日、核燃料が初めて搬入された。東京電力ホールディングスが柏崎刈羽原発(新潟県)から搬出、海上輸送した核燃料69体入りの金属容器(キャスク)1基は、26日朝に貯蔵施設近くの港に到着。事業を担うリサイクル燃料貯蔵(RFS)は27日以降、約1週間かけてキャスクの安全性を検査し、国から確認証を得られれば、10月末までに事業開始となる見通し。

 中間貯蔵事業は、原発から出た使用済み核燃料を再利用のため処理するまでの間、最長50年にわたって一時保管する。事業開始となれば、核燃料サイクル政策の一端を担うことになる。県内への核燃料搬入は、日本原燃・再処理工場(六ケ所村)が直近で受け入れた2016年10月以来、約8年ぶりとなった。
 運搬船はウラン重量12トン分の核燃料69体を密封したキャスク1基を積み、24日に新潟県から出航。26日午前7時50分ごろ、むつ市内の港に入った。

 県と市は8月に結んだ安全協定に基づき、船内に立ち入ってキャスクの放射線量などを調査。法令の基準内であることを確認した。東電は船からキャスクをクレーンで陸揚げして運搬車両に積み替え、約1.5キロの専用道路を通って施設まで陸送。午後4時25分、中間貯蔵施設に到着した。
 RFSは事業開始に向けた最終の検査で、キャスクが放射性物質を閉じ込める機能などを確認する。

 水や電源を使わず、空気の自然対流でキャスクを冷やす「乾式貯蔵」で保管する。RFSは当面の貯蔵計画として、2024年度は26日搬入の1基、25年度2基、26年度5基の3年間で計8基(核燃料96トン)を搬入すると公表済み。いずれも柏崎刈羽から運び出す。
 高橋泰成社長は26日、「作業は安全に終了した。引き続き安全を第一に取り組む」とのコメントを出した。

 施設にはRFS親会社の東電、日本原子力発電が保有する核燃料3千トンを貯蔵する。国や事業者は、貯蔵を終えた核燃料の搬出先を原燃再処理工場と想定するが、8月末に27回目の完成延期が決まり、いまだ操業のめどは立っていない。
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