[2025_11_24_01]原発が動けば過疎の町がにぎわう、という「幻想」 数字上は微々たる効果 リスクはメリットより重く(東京新聞2025年11月24日)
 
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原発が動けば過疎の町がにぎわう、という「幻想」 数字上は微々たる効果 リスクはメリットより重く

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 〈見切り発車、柏崎刈羽〉[2]全3回
 首都圏に電力を送る東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が現実味を帯びてきた。立地する新潟県の花角英世知事が21日、再稼働を容認した。
 県民意識調査では、福島第1原発事故を起こした東京電力の再稼働に「条件は整っていない」とした声が6割を占めた。
 再稼働で地元経済の活性化を期待する声がある一方、事故の危険性は格段に高まる。再稼働の準備は本当に整っているといえるのか。(この連載は、浜崎陽介、荒井六貴が担当します)

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 ◆「地元企業にできるだけ発注するよう意識していると思う」

 東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の市役所を背に100メートルほど北上すると、「柏崎新本社事務所」と記された白いフェンスに囲われた工事現場にたどり着く。東京電力が東京都内の原子力部門の一部を移すため、200人規模で執務できる地上5階建てのビルが建設される。
 2026年度に完成予定で、施工する市内の有力建設会社4社の企業体の名がフェンスに刻まれている。そのうちの一つが丸高建設だ。高橋武社長(53)は「東電さんは、地元企業にできるだけ発注するよう意識していると思う。そういう意味でも雇用は発生している」と原発が立地する経済効果を説明。再稼働を支持してきた。
 原発構内では現在、テロ対策施設の建設などが進められ、比較的、仕事は多い。1日5、6000人が東京電力社員を含めて働き、半分ほどが市内在住とされる。原発が立地するメリットを地元に感じてもらうため、東京電力は地元にできるだけ仕事を振り分け、地ならしを進めてきた。その成果もあって、桜井雅浩柏崎市長が19日に、赤沢亮正経済産業相と面会し早々と再稼働容認を伝えた。
 だが、原発の建設期は建設会社などを潤したとしても、再稼働後の波及効果は微妙だ。高橋社長も「定期検査で多くの作業員が来る仕事はあるが、どの程度の効果なのかは分からない」と認める。

 ◆原発建設時は大にぎわいだった夜の街も(後略)
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