[2025_11_21_12]東京電力は原発を運転してはならない 機密文書を違法に持ち出す企業に原発を任せることは到底できません 柏崎刈羽原発再稼働は許されない 東電の重大不祥事を知りながら新潟県知事が再稼働に同意することは県民の安全を軽視する判断 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2025年11月21日)
 
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東京電力は原発を運転してはならない 機密文書を違法に持ち出す企業に原発を任せることは到底できません 柏崎刈羽原発再稼働は許されない 東電の重大不祥事を知りながら新潟県知事が再稼働に同意することは県民の安全を軽視する判断 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

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 東電柏崎刈羽原発で、またしても「テロ対策に直結する極めて深刻な不祥事」が起きました。
 再稼働の同意を県知事が表明しようとする直前に発覚したこの事件は、東電という企業が根本から信頼に値しないことを改めて突きつけています。
 むしろ、このタイミングで新たな不祥事が露見したことそのものが、東電の体質が危機管理能力を備えていない決定的な証拠です。

 ◎不祥事の概要と事実の深刻さ

 2025年6月、東京電力の社員がテロ対策に関する秘密文書(核物質防護情報)を正規の手続きを完全に無視して保管庫から持ち出し、勝手にコピーし、自席に保管していたことが明らかになりました。
 しかも、一度きりではなく複数回にわたり同様の行為が繰り返されていたことが、規制委員会の秘密会合で取り上げられています。
 東電は6月の段階で把握し規制委に報告したと説明していますが、そもそも「秘密文書の違法持ち出し」が常態化していたという事実が、企業としての統制が崩壊していることを示しています。
 「社外流出は確認されていない」とする東電の説明は、もはや言い訳にもなりません。厳重管理が求められる機密情報を杜撰に扱う企業に、原発の運転など任せられるわけがありません。

 ◎改善できない企業体質

 柏崎刈羽原発では2021年にもテロ対策の欠陥が連続して発覚し、規制委から事実上の運転禁止命令が出されました。この命令が解除されたのは2023年12月、わずか2年前です。
 その間、東電は「信頼回復」を口にし続けてきましたが、実態は何も変わっていませんでした。
 今回の不祥事は、東電が安全文化やコンプライアンスを組織として根本的に構築できない企業であることを、はっきりと示しています。
 東電は「組織的な問題ではない」と責任を矮小化していますが、同種の問題が繰り返されている以上、組織的問題であることは明白であり、東電の体質そのものが問われています。

 ◎新潟県知事の再稼働同意直前の発覚は決定的

 花角英世新潟県知事は、柏崎刈羽原発の再稼働について、2025年11月21日にも容認を正式表明すると報じられています。
 しかし、その判断直前に、重大不祥事が再び発覚しました。
 知事は「知らない」「概要がわからないので判断への影響は言えない」と述べていますが、この対応では県民の理解を得られるはずがありません。
 知事は12月2日開会の県議会に判断を諮る方針ですが、今回の問題は議会の審議にも重大な影響を与えることは避けられず、議会がどのような立場をとるか厳しく見守る必要があります。
 東電の重大不祥事を知りながら再稼働に同意することは、県民の安全を軽視する判断と言わざるを得ません。

 ◎運転すれば「何が起こるか分からない」極めて危険な原発

 柏崎刈羽原発については、地震・津波評価に依然として大きな疑問が残されており、規制庁とのヒアリングでも問題点が指摘され続けています。地震本部による長期評価を踏まえた追加説明も求められています。
 一方で、東電内部でもID不正使用、監視装置の故障放置、機密文書の紛失、そして今回の違法持ち出しと、安全管理の根幹にかかわる不祥事が途切れることなく続いています。
 このように、自然災害リスクと人的リスクが同時に存在し、それぞれが深刻な水準に達している原発を再稼働させれば、何が起こるか分からないのは当然です。
 東電の現状を見れば、柏崎刈羽原発を再稼働させることは極めて危険であり、許される判断ではありません。
 私たちは規制庁に対して、再稼働を許さないという強い姿勢で臨みます。監督官庁に対しても責任追及を続けていかなければならないと考えています。

 ※関係記事紹介 ■5.配信・新聞よりの ◆東電柏崎原発、またテロ対策不備(11月20日12時28分「共同通信」より)をご覧ください。
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