[2025_11_21_10]7年問不正見抜けず 東北電・東通原発 規制委「組織改善を」(東奥日報2025年11月21日)
 
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7年問不正見抜けず 東北電・東通原発 規制委「組織改善を」

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 東北電力は、束通原発(東通村)で発覚した性能試験記録を巡る不正行為を、約7年にわたって見抜けなかった。2018年度以降、担当社員の入れ替わりもあって管理職を含めれば約20人が関与したものの、「疑問が持たれないまま(不正が)引き継がれた」(東北電幹部)。原子力規制委員会は東北電に対し「組織として改善の取り組みが必要」と指摘した。

 「早く発見することができたのではないか」。原子力規制庁担当者は20日、東北電が不正の芽を摘めなかった組織的な対応を疑問視した。
 規制庁によると担当社員は年によって1、2人。東北電は担当社員に「悪意はなかった」とし、核物質防護の知識や重要性の認識が不足していたと釈明した。管理職の「担当者任せ」も原因の一つに挙げた。規制委は「(管理職が)適正な業務管理をしていれば回避することが可能だった」と結論付けた。

 東通原発1号機は11年2月から運転停止が続く。東北電は安全審査に対応中だが、再稼働のめどは立っていない。自治体幹部の一人は「発電所員の士気が下かっているのではないか」と懸念。青木宏昭・東北電原子力本部長は20日の記者会見で「原子炉など本体側の設備ではこのようなことはないと確認できた。モチベーションが下がっている状況ではない」と強調した。
 (佐々木大輔、加藤景子)
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