[2025_11_19_01]柏崎刈羽原発の再稼働容認は、フトコロが苦しい東京電力救済のため? 電力需給や料金への効果は小さくて(東京新聞2025年11月19日)
 
参照元
柏崎刈羽原発の再稼働容認は、フトコロが苦しい東京電力救済のため? 電力需給や料金への効果は小さくて

 21:28
 首都圏に電力を供給する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を、立地する新潟県の花角英世知事が容認する意向であることが県関係者への取材で分かった。21日にも表明する見通し。県民の間で不安視する声が根強い中、早ければ来年1月にも再稼働する可能性が出てきた。実現すれば、2011年に世界最悪レベルの福島第1原発事故を起こした東京電力による、事故後初の再稼働となる。(浜崎陽介、荒井六貴)

 ◆新潟・花角英世知事が21日にも容認表明

 花角知事は19日の定例記者会見で「近く結論を出して話したい。判断前に、聞いたり見たりしておいた方が良いと思ったものはない」と述べ、判断材料は出そろったとの考えを示した。知事は政府や東京電力が求める再稼働の是非を判断するため、県独自で原発事故の検証を行い、県内自治体の首長から意見を聴き、県民対象に意識調査するなど材料を集めてきた。

東京電力柏崎刈羽原発の(左から)5号機、6号機、7号機=5月21日、新潟県で、本社ヘリ「あさづる」から(石橋克郎撮影)

 東京電力は2013年、柏崎刈羽全7基のうち比較的新しく出力が高い6、7号機の再稼働を目指し、新規制基準に基づく審査を原子力規制委員会に申請。規制委は2017年に適合と判断。7号機はテロ対策施設の設置が遅れ、東京電力は6号機の再稼働を優先すると表明していた。
 立地する柏崎市と刈羽村は既に再稼働を容認する意向を示し、花角知事が同意するかが焦点となっていた。知事は自身の判断について「県民に信を問う」と話してきた。具体的には、12月2日開会の県議会定例会に再稼働関連の補正予算案を提出し、可決を得ることを念頭に置いているとの見方が広がっている。

 ◆再稼働関連の補正予算案は最終日に可決の可能性が

 県議会の過半数を占める自民党は再稼働を容認するとみられ、補正予算案は最終日の22日に可決される可能性がある。自民会派の関係者は「県議会の質問の通告もあるので、知事側に(表明を)早くしてほしいと要望していた」と明かす。
 県が同意すれば、東京電力は再稼働の最終的な準備に入り、規制委の手続きを進める。東京電力関係者は「手続きは1カ月ほどかかる見通し」としている。

   ◇   ◇

 ◆知事は前日の福島第1原発初視察で何を見たのか

 「福島は再稼働の議論の最初の入り口。原点を見て、関係者から話を聞きたいと思っていた。改めて事故の影響の大きさを実感した。二度と起こしてはならないと感じさせられた」

新潟県の花角英世知事(資料写真)

 花角知事は19日の定例記者会見で、前... (後略)
KEY_WORD:KASHIWA_:FUKU1_: