[2025_11_12_07]柏崎刈羽原発再稼働、月内にも判断か 柏崎刈羽原発再稼働のアンケート「再稼働の条件は整っている」とする回答が39%にとどまり 花角新潟県知事にとっては意外と渋い結果 [日経新聞 2025-11-12]「柏崎再稼働、月内にも判断」 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2025年11月12日)
 
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柏崎刈羽原発再稼働、月内にも判断か 柏崎刈羽原発再稼働のアンケート「再稼働の条件は整っている」とする回答が39%にとどまり 花角新潟県知事にとっては意外と渋い結果 [日経新聞 2025-11-12]「柏崎再稼働、月内にも判断」 上岡直見(環境経済研究所代表)

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◎ 各社報道のとおり、新潟県の花角知事は月内にも柏崎刈羽の再稼働に対する判断を示すとみられる。
 県民投票が県議会で否決されたあと、県は野村総合研究所に委託してインターネットアンケートで県民意識調査を行っている。
 実はこうしたアンケート調査は、誘導的な設問の仕方で「どのような結果でも出せる」と豪語する業者もあるほどで、中立性・客観性には注意が必要である。

◎ 野村総研は新潟県は2024年4月に県が委託した「柏崎刈羽原子力発電所の地域経済等への効果に係る調査結果」も受託して再稼働に有利な報告を出している。(※1)
 そういう業者の調査なのでアンケート結果も注意して解釈する必要があるが、それでも「再稼働の条件は整っている」とする回答が39%にとどまり、花角知事にとっては意外と渋い結果だったのではないか。

◎ 花角県知事は11月14日に柏崎刈羽原発を視察するというが、視察して何がわかるのだろうか。
 私はプラントの安全評価の仕事をしてきたが、事前によほど準備して何週間もかけて調査しないと問題点はわからない。
 視察したところで東電側の説明を聞いて「はいわかりました」という話にしかならないだろう。まったく茶番である。

◎ 日経の記事では「東電にとっては1基稼働すれば利益を年1000億円
改善する効果がある」としている。しかし原発市民検証委員会は、原発が事故を起こした場合の被害試算のレポートを公開している。(※2)
 これは現在の原子力規制委員会が「自治体が想定しておくべき事故」として示した条件によるもので、市民側が意図的に過大想定したわけではない。規模的には福島第一原発事故の約100分の1のレベルである。
 それでも県民・国民の被害は数十兆円の桁に達する。
 詳しくはレポートを参照していただきたい。

(※1)新潟県「柏崎刈羽原子力発電所の地域経済等への効果に係る調査結果について」

(※2)柏崎刈羽原発事故による経済被害推定報告書
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