[2025_02_12_02]英国がプルトニウム再処理を放棄した 日本の使用済み燃料の行き場はもうない プルトニウムはゴミだ 資産ではない 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2025年2月12日)
 
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英国がプルトニウム再処理を放棄した 日本の使用済み燃料の行き場はもうない プルトニウムはゴミだ 資産ではない 上岡直見(環境経済研究所代表)

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◎ 2/6発信【TMM:No5146】でも報道が紹介されたとおり、英国は原発の使用済み燃料から取り出した余剰プルトニウム100トン超の地中廃棄を決定した。
 日本では東海処理施設が操業停止、六ヶ所処理施設は当初の竣工予定から28年遅れの27回目の延期で、それもあてにならない。
 一方で英国は、日本以上に試行錯誤の間に放射性物質の大量漏洩と住民の被ばくを繰り返したあげくの破綻である。
 その経緯は次の資料にわかりやすく要約されている。
https://www.nd-initiative.org/research/10486/

◎ 現在も余剰プルトニウムはゴミ同然だが、今後、再分離できない状態に加工して地中に埋設する方法を検討するという。地中廃棄すれば完全に再利用の方法は失われる。
 英国は核保有国だが、それでも余剰プルトニウムは使いみちがない。
 筆者の記事【TMM:No5126】(2024/12/19)でも触れたが、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムをいくら溜めても核兵器にはならない。

◎ 核保有国といっても、英国は米ロのような数千発ではなく100発ていど(他に作戦外貯蔵が100発前後)の保有である。
 かりに日本が核保有するとしても英国以下の規模だろう。詳細は不明だが核弾頭一発に必要なプルトニウム(ただし高純度に変換が必要)の量は数十キログラムていどだから何十トンも保有しても使いようがない。

◎ 日本の一部の核武装論者が言っているように、核武装の潜在能力を維持するための原子力存続などという説明は全く成り立たないのである。
 英国の核燃サイクル放棄で、日本が英国に委託してきた使用済み燃料の処理はますます行き場がなくなった。
 もはやこれ以上使用済み燃料を増やす余地はない。
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