[2024_04_24_09]令和6年度第5回会議 「日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認の進め方」の議事録を抜粋(原子力規制委員会2024年4月24日)
 
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令和6年度第5回会議 「日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認の進め方」の議事録を抜粋

 18:00
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 次の議題は「日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認の進め方」です。
 説明は、核燃料施設等監視部門の村田管理官からお願いいたします。

○村田原子力規制部検査グループ安全規制管理官(核燃料施設等監視担当)
 核燃料施設等監視担当管理官、村田でございます。
 では、 資料3 に基づきまして御説明させていただきます。

======================= 資料3の1ページ目の抜粋 =======================
資料3
 日本原燃(株)廃棄物埋設施設確認申請に対する確認の進め方
 令和6年4月24日
 原子力規制庁

1.趣旨
 本議題は、日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和 32 年法律第 166 号)に基づき行う廃棄物埋設施設の廃棄物埋設確認申請の内容が廃棄物埋設施設の技術上の基準に適合するかを確認するため、公開会合の実施を含む今後の進め方の了承について諮るものである。

2.経緯
 日本原燃は、第二種廃棄物埋設事業の変更許可に係る申請において、廃棄物埋設施設の技術上の基準に適合させるため、表の1.に示す透水係数、厚さ及び密度を示し、その透水係数を実現するために難透水性覆土[1]のベントナイト混合率の仕様を 20〜30%程度とすると説明していた。原子力規制委員会は、これらを踏まえ、当該変更許可処分をした(令和3年7月 21 日付)。
 一方、令和5年6月の廃棄物埋設確認申請及びその後の面談での説明では、日本原燃は、表の2.及び3.のとおり、事業変更許可時の説明と異なるベントナイト混合率の仕様(12.5%)の覆土を用いるとしている。このため、事業変更許可時の説明の性能の実現可能性について確認する必要がある。

3.確認が必要な事項
 (1)覆土の材料、混合割合(覆土の性能要求への適合性)
 今回新たに提示された覆土(難透水性覆土及び下部覆土)の材料及び混合割合であっても、第二種廃棄物埋設事業変更許可に係る適合性審査で示された性能と同等の性能が確保される見通しがあるか。特に、透水係数に係る評価は妥当か。
 (2)覆土性能の確認方法
 覆土の透水性能を規定する指標として巨視的透水係数[2]が用いられているが、この係数を算出する標準的な算定方法はなく、その具体的な算出方法は妥当か。また、施工後の覆土の透水性能については、施工後の覆土の性能を施工前の覆土の仕様や実際の施工管理のデータを基にどのように評価しているか。
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[1] 砂を母材としたベントナイト混合土で構成し、埋設設備の底面及び埋設設備間狭隘部を除く外周部に設置する覆土をいう。
[2] 空間的なばらつきを考慮しても主要な部位ごとに全体として期待できる透水係数をいう。
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 「1.趣旨」でございますが、日本原燃の方から炉規法に基づきまして廃棄物埋設施設の廃棄物埋設確認申請というのが出てございますが、その申請の中身が技術基準に適合するかどうかを議論するために、公開会合の実施を含む今後の進め方について、御了承を諮るというものでございます。
 「2.経緯」でございますけれども、後ろの2ページ目に表がございまして、それと比べながら見ていただければと思いますけれども、日本原燃の方は、第二種廃棄物埋設事業の変更許可に係る申請におきまして、後ろの表にあります最初の1.でございますけれども、そこに記載されているとおりの透水係数、それから、厚さ、密度というものを示して、透水係数を実現するための難透水性の覆土のベントナイト混合土の使用というものについて、20〜30%とすると説明をしてございます。表の1.の真ん中ほどにございますけれども「添付書類六のまとめ資料」というところで、ベントナイト30%という数字が出てございます。この数字のことを言ってございます。
 これらを踏まえた形で、令和3年7月21日付で当該変更の許可処分をしてございます。一方、昨年度6月になりますけれども、廃棄物埋設確認申請及びその後の面談におきまして、少し日本原燃の方から数値を変えてきてございます。それが表の2.と3.というところでございまして、一番最新の数字でいいますと、3.の昨年12月の面談の際に出てきた数字でございまして、ここに書かれている数字でいいますと、ベントナイトの混合比率が12.5%という形の覆土を用いるとしてございます。
 設置許可の段階と今回のもので30%と12.5%、それから、今回はちょっと説明を省きましたけれども、礫も入れる形で混合土の形が異なっているというところがございますので、事業変更許可の説明のときの性能というところについての実現可能性について、確認する必要があると考えているものでございます。
 これは今後の議論にはなるのですけれども、3.に今後確認が必要な事項という形で2点ほど記載をしてございます。
 (1)としまして、覆土のそのものの材料、混合の割合というところでございます。今回新たに提示された覆土の割合、材料というものをもってしても、設置許可の際に示された性能が確保される見通しがあるのかと。特に透水係数というところの評価について、妥当であるのかどうかというところの確認が必要だと考えてございます。
 それから(2)ですけれども、これは実際に覆土をした際の覆土の性能の確認の方法というところでございまして、今回は巨視的透水係数という用語を用いて覆土全体のところの期待できる透水係数というものを出してございますけれども、それらについての算出方法は妥当であるのかと。また、実際に覆土したときの性能について、施工前のそもそもの覆土の仕様であるとか、実際の施工管理のデータといったものを踏まえて、どのように管理をしていくのか、どのように評価をしていくのか、その辺が問題になるのかと考えてございます。
 1ページおめくりいただいて、2ページ目でございますけれども「4.確認の進め方」ということでございますけれども、先ほど述べました事項の議論をするということをもって技術上の基準への適合の確認をするということで、担当委員、それから我々監視部門、それから放射線・廃棄物研究部門、それから、審査を行いました研究炉等審査部門による公開会合を実施して議論していくということについて、御了承いただければと思ってございます。
 ちなみに、公開会合につきましては、御了承いただければ、今年度第1四半期中に第1回を開催したいと考えてございます。
 私からの説明は以上でございます。


○山中委員長
 御意見、御質問。

○田中委員
 よろしいですか。
 今、事務局から説明があったとおりでございますが、少し補足的なことも申し上げますと、日本原燃は青森県六ヶ所村でピット処分場を建設・操業中でございまして、4ページにありますように、1号埋設については、今後、難透水性の覆土を施工していくということになってございます。
 この難透水性の覆土はベントナイトを主要な組成としているものでございまして、透水性が小さいことが求められる大変重要な人工バリアでございます。ピット処分のような第二種廃棄物埋設においては、実用炉のような設工認というものがございません。この場合に、事業変更許可時の説明のとおり具体の設計・工事が行われるかどうかを確認することが重要となります。
 そのためのプロセスとして、3ページにあるような、3ページで赤で囲っていますが、埋設施設確認というのがあるのですが、先ほど説明がありましたが、表の2.と3.に示されているとおり、事業変更許可時の説明と異なるところがあります。そのため「3.確認が必要な事項」に記載されているように、覆土の材料とか、混合割合、覆土の性能、特に施工した状態において必要な透水係数が得られるかについて、確認が必要でございます。設工認がないピット処分のこのような点について、公開会合で議論することが重要かと思いますし、また、そこでは審査チームと検査チーム、また、この分野の専門知識を有するような研究部門によってメンバーを構成することが必要かと考えます。
 以上です。

○山中委員長
 そのほか、御意見はございますか。
 どうぞ。

YOUTUBEの頭出し[0:51:17]

○石渡委員
 これはちょっとびっくりするような、今までこういうものを使いますと言っていたものと新しく提案されたものは、ある意味、全然別物ですよね。これはやはりちょっとまずいと思います。きちんと審査をして、新しいもので性能が保たれるのかどうかということは、これはやはりきちんと評価をしていただきたいと思います。
 以上です。

○山中委員長
 審査をする段取りとして、公開会合をまず1回するという、そういうことですよね。事業者の意見を聞いて、それからどう審査をする、どう何かをするという、それを決めるということですね。

○村田原子力規制部検査グループ安全規制管理官(核燃料施設等監視担当)
 核燃料施設等監視部門の村田でございます。
 第1回目は、まず、事業者側は彼らなりの説明をしてくるとは思いますけれども、その場で我々も、それについてどういう、ここに確認事項を挙げていますけれども、我々としては確認が必要なところというのをしっかり挙げて、その上で議論をするということだと思いますので、一方的に議論を聞くというよりは、まず、我々の意見も述べていくといういい機会かなと思っています。

○山中委員長
 石渡委員が言われるのは、まさしくそのとおりだと思いますので、きちんと審査の中で確認をするという、その手続としてどうなるかというのは第1回次第というところかなと思います。
 そのほかはいかがでしょう。
 どうぞ。

○伴委員
 今、石渡委員が指摘されたように、これは言ってみれば、重要部材の設計を根本から変えるというような話だと思うのですよね。だから、当然、公開会合でしっかり見るべきだと思うのですけれども、そもそも何でこの段になってこういう提案がなされてきたのかという、その背景というのは分かりますか。

○細野原子力規制部検査グループ核燃料施設等監視部門企画調査官 核燃料施設等監視部門、細野でございます。
 恐らくですが、やはりベントナイトの価格が高騰しておりますので、コスト要因が一番占めているのかなと思っております。

○伴委員
 余り憶測で物を言うべきではないとは思いますけれども、もちろんこれは民間企業ですから、コストを抑えようとする、そういうインセンティブが働くのは分かるのですけれども、ここまで露骨なことを本当にコストが理由でやるのであれば、安全文化を正直疑いますので、場合によってはそういう観点からの議論も必要になるかなと思います。

○村田原子力規制部検査グループ安全規制管理官(核燃料施設等監視担当)
 核燃料施設等監視部門の村田でございます。
 御指摘を踏まえまして、公開会合の中でそのようなお話が出てくれば、我々としても少しスコープを広げる形で議論をしていきたいなと思います。

○山中委員長
 そのほかはいかがでしょう。

○田中委員
 そのような点も議論が必要かと思います。これは先ほど申し上げましたが、設工認がないというときに、本当に許可のところどおりにやっているかどうかというのをどう確認していけばいいのか。その辺については、国際アドバイザーとの意見交換でも議論したのですけれども、やはりこれは審査部門と検査部門が合体して見ていくことが必要ではないかということがあって、今回、このようなメンバーでもってやったらどうかということでございます。

○山中委員長
 そのほか、御意見はございますか。
 どうぞ。

○杉山委員
 まずは会合を設けて、その中で何を確認するかも含めて議論することになるとは思うのですけれども、やはりこれは、どんなに机上の議論をしていても何か分かるものではないですよね。この組成でいいというならば、その実績なり、あるいは実験データなりをきちんと示していただいて、しかも、これは短期間使う施設・設備ではないですよね。ですから、それが長期間にわたって安定して性能を発揮できるというところまで含めてきちんと示させるということで、よろしくお願いします。

○村田原子力規制部検査グループ安全規制管理官(核燃料施設等監視担当)
 核燃料施設等監視部門の村田でございます。
 正におっしゃるとおりでございまして「確認が必要な事項」に2点書いていますけれども、まずは素材としてどうなのかというところ、それから、覆土した後にどのようになるのかというところの確認方法というところもポイントとして入れていますので、おっしゃる2点については確認していきたいと思います。

○田中委員
 杉山委員が言われたとおりでございまして、これはやはりベントナイト、礫、砂を考えているような形で配合して、割と大きなものを作っていただいて、そこで本当に透水係数がどうなるかということを確認しないといけないと思うので、言ってみれば、モックアップ的なもので見て確認していくことが大事になってくるかと思います。

○山中委員長
 そのほかはよろしいですか。
 それでは、本件について、事務局提案のとおり、公開の場でまず議論を始めるということで了承してよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)

○山中委員長
 それでは、そのとおりといたします。
 以上で議題3を終了いたします。
KEY_WORD:低レベル埋設-覆土の粘土の割合を減らす_:ROK_LOW_: