[2024_06_11_01]県「核燃料税」 中間貯蔵施設の使用済み核燃料に新たに課税へ(NHK2024年6月11日)
 
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県「核燃料税」 中間貯蔵施設の使用済み核燃料に新たに課税へ

 18:22
 原子力施設の核燃料などに課税する「核燃料税」について、青森県は、むつ市で建設中の中間貯蔵施設で貯蔵される使用済み核燃料を新たに課税対象とすることを明らかにしました。
 「核燃料税」は原子力施設に運び込まれた核燃料の価格などに応じて自治体が課税する地方税で、青森県はすでに▽六ヶ所村にある再処理工場に運び込まれる使用済み核燃料や、▽東通村の東通原子力発電所で使われる核燃料などが課税の対象となっています。
 青森県は、むつ市に建設中の使用済み核燃料の中間貯蔵施設の事業開始に向けた手続きが進む中、貯蔵される使用済み核燃料も課税の対象とする条例の改正案を13日、開会する定例の県議会に提出することを決め、11日午前、宮下知事らが県議会最大会派の自民党に対して、改正案の説明を行いました。
 貯蔵する核燃料への課税は1キログラムあたり620円で、事業者が示している計画を基に県が行った試算によると、2029年3月までの5年間でおよそ2億5600万円の税収を見込んでいるということです。
 中間貯蔵施設に運び込まれる使用済み核燃料に対しては、地元のむつ市も課税を行う予定で、今回、県の課税が実現すれば、県内の原子力施設では唯一、県と地元自治体がそれぞれ使用済み核燃料に対して課税を行うことになります。

 【「使用済核燃料税」むつ市も課税予定】

 中間貯蔵施設で一時的に保管する使用済み核燃料については、施設が立地するむつ市も国の同意を得て設けた新たな税を課税することになっています。
 この税は、「使用済核燃料税」と呼ばれるもので、むつ市で2020年に税額などを定めた条例が成立しました。
 しかし、事業者のリサイクル燃料貯蔵が事業が立ち行かなくなる懸念があるとして減免を求めた結果、むつ市は、事業者に譲歩する形で条例を改正し、▽使用済み核燃料を施設に運び込む際の税は全額免除し、▽貯蔵する核燃料への課税も半分以下に減らして1キログラムあたり620円に決めました。
 その後、2022年には税の導入に必要な総務大臣の同意が得られました。
 むつ市によりますと、2026年度までの3年間の想定でおよそ7250万円の税収を見込んでいるということです。
 使用済み核燃料について原発などの施設が立地する市町村の課税をめぐっては、▽柏崎刈羽原発がある新潟県柏崎市、▽川内原発がある鹿児島県薩摩川内市、▽玄海原発がある佐賀県玄海町、▽伊方原発がある伊方町とむつ市のほか、全国の4つの市や町が課税を行っています。

 【宮下知事「前提や前例にならって課税」】

 むつ市で建設中の中間貯蔵施設で貯蔵される使用済み核燃料を新たに課税対象とすることについて、宮下知事は「核燃料サイクルの施設や原子力発電所も含めて課税をするということが前提であるので、前提や前例にならって課税ということになる。核燃税の議論の際に電気料金が上がるとの声もあるが、必ずしも電気料金が跳ね上がるわけではない」と述べました。
 そのうえで、税の使いみちについて「税収は、核燃税交付金の一部になり得るし、全県で活用できる場面もあろうかと思う。とりわけ立地、あるいは立地周辺に重点的に配分される交付金になるわけだが、県として、防災減災対策などさまざまな事業に活用したい」と述べました。
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