[2024_04_26_12]第112回特定原子力施設監視・評価検討会 令和6年04月26日_議事録(原子力規制委員会2024年4月26日)
 
参照元
第112回特定原子力施設監視・評価検討会 令和6年04月26日_議事録

 17:30

 特定原子力施設監視・評価検討会
 第112回会合
 議事録

 日時:令和6年4月26日(金)13:30〜17:37
 場所:原子力規制委員会 13階 会議室BCD

出席者

 原子力規制委員会

伴 信彦 原子力規制委員
田中 知 原子力規制委員

 原子力規制庁

市村 知也 原子力規制技監
佐藤 暁 長官官房核物質・放射線総括審議官
岩永 宏平 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 室長
澁谷 朝紀 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 企画調査官
大辻 絢子 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 管理官補佐
松田 秀夫 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 室長補佐
元嶋 誠 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 専門職
森 美穂子 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 室長補佐
横山 知則 東京電力福島第一原子力発電所事故対策室 係長

 外部専門家

井口 哲夫 名古屋大学 名誉教授
橘高 義典 東京都立大学大学院都市環境科学研究科建築学域 名誉教授
徳永 朋祥 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻 教授
蜂須賀 禮子 大熊町商工会 会長

 オブザーバー

宮原 要 福島県原子力対策監
山口 雄三 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力発電所事故収束対応室 室長
加藤 和之 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 廃炉総括グループ 執行役員
池上 三六 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 廃炉総括グループ 執行役員

 東京電力ホールディングス株式会社

小野 明 福島第一廃炉推進カンパニー 廃炉・汚染水対策最高責任者
松本 純一 福島第一廃炉推進カンパニー ALPS処理水対策責任者
飯塚 直人 福島第一廃炉推進カンパニー 廃炉技術担当
高橋 正憲 福島第一廃炉推進カンパニー 建設運用センター 所長
伊藤 正裕 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクトマネジメント室
情報マネジメントGM
渡部 知宏 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所 運用部 部長
金濱 秀昭 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所
廃棄物対策プログラム部 部長
田中 崇憲 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所 機械部 部長
新井 知行 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所
燃料デブリ取り出しプログラム部 部長
太田 千秋 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所
燃料デブリ取り出しプログラム部 PJGM
松浦 英生司 福島第一廃炉推進カンパニー 福島第一原子力発電所
燃料デブリ取り出しプログラム部 PJGM
増田 良一 福島第一廃炉推進カンパニー 廃棄物対策プログラム部
処理・処分計画 PJGM
鈴木 敦詩 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクトマネジメント室
小林 北斗 福島第一廃炉推進カンパニー プロジェクトマネジメント室

議事

○伴委員 それでは、定刻になりましたので、ただいまから特定原子力施設監視・評価検討会の第112回会合を開催します。
 今回も対面とWeb会議システムを併用しての開催といたします。円滑な運営に御協力いただきますよう、お願いいたします。
 本日は外部有識者として、井口先生、橘高先生、徳永先生、蜂須賀会長に御出席いただいております。
 また、オブザーバーとして、福島県から高坂原子力対策監の後任として、宮原原子力対策監、資源エネルギー庁から山口室長、原子力損害賠償・廃炉等支援機構から中村執行役員、池之上執行役員、加藤執行役員にそれぞれ御出席いただいております。
 東京電力ホールディングスからは、小野CDO、飯塚廃炉担当、ほかの方々に御出席いただいております。
 では、議事に入る前に、今回よりオブザーバーとして御参加いただく福島県の宮原原子力対策監から、簡単に御挨拶を頂戴できますでしょうか。マイクでお願いします。
○宮原福島県原子力対策監 御紹介いただきました宮原です。
 本日から出席させていただきます。よろしくお願いいたします。
○伴委員 ありがとうございます。
 それでは、配付資料の確認及び本日の会議を進める上での留意事項の説明を事務局からお願いします。
○岩永室長 はい。1F室の岩永でございます。
 本日の議題ですが、高温焼却炉建屋東側壁面からの汚染水の漏えい等について。二つ目は、3号機S/C水位低下に向けた気相部滞留ガスに係る対応。三つ目が固体廃棄物の分析計画の更新について。四つ目、中長期的リスクの低減目標マップの改定。あと、その他の五つの議題から構成されております。
 資料につきましては、議事次第に記載のものをあらかじめ共有させていただいております。資料配付のみとしたものにつきましては、特段の御意見などございましたら、関係する議題の後に御発言いただければと思っております。
 また、本日の会議を進めるに当たり、発言の際に次の4点に御留意ください。発言以外のときにはマイクを切る。進行者からの指名後に所属、名前を言ってから御発言ください。
 質問を確認したい資料のページ番号をお示しください。あと、最後、接続の状況により、音声の遅延が発生する場合がございますので、ゆっくり発言をお願いいたします。御協力のほどよろしくお願いいたします。
○伴委員 それでは、議事に入りたいと思います。
 議題の1番目、高温焼却炉建屋東側壁面からの汚染水の漏えい等についてというタイトルがついておりますけれども、この議題では、最近のトラブル事案をまとめて、現状を報告していただきたいと思います。
 具体的には、本年2月7日に発生した高温焼却炉建屋から汚染水が漏えいした事案、同月22日に発生した増設固体廃棄物焼却炉設備の水蒸気発生事案について議論するものとなります。
 また、一昨日発生した所内電源系停止についても、併せて説明を受けたいと思っております。
 説明の順番ですけれども、まず、HTIにおける汚染水漏えいについて、東京電力から対策の進捗状況について説明を受けた後で、規制庁から、暫定評価を含む保安検査の状況について説明を行います。その後、増設固体廃棄物焼却設備の件と、一昨日の停電の件について、東京電力から説明を受けて、議論を行いたいと思います。
 ではHTIにおける汚染水の漏えい事案について、東京電力から資料1-1を用いて説明をお願いします。
○小野(東電) その前に、私のほうから一言。東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野でございます。
 まず、資料を御説明する前に、一昨日、福島第一原子力発電所にて、所内電源のA系が停止をしてございます。地域の皆様をはじめ、広く社会の皆様に御心配と御迷惑をおかけしてございます。おわびを申し上げたいと思います。
 本停止におきまして、モニタリングポストや、あと、ダストモニタですね。こういうところに有意な変動は確認されてございません。また、各プラントの安定状態を維持するための機能、原子炉注水、それから、使用済燃料プールの冷却、さらには原子炉格納容器のガス管理設備等、こちらにも影響はございませんでしたけれども、ALPS処理水の希釈放出設備が停止をしてございます。
 また、本件におきまして、協力企業作業員の方が負傷されております。本当に作業員の方にはけがをさせてしまいました。おわびを申し上げたいと思いますとともに、お見舞いを申し上げたいと思います。医療機関での診察の結果、右頬、右腕の熱傷というふうに診断をされてございますが、本件、より重大な事態になった可能性も当然ながらございます。
 詳細については、この後、説明をさせていただきますけれども、本事象を我々としては重く受け止めて、再発防止対策をしっかり講じてまいりたいと考えてございます。
 引き続き作業員の方の安全も含めて、廃炉作業における安全確保に努めてまいりたいと思います。御指導のほうをよろしくお願いをいたします。
○渡部(東電) それでは、東京電力福島第一運用部の渡部です。
 それでは、東京電力福島第一運用部の渡部です。
 それでは、資料1-1、高温焼却炉建屋からの放射性物質を含む水の漏えいに係る対策の進捗状況について御説明いたします。
 それでは、1ページ目をお開きください。1ページ目は、当社の管理面の対策と協力企業への対応の進捗状況となっております。当社の管理面の対策としては、2月13日から順次開始しておりまして、実施継続中となっております。また協力企業の対応としても、2月13日から順次開始しておりまして、主に教育面になりますが、1巡目の教育を終えているという状況です。
 下表になります。ポイントのみ御説明いたします。当社の管理面の対策になりますけれども、今回の件を受けて、保全部門は、設備の図書を確認するだけでなく、現場状況をタイムリーに把握し、手順書を作成することとしております。
 また、二つ目、今回の一番のポイントになりますけれども、当社の運転部門は、作業前の系統構成を一元的に管理するものになります。また、当社の保全部門は、運転部門が行った系統構成を再チェックするという意味で、再確認を行うというものになっております。
 これについては2月13日から順次開始しております。
 下表、協力企業への対応になりますけれども、上三つが協力企業の教育に関するものです。基本動作の教育や、事業所長による指導等を実施しております。
 下三つが当社の協力企業に対する教育になります。下から二つ目、当該企業のみならず、高い濃度の液体放射性物質を扱う企業さんに対しても、当社のほうから同様の操作に関する教育を実施しているというところです。これについては、3月中に1巡目を完了しておりまして、以降、継続する予定としております。
 続いて、2ページ目をお開きください。2ページ目は、設備面の対策及び組織面の対策を記載しております。設備面の対策としては、4月末に完了予定としておりますが、本日完了しております。完了済でございます。
 また、当社の組織面の対策としては、水処理センターの設置、水処理安全品質担当の設置を2月26日に実施計画の変更申請を行っております。これについては、審査中という状況になっております。
 下段になります。2月15日に提示した対策に加えて、追加の対策、当社の管理面の対策を行ってございます。今回、注意札の現場での見落としがありました。適切な系統構成がなされなかったということを受けて、注意札を管理している運転部門の管理面の改善を図ることとしております。具体的には以下の2点です。
 運転部門はPTWの審査において、注意札をしっかりと図面への落とし込み行います。その上で、保全部門から提出されるPTWの審査において内容を照合し、干渉の有無を確認するというものです。
 また、二つ目、注意札とPTWの作業における系統の境界となる弁、こちらを確実にチェックするために、手順書を基に定めた系統の境界弁についても、しっかりタグを発行し、管理を行うというものになります。これについても2月15日、もしくは2月23日から順次開始しているものになります。
 続いて、3ページを御覧ください。こちらは今ほど御説明した内容を図示したものになります。
 右側、改善後になりますけれども、しっかりと保全部門のほうで現場状態に画した手順書を作成するというもの。運転部門としては、注意札の図面への落とし込みと、あとは、注意札と手順書の干渉の有無をしっかり確立するもの。さらには、作業前の現場での系統構成は運転を確実に実施する、こういったプロセスの見直しを行ってございます。
 続いて、4ページ目を御覧ください。こちらは協力企業への対応として、教育関連の実績になります。
 下に写真を掲載していますけれども、こちらはHPTと書いてあるものは、ヒューマンパフォーマンスツールの略称でございまして、指さし呼称など、エラーを起こさないための基本動作、こちらの教育を実施しているものです。座学だけではなくて、実技研修も行ってございます。
 また、中央の写真、操作の心得の教育になりますけれども、当社の運転部門のベテランが操作の心得を協力企業さんに教育を行っているという写真になってございます。
 続いて、5ページ目を御覧ください。こちらは設備面の対策になります。既に先ほど御説明したとおり、実施済の内容となってございます。
 下段のところ、図示したところになりますけれども、配管を切断しまして、建屋内のドレン受け容器へ導くように改造を実施しました。あわせて、この上のほうの写真になりますけれども、この赤い点々のところになりますが、新たに換気口を設け、水素を逃がすような構造としてございます。
 続いて、6ページ目を御覧ください。こちらは、原子力安全監視室による原因の分析になってございます。本事案を受けまして、ライン側の原因分析だけではなくて、社長直轄の原子力安全監視室による原因分析も実施しています。協力企業の関係者からの聞き取り及び現場調査を行いまして、独自に原因分析を行っております。
 また、廃炉カンパニーが行う対策についても、外部有識者の所見を伺いながら、実効性の評価を実施しているというところにございます。
 続いて、7ページ目を御覧ください。こちらが先ほど御説明した原子力安全監視室による原因分析になります。項目及び要因が原子力安全監視室が行った原因分析になります。
 今回の事案を受けまして、協力企業の作業員が当該弁の開状態に気づけなかったと。これに対しては、エラーを回避するための指さし呼称など、ヒューマンパフォーマンスツールの正しい使い方について浸透し切れていないといった要因を挙げてございます。
 また、運転部門が当該弁を開状態のまま作業方に引き渡したということに対しては、先ほども御説明しましたが、運転部門の注意札の管理、こちらが不十分であったという要因が出てございます。
 また、三つ目、発電所のリスクマネジメントについてですけれども、放射性物質の漏えいに至るおそれがある設備箇所と、漏えいに至るような作業に着目して、リスク抽出し、対策を講じる点では不十分であったというような原子力安全監視室による分析を行ってございます。
 これに対する対策ですけれども、基本的には、これまでライン部門が提示した対策と同一となりますので、先ほど御説明した対策のほうをしっかりと我々としては実施していきたいと考えてございます。
 以下、8ページ目以降は参考となりますので、説明のほうは割愛させていただきます。
 御説明は以上になります。

○伴委員 ありがとうございました。
 では、続いて、事務局から資料1-2の説明をお願いします。
○松田室長補佐 規制庁、松田です私のほうから、資料1-2に基づきまして、今説明のありました当該事案に関する保安検査の実施状況について説明させていただきます。
 まず、資料1ページ目の2ポツのほうから、かいつまんでちょっと御説明させていただきます。
 まず、2-1としまして、実施計画の違反とその影響度ということで示してございます。
 最初に、作業の計画段階ですね。作業を実施する前の段階ということで記載をしてございます。ここでは、実際、この今回のフラッシング等の作業を実施する者であった保全部門から、保全部門が現場の状況を確認することなく、確認せずに、その作業の申請、審査をする運転部門に対して、現場の状況を反映していない作業手順書を作成した上で申請がされていたということがまず1点確認されました。
 一方で、その申請を受け付けた運転部門に関しましては、ふだん弁が開いていない、閉じているという状態が通常であるところを、今回、開いている状態であったということで、注意札というものをかけて、その弁を管理していたのは運転部門がそのように管理をしていたにもかかわらず、その開という状況であることが反映されていない手順書で申請がされた作業について、その内容に気づくことがなく、承認をしていたということが分かってまいりました。
 これらのことを確認していく過程で、保安検査におきまして、現地の検査官のほうが、東京電力に対しまして、そのドレン弁の閉とする責任部門はどこであったのかということについて確認をしていたところですが、当初、東京電力のほうからは明確に回答はできておりませんでした。
 その後なんですが、実態として、作業計画段階において、当該ドレン弁を含めた系統構成の責任部門と、その役割が曖昧な状態であり、作業計画における個々の責任部門の役割を十分に果たしていないということが確認されました。
 続きまして、2ページ目の二つ目のパラグラフのところからになりますが、作業を実施する段階におきましては、作業を実施する者であった保全部門に関しましては、先ほど事前の段階で弁が開いているという認識がなかったということで、その開いているということに気づくことがなく、作業が進められていたということと、運転部門に関しましては、注意札で管理している弁にもかかわらず、そこのケアをすることなく、実施することがなく、作業を許可していたということになってございます。
 こちらでも、先ほどと同じですが、それぞれが実施すべき役割を十分に果たすことなく、作業を開始するに至ってしまったということです。
 あと、さらにになりますが、作業員、実際にその弁の確認を現場で作業を実施前にしているんですが、その作業員の方は、ドレン弁が閉であることを確認すべきところ、その弁の番号等の確認は行ったところ、弁が開いていることには気づかないまま、弁は閉であるということを間違った確認をして、結果的に、ベント口からの漏えいに至ったということでございます。
 これらのことに関しましては、作業実施段階におきましては、実施計画の7.1業務の計画、あと、作業の実施段階に関しましては、実施計画の7.5.1の業務の管理、これらの不備に該当するというふうに考えておりまして、実施計画に規定する品質保証の不履行(違反)として該当するというふうに考えております。
 2ページ目の一番下のパラグラフになりますが、本事象につきましては、その事案の影響度を評価しましたが、原子力安全に大きな影響を結果的には与えないで済んだということと、漏えいしました放射性物質が敷地外への、周辺環境への影響は確認されなかったということから、影響はあるが、軽微なものに該当するということで、実施計画違反の判定区分は軽微な違反というふうに暫定評価してございます。
 続きまして、3ページ目に参りまして、2-2としまして、是正処置の確認状況ということです。先ほど東京電力のほうから説明がありました。改善の対策の状況が説明ありましたが、我々のほうでも、保安検査の中で、その対策の実施状況というのを確認してございます。
 まず、(1)組織の管理面の対策というところです。こちらは、汚染水の処理設備であったり、多核種除去設備等の高濃度の放射性物質を取り扱う箇所に関しましては、これまで、保全部門と運転部門の間で協議をした上で、その系統構成への責任が決められていたという運用がなされていたんですが、今後は、運転部門のほうに一元化するという、今回のように、その間に落ちてしまう、取り合いになってしまうというようなことがないというような運用に改めるというふうに確認してございます。
 これらの内容につきましては、具体的には、保全部門において作業手順書の作成であったり、設備図書だけを確認するのではなく、現場の状況を把握、確認するということが反映された手順書を作成し、この手順書において、運転部門へ作業前の系統構成を依頼するというふうにしてございます。
 保安検査の中で、東京電力の運転部門が作業前の系統構成を一元的に実施するとしていることにつきまして、東京電力社内の周知文書であったり、手順書で確認するとともに、これら手順書が記載された、すみません。手順が記載された改定作業中の作業管理マニュアルなどについて確認をしてございます。
 続きまして、(2)作業承認、パーミットの対策というところでございます。こちらも先ほど東京電力から説明がありましたが、運転部門は、パーミットの審査段階において、注意札を図面に落とし込んだものと、保全部門からパーミット申請内容を照合し、干渉の有無を確認するというふうにしています。
 運転部門は、手順書で安全処置を受けたことを示すタグと、注意札の弁との干渉の有無を確認するとともに、現場において、注意札の運用の弁の復旧状況を確実に確認するというふうにしてございます。
 我々、原子力規制庁は、保安検査の中で、注意札の管理図面が落とし込まれたものであったり、作業全体の系統を含むパーミット申請で確認するとともに、これらの手順が記載された作業管理マニュアルの内容について確認をしてございます。
 続きまして、4ページ目、(3)協力企業への対応というところです。ここは、今回作業を実施していた作業員の方々に、あと、類似の作業をするような作業員の方々に対しまして、再教育を実施されているということで、東京電力による協力企業への再始動、再教育の実績、教育資料及び教育記録から再教育等が実施されていることを確認するとともに、協力企業等の管理職によるパトロールの記録に関しましても、現場の作業の状況確認が実施されているということで確認をしてございます。
 最後、(4)設備面の対策でございます。こちらは我々規制庁としましては、保安検査の中で、(1)から(3)までの運用面での対策がまず講じられている必要があるということで確認をしてございましたが、それに併せて、東京電力のほうから自主的に、万が一に備えて設備面の対策もされるということで内容のほうを確認してございます。これまでの上記の対策を確実に実施することを前提に、万が一同様のトラブルが発生した際の対策としているということです。
 原子力規制庁は、令和6年4月5日に開催しました特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合、第18回会合におきまして、これら技術的な内容について、すみません。改造の内容及び東京電力社内の手続の内容について確認を行っております。また、改造作業について、別途現場でその進捗状況について確認を行ってございます。
 続きまして、3.法令報告事象の評価ということで、こちらは、漏えいしました放射性物質の濃度、すみません。放射性物質の量が、ここの4ページの下から3行目に記載ございますが、Cs-137とCs-134の総和で、約6.6×109Bqというふうに記載がございます。これは炉規法のほうで定められております法令報告の基準が108オーダーとなっておりますので、それを超えるものが漏えいしたということで、我々の実施計画違反の疑いということで進めていた保安検査とは別に、この法令報告ということで、報告書の提出がなされているということを記載してございます。
 続きまして、5ページ目の4.全体評価です。こちらのほうをちょっと読ませていただきますと、先述のとおり、実施計画の違反が確認されたものの、組織の管理面及び作業の運用面の対策が講じられており、現時点では本事象における再発防止に係る対応ができているということを確認しております。これらの対策に万全を期すことにより、サリーの運転再開は差し支えないものというふうに判断してございます。
 なお、本事象は令和5年10月25日に発生した増設ALPSの配管洗浄作業における身体汚染事象に続いて発生した漏えい事象であります。発生した際の状態として、増設ALPS配管洗浄作業は開放系で行われていることに対しまして、本事象では異なる状況であるということは確認してございますが、一方で、原因は作業計画、現場における作業管理の不備であることは共通しているということを確認してございます。
 増設ALPS配管洗浄作業に係る身体汚染事象を受けて実施している水平展開におきまして、本事象に該当する施設に対しても、リスク抽出が行われるスキームになっており、適切に水平展開が行われていれば、未然に防ぐことができた可能性は否定できないというふうには考えております。
 扱っている物質の放射能濃度や、発見が遅れた場合には、長期間放出されるなどを勘案したリスクを考えると、周辺環境に対する放射線影響について重大な違反になるおそれがありました。
 東京電力に対しましては、引き続き作業計画及び作業の実施について、安全対策の徹底を求めていくというふうにしたいと思っております。
 最後、5.でございます。今後の進め方になりますが、本検討会での議論の内容も踏まえまして、引き続き、保安検査において、東京電力から示された管理面の対策、運用面の対策などの改善状況につきましては、保安検査の中で確認をして行ってまいります。
 また、引き続き保安検査において東京電力による再発防止に係る取組、こちらにつきましても、水平展開で実施されている再発防止に係る取組につきましても、併せて確認していくというふうにしてございます。
 保安検査の実施状況、本日御説明しましたような内容に関しましては、令和5年度第44半期の保安検査実施状況及びその結果としまして、今後、原子力規制委員会に対しまして、実施計画の違反と、その影響度の評価、法令報告事象とその評価、保安検査で確認した対策の確認状況と、サリーによる汚染水処理の再開の妥当性判断について報告を行うとともに、適時、特定原子力施設監視評価検討会に報告を行うというふうにしてございます。
 私の説明は以上になります。

○伴委員 質疑は後ほどまとめて行いますので、続いて、増設雑固体廃棄物焼却設備の事案について、資料1-3を用いて、東京電力から説明をお願いします。
○金濱(東電) それでは、資料1-3につきまして、廃棄物対策プログラム部の金濱のほうから御報告させていただきます。
 本事象は、増設雑固体焼却炉におきまして、蒸気が発生しました。その蒸気の発生に伴いまして、火報が発生しまして、それの対応といたしまして、木チップを貯蔵しておりましたチップ内に水を入れてございます。それの原因と対策について御報告させていただきます。
 資料2ページを御覧ください。増設雑固体の設備の概要を示してございます。ここの絵にあるとおり、ちょうど上の絵の少し左側ですけれども、廃棄物貯留ピット、ここで事象が起きてございます。
 焼却炉は、基本24時間運転することを基本としておりまして、この貯留ピットに搬入したチップを都度処理することを基本として運用をしてまいりました。土日の屋外でのこの木チップですね。左のほうに写真をちょっと載せてございますが、屋外でチップ化したものをここに持ってきて、この焼却炉で燃やすというところを行ってございまして、土日の休工を考慮いたしまして、ピットには3日分のチップをためるような構造ということで設計をしてございます。
 右下のところに、事象発生時のチップの貯留量を書いてございます。約800m3あったということでございますが、ピットの設計容量は約1,000でございますけれども、この物量につきましては、消防のほうに容量を届け出て、運用してまいってきました。
 3ページを御覧ください。事象の概要でございます。既に公表しておりますとおり、2月22日に、水蒸気によりまして、貯留ピットの火報の警報が作動してございます。その後、水蒸気等の発生が増加いたしまして、火元の目視ができない、視認ができなくなったことから、同日、公設消防に通報してございます。
 その後、23日、貯留ピットへの注水を開始してございます。24日に、公設消防より非火災であると判断されてございます。
 なお注水量は1200m3でありますが、水蒸気として放出された影響、また、チップが水を吸った影響等が考えられるため、ピットの水の量は約600m3程度というふうに想定してございます。
 4ページを御覧ください。ピットからチップ・水の回収状況でございます。作業ステップ(1)、(2)、(3)ということで進めてまいりますが、3月22日より、ピットからチップの回収を開始しております。
 5ページを御覧ください。チップ回収の状況でございます。チップの回収実績、ここの資料では、24日現在の数値を示してございますけれども、昨日の実績で、チップにつきましては185m3、水につきましては35m3の回収を行ってございます。
 6ページを御覧ください。回収いたしましたチップの乾燥作業の模様を写真で示してございます。安全対策をしっかり行った上で、チップの乾燥処理を行ってございます。気になっていました匂いにつきましては、乾燥後、少し匂いは弱まるものの、扱う量が増えてきたというところで、消臭剤等の設置をして、消臭の対策を工夫をして行ってございます。
 7ページを御覧ください。チップ・水の回収の工程を示してございます。チップの乾燥、容器詰めにつきましては、8月半ばまでを予定してございます。
 8ページを御覧ください。チップ内の水の状況でございます。回収したピット内の水につきましては、下の表に示すとおり、5/6号滞留水との比較をしてございますが、放射能的には低いというところですが、一方、SS、TOC、CODといった、この水の汚れ具合を示す値が大きいというところがございます。これを処理するには前処理が必要であるというところで、ちょうど少し下のオレンジのハッチングをしてございますが、この前処理については、検討、または装置の製作に時間がかかるということから、水の一時貯留が必要であるというふうに判断いたしまして、今、水の一時貯留を始めているというところでございます。
 9ページを御覧ください。水の処理につきましては、今言ったとおり、一時貯留をした後に、前処理を行った後、5/6号機の滞留水の装置にて浄化した後、散水というふうに考えてございます。
 10ページを御覧ください。ピット内の水の貯留場所につきましては、図で示したとおり、5/6号側にあります溶接タンク、N2タンクに24日より開始を始めてございます。
 11ページを御覧ください。ここから原因と対策になります。事象発生時、ピット内でどのような事象が起きていたかということをまとめてございます。
 観測事象から、2020年5月より約2年間運転してまいりましたが、水蒸気の発生というのはこれまでも確認してございました。その都度、我々は、蒸気の発生がある都度、チップの表層面、深層面の入替え作業を行ってございまして、蒸気の発生を抑えて運転をしてまいりました。
 ただ、今振り返りますと、こういった蒸気が発生するということで、好気発酵のようなものが起きていた可能性があるというふうに考えてございます。
 2月21日になりまして、20日ですね。20日でちょっとピットからの異臭を確認してございます。その翌夜ですね。蒸気の継続発生、刺激臭がしてきたということで、ガス測定器を用いまして測定を行っています。そこで硫化水素を確認してございます。この段階で、表層面が好気発酵が活性化をして、発酵熱の増加により、表層面の温度が上昇していって、さらに発酵が進展していっただろうということです。また、硫化水素が発生してございますので、深層部では酸素不足によりまして、嫌気発酵が進んだというふうに考えてございます。
 22日の未明になりまして、火報が発生しまして、水の注水ということになります。発酵熱の増加により、チップが乾燥をされていきまして、熱分解が発生し、ますます蒸気が発生したと。それを抑えるために注水をして、発酵が抑制されたというふうに考えてございます。
 12ページになります。運転パラメータですね。運転状態、あと、ピットの貯留量、ピット内の表面の温度ですね。外気温に着目いたしまして評価を行ってございます。参考2を御覧ください。
 長期停止ですね。@、A、22年9月と23年3月頃、また、断続的に停止状況、今回ですけれども、外気温度に比べ、チップ表面温度との差が大きいことを確認してございます。
 長期にわたりチップがピット内に一定量存在した場合、チップの発酵が促進され、発熱が大きくなったと推定してございます。
 貯留量の観点では、今回、比較的多い状態であったことを確認してございます。先ほどの9月の頃は700、3月の頃は400、今回が800というところでございます。このため、発酵による総発熱量が大きくなったというふうに想定してございまして、また、過去、1000m3貯留していたところもグラフで分かりますけれども、このときは比較的短い期間だったため、こういった発酵事象には至らなかったというふうに考えてございます。
 下にまとめてございますが、長期にわたる伐採木チップが一定量存在したというところ、また、運転実績として、比較的多く残存、滞留したというところが大きな発熱に至ったというふうに推定してございます。
 13ページを御覧ください。直接要因・背後要因をまとめてございます。今御説明したとおり、事実関係といたしましては、チップが一定量存在し、比較的多く残存したと。このようなピットの状態に至ったのは、一定量長期チップを貯留させないことが、運用手順に反映されなかったことかというふうに考えております。
 背後要因ですけれども、チップ貯留によりますこの概念設計の段階で、発熱ですね。発酵による熱、これをハザードとして認識はしておったんですけれども、ある一定量が長期にわたり滞留した場合、このような発酵熱が大きくなることを設計プロセスの初期段階でリスク分析できておらず、その対策につきまして明確にしていなかったと。このような留意すべき内容を運用手順へ反映することができなかったというのが背後要因と考えてございます。
 背後要因の補足でございます。一般の焼却設備は連続焼却を前提としておりまして、このため、軽微な不具合では、できるだけ全設備を停止せずに復旧運転を継続するというのが一般の焼却炉だということでございますが、一方、福島第一のこの焼却炉につきましては、放射性物質が系外へ漏えいしないように考慮した設計となっておりまして、シール箇所の破損ですとか、焼却灰の詰まりの除去に当たり、放射線管理上、安全を考慮した作業を行うために、炉を完全に停止して対応する必要があったということが長期運転を止めるというところにつながってきます。
 また、ピット内に移送したもの、チップを、一旦チップに入れてからまた取り出す設備というのがなく、また、屋外、構内のところにチップを一時保管する場所も指定はしてございませんでした。運用時に水蒸気が発生してございましたけれども、先ほど御説明したとおり、表層面、深層面の入替え作業をすることで、それは緩和されていたということで、我々としては蓄熱の抑制ができていると考えて運用をしてまいりましたということでございます。
 14ページです。直接要因の対策でございます。復旧方針と工程案を示してございますけれども、本設備の復旧方針は、原因を踏まえまして、伐採木チップが、一定量が長期間にわたり滞留させない運用に見直すこととしてございます。
 具体的な運用といたしましては、焼却設備が不具合停止した場合に、チップ化作業を止めます。既に作成したチップを当該ピット外に一時保管できる場所を設定する等が必要と考えてございます。
 引き続き見直しする運用内容、それを実現するために必要な監視等の設備面の対策について、社内外の専門家、こちらに例で書いてございますが、これは社内の研究所でございますが、TRIを活用する、助言をいただくなど、チップ類の焼却施設の設備、運用状況を参考にいたしまして、今後、体制を強化して実施していきたいというふうに考えてございます。
 15ページです。背後要因への対策になります。新規設備の建設、大規模改造工事を伴う場合、設計プロセスの初期段階を強化し、再発防止を図ることといたします。
 赤点線で示しているところになりますけれども、ハザードの抽出・リスク分析に当たっては、社内検討の強化として、ハザードの抽出の考え方の整備及び社内外の専門家を加えたプロセスを追加いたします。
 初期の概念検討の段階で、発酵によるこの火災リスクなど、ハザード抽出・リスク分析を踏まえた対応方針を明確にし、後段のプロセスに確実に反映するよう見直し、運転開始前に手順書等へきちっと反映されているかということを確認いたします。
 16ページです。保管管理計画への影響を評価してございます。影響なしというふうに書いてございますが、後段です。我々は、この増設雑固体焼却炉のほかに、既設の雑固体焼却設備も持ってございます。雑可燃物を焼却することを、ここの既設の焼却炉で見込むことを考えますと、2年程度増設雑固体が停止した場合でも、伐採木を含む雑可燃物については、28年度の屋外一時保管解消は達成する見込みであるというふうに評価してございます。
 説明は以上になります。

○伴委員 ありがとうございました。
 では、続いて、所内電源A系停止と負傷者発生の事案について、資料1-4の説明をお願いします。
○・・・ 福島第一からのはずですが、ちょっと音声。
○伴委員 すみません。福島第一からでしょうか。音声が聞こえないのですが。
○橋本(東電) すみません。福島第一から、電気計装部の橋本が御説明します。
○伴委員 はい。聞こえています。お願いします。
○橋本(東電) 申し訳ございません。この度は、まずは、福島第一のほうから御説明になり、申し訳ございません。
 この度は、このような事象を発生させまして、作業員の方にお見舞い申し上げるとともに、地域社会の皆様に御心配、御不安をおかけしまして、申し訳ございませんでした。
 それでは、資料1-4に基づいて御説明させていただきます。
 右下1ページのほうですが、事象の概要になります。所内電源A系の停止と負傷者の発生についてということで、発生日時が24日午前10時43分頃ですね。所内電源のA系が停止しております。
 各プラントの状態を示して維持します機能については、連続で運転しておりまして、モニタリングポスト、敷地境界の連続ダストモニタ、パラメータについても有意な変動は認められておりません。その後、所内電源につきましては、当該事故点を除きまして、同日の午後4時3分頃に復旧をいたしております。
 なお、放出中のALPS処理水の希釈放出設備については、所内電源のA系の停止に伴いまして、自動で放出を停止しておりましたが、ALPS希釈放出設備については異常は認められないということから、当日の午後5時14分に、ALPS希釈放出設備の運転を再開しております。
 なお、所内電源A系が停止した時刻に、構内の大型機器点検建屋の西側の道路のほうにおきまして、道路脇で掘削作業のうち、コンクリートの舗装面の表層の剥がし作業に従事していた協力企業の作業員様が負傷が確認されております。現場の状況を確認しましたところ、当該掘削作業によりケーブルが損傷して、所内電源のA系が停止したというふうに考えております。
 負傷者につきましては意識はございまして、放射性物質による汚染はございませんでした。ERにて医師の診察を受けまして、緊急搬送により所外の医療機関で診察を行いまして、右頬部と右前腕の2度の熱傷ということで、やけどと診断されております。入院はせずに帰宅しているということでございます。
 1枚資料をめくっていただきまして、右下の2ページ目になります。今回の工事の概要について御説明いたします。
 今回の工事は、構内配電線の埋設管路の補修を行っておりました。その場で、屋外の舗装箇所の掘削工事のうち、コンクリートの表面のベーシング、表層の剥がし作業というのを行っておりました。
 見づらいんですが、図中の上半分、ハンドホールという四角と丸のものが五つございまして、水色の二重線でつながったものがございますが、これが電路を模式した鳥瞰図でございまして、ハンドホール間を水色の電線管管路で配電線が通っている、地中埋設されているという図でした。ここの中で通っているケーブルを、今回、ちょっと見づらいんですが、緑の点線でついたように地上部にリルートをするというような電路を構築し、ケーブルを引き直すというような作業を行っているところでした。
 ここで、一番右端のハンドホールのところに、緑色の少し出た管路がございますが、ここに赤い線が書いてありまして、これが当該の事故を起こした所内電源のM/C1Kと2Kをつないでいるケーブルでございます。ここの部分、クモクモのところでケーブルが損傷しまして、M/Cの1と2の管の連携のケーブルの事故ということで、M/C1Kが停止しております。
 左側の下が現場の写真、施工前の写真でして、このような状況で、奥、少しマンホールが見えると思いますが、この四角のところが、ハンドホールと呼ばれているものでして、地下の中に空間がございまして、人が入ってケーブルの中の処理をするというようなところです。ここの中に地中埋設で、これもちょっと分かりづらくて恐縮なんですが、青の線と赤の線がございまして、このラインそれぞれに電線管を敷設しまして、その中にA系のケーブルとB系のケーブルが入っておりました。
 今回、このところで、横のところに黄色の丸が二つありますが、この箇所に構内配電線用のリルートのケーブルを抜き出す管をつけようということで、この掘削を始める前のコンクリートの表層剥がしというのをやっておるところでした。
 2ページ目の右側の図が断面図の漫画になっておりまして、ハンドホールの中にケーブルを引き込んでいる、この緑色のものがM/Cの1Kと2Kを結んでいるケーブルのラインになりますが、ここの部分で、コンクリートの剥がし治具を押してしまいまして、電線管を貫通し、ケーブル破損したという状況です。
 これもちょっと分かりづらくて恐縮なんですが、コンクリートの部分がグレーでハッチングしているところになりまして、表層の部分が左側のところで、砕石がございまして緑の電線管、ハンドホールの近くはコンクリートを強固に巻き付けておりますので、コンクリートの部分がそのまま地表までつながっているというような状況でございました。
 次のページ、右下3スライド目ですが、簡単ですが、時系列になります。3月18日に当社の安全事前評価を行っております。3月25日に元請企業と当社も入りまして、事前検討会と現場の総点検というのを行っております。4月8日から当該の準備作業を踏まえまして、件名が開始しておりまして、4月24日で当日になります。
 当日は9時半頃、コンクリートの表面剥がしの作業を開始しまして、10時43分頃に事象が発生しております。M/CのA系のケーブル損傷に伴いまして、1Kの停止というもので、重要免震棟のM/C、M/C3A、5A、7Aというところの停止と、ALPS処理水希釈放出の移送設備の停止がされました。11時34分にERの入退管の救急医療室から病院のほうへ搬送しております。16時3分、所内の電源復旧、17時16分、ALPS処理水の放出の再開、19時45分頃、診察を終えまして、診断書を入手しまして、右頬と右前腕の2度の熱傷ということで、入院なしの診断書を確認しております。
 右下の4ページ、この当日の作業の事実関係を確認いたしました。当日の状況につきましては、一つ目のポチですが、当日はコンクリートの舗装面(表層)の剥がしの作業というのを行っておるという計画でして、作業班、班長1名、作業員3名の体制で、要領書どおりに従って、行っておりました。
 当該の剥がし箇所(ハンドホールの近傍部分)は、コンクリートの舗装面と埋設管路とハンドホールを固定しているコンクリート部分が一体構造となっている、この下のポンチ絵、断面図でございますが、今回、赤点で四角で囲っておりますが、事故が起こった箇所がここだということでして、ここの部分は砕石がなく、コンクリート部分でそのまま電線管にコンクリートがついているという状況でした。このため、作業班は、埋設管路とハンドホールを固定しているコンクリートの部分まで剥がし作業を行ったということで、損傷に至っております。
 図の下のほうに行きまして、当社及び当該の元請企業は、事前の現場確認にて、埋設管路及び充填されたケーブルはここにあるということは認識しておりました。当社は、当該の工事全体としては、ケーブル損傷のリスク、ここだけじゃございませんで、ほかにも剥離箇所があって、この後、掘削作業というのがございますので、ケーブル損傷のリスクがあるということは十分認識しておりましたが、当日の作業自体は、コンクリートの表面のベーシングを剥がす、表層の剥がし作業であるということから、ケーブルを損傷させるようなところまでないというふうに考えておりました。
 したがって、作業班に具体的に注意喚起を行うというようなことは、元請にするようにという指示をしておりませんでした。
 当該の元請企業も同様に、表面の剥がしだけであるというふうに考えて、ケーブルを損傷させることはないというふうに考えておりましたので、作業班に対して、これも同じように、具体的な注意喚起を徹底していなかったという事実関係がございます。
 右下の5ページ目になります。問題点についてと対策についてになります。
 当社の問題点につきましては、当社は、当該の今回のコンクリート舗装面の表層の剥がし作業においては、ケーブルを損傷させることはないというふうに考えて、表層剥がしの作業員に対して、具体的な注意喚起を徹底するよう、元請企業に指示をしていなかったということでございます。
 これに対して、対策は4項目ほど考えておりまして、当社は充填部の近接作業というものに関するリスク評価で、事前の現場評価を踏まえた作業班に対する具体的な注意事項を抽出して、元請企業に対して作業班全員へ周知するように指示したいというふうに考えています。
 また、充電部の近接作業については、その内容によらず、ケーブル損傷に至るリスクがあるという前提でリスク評価を行うということで、たとえ表層の剥がしだけだというふうに考えずに、ケーブルを損傷する可能性があるというふうに考えて、停電作業をするかどうかだったり、ここの箇所に掘削をすること、表層剥がしをすることが適切かという作業計画の見直しを踏まえまして、検討を実施したいというふうに思っております。
 次に、充電部の近接作業につきましては、作業前に現場確認を行った上で実施を行うということとともに、たとえ今回のようなコンクリートの表面の剥がし作業においても、当社が立ち会うということで考えております。
 当社は、さらに元請企業の対策に対して実施状況を確認したいというふうに思っております。
 次に、元請企業さんの問題点ですが、当該の元請企業につきましても、ケーブルを損傷させるリスクがあるということを、作業班に対して十分な注意喚起をしていなかったということが問題点として挙げられます。
 対策としましては、当社によるリスク評価や指示に基づいて、当該の元請企業は事前の現場確認を踏まえて、日々の作業ごとに具体的な注意喚起事項を決めるとともに、作業班に対して、TBM-KYや、現場KYを通じて伝えることを徹底すると。何度も何度も伝えていくということをやっていってもらうというふうにしております。
 次のページが、事故が起こった現場の敷地図になります。フレイ交差点から大型機器点検建屋のほうに曲がっていった道路脇のほうになります。
 1Fから御説明は以上になります。

○伴委員 ありがとうございました。
 それでは、一連の説明に対して、まずは、規制庁から指摘などがあれば、お願いします。
○元嶋専門職 すみません。規制庁、元嶋です。
 私からは、資料1-3で説明がありました、増設雑固体焼却設備廃棄物貯留ピットから水蒸気が発生したことによる火災警報発報事案について、原子力規制庁側の取組状況を紹介したいと思います。
 まず、事象発生後に、その事象の収束のために行われた注水によって生じている状況ですね。ピットの中に800m3とプラスアルファ600m3ですかね。チップと水がたまっている状況の回収状況については、その内容については、作業の適切性であるとか、これまで技術会合で確認してきているところではありますが、引き続きその進捗や、処理の適切性等を継続して確認を続けさせていただこうと思っております。
 加えまして、保安検査で事象が発生した原因と、その対策についても今後確認を行っていこうと考えております。
 具体的には、原因としては、東京電力の資料の中で紹介されているものもありましたけれども、チップの貯留に伴う蓄熱、火災に至るかもしれないリスクというところが運用の手順書に反映されていなかったことというところがありますけれども、それが具体的にその手順で、どのように反映されていなかったっていうところを確認するとともに、では、設備の運用に伴うリスクの抽出というのは、どのように行われていたかというところまで、ちょっと深掘りして確認させていただきたいと考えております。
 さらには、我々は保安検査はこれまで進めていく中で、屋外へのチップの保管に伴う火災のリスクという点について、柏崎刈羽で屋外の保管していたチップに火災が発生したという事案があったというところと、あとは、平成25年に、福島第一原子力発電所の構内で、伐採木一時保管層での伐採木チップの保管についても、消防のほうからの指導が行われたというところを確認しております。
 なので、それらについての水平展開の状況というところも見させていただいて、水平展開がきちんと行われる状況にあったかというところも、そこまで我々としては確認をさせていただきたいと考えております。
 さらに、原因として、東京電力の資料の11ページに、事態の進展に伴うポンチ絵がついておりますけれども、今回、水蒸気が発生して、注水をせざるを得なくなる前に、その兆候としての異臭の発生であるとか、硫化水素の確認というところは、一応兆候として見られる部分があったのではないかと、我々は今のところ考えておりまして、そういったところを踏まえて、事象が進展して、注水に伴う設備の長期停止というところを招かざるを得なくなったということが、何らか手順上、適切な対応を取ることにより、そういった事態を防ぐことができたのかどうかという観点でも、今後、少し異常発生時の手順等を確認させていただきながら、どうだったのかというところを見させていただければと思っております。
 さらに、それらの原因の確認を踏まえた対策という部分について、チップの貯留に伴う火災発生リスクを踏まえた運用の手順書というところ、運用の手順というのが適切に策定されているかというのを見させていただきたいと考えておりますとともに、さらに少し先ほど東京電力の説明の中でも触れられましたけれども、既設の焼却設備で、仮に伐採木チップ等を処理していくという作業見込みがあるのであれば、当該作業に伴うチップの貯留に係る管理という点についても、並行して確認をして、同様の事象が起こることがないようにという部分で見させていただきたいと考えております。
 私からは以上です。

○伴委員 今の指摘について、東京電力、いかがでしょうか。
○金濱(東電) 東京電力、金濱でございます。
 元嶋さん、ありがとうございます。引き続き、保安検査等で確認していただければというふうに考えてございますが、運用手順が、初期考えていた都度処理で行うということが、運用がうまく伝わらずに、それが手順書に落とし込めなかったというところは、我々は問題と考えてございますので、そういったところを中心に御説明させていただければなというふうに考えてございます。
 また、全体として、この発酵に至ったそのメカニズム等は、また逐次、保安検査等で御説明させていただければというふうに思ってございます。
 また、あわせまして、最後にございました既設の焼却炉でチップを燃やすというところで、ちょっと私の説明がよくなかったんですけれども、伐採木チップにつきましては、増設雑固が復旧後、ここで焼却したいというふうに考えてございまして、既設の雑固で燃やすのは、ほかに木材のある雑可燃物と呼ばれているものがございますので、それを積極的に、この増設雑固が復旧(作業を)している間に燃やしていって、最終的には、28年度の屋外一時保管解消に影響がないようにしていきたいというふうに考えてございます。ちょっとそこが誤解があったと思いますので、訂正させていただきます。
 以上です。

○元嶋専門職 状況について、理解いたしました。
 引き続き、保安検査で必要な確認を進めさせていただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○伴委員 ほかはいかがでしょう。
 じゃあ、松田さん。
○松田室長補佐 すみません。規制庁、松田です。
 私のほうからは、HTIの漏えいに関しまして、コメントと質問になります。
 まず、コメントとしましては、もともとの運用として、系統構成に関しまして、1Fの特殊な事情を踏まえて、柔軟な対応ができるようなルールが設けられていたということは保安検査の中で確認しています。
 一方で、この柔軟にできるようにしていったがために複雑になってしまっていて、今回お見合いがあって、その系統構成の責任の所在が曖昧になっていたであろうというのが我々が感じたところです。
 今回、改善対策として、運転部門にその辺の責任を一元化されるというのは、すごく当たり前の状況ではあると思うんですけど、シンプルで、適切にそういう対策が講じられるように、そこはお願いしたいというふうに思っています。
 その運用面に関連してなんですけど、今回、通常サリーを止めて、次の作業に入るときに、あまりインターバルが空かないときには、その弁を開けていないという運用がされるというのも確認しています。
 今回、そのインターバルがちょっと空くので、弁を、水素ガスを逃がすために開けていたということなんですけど、これは今後も、サリーについては同じ運用をされるということでよろしかったでしょうか。
○渡部(東電) 東京電力、渡部のほうから御回答します。
 基本的に、サリーについては、同じように、インターバルが空く場合は、今回のような水素対策を行うように、弁を開けて、インターバルがない場合は閉めると。閉めたまま継続するというようなところを考えてございます。
○松田室長補佐 はい、分かりました。
 その運用、理由はいろいろあると思うんですけど、通常と異なる運用をするときであったりですとか、あと、増設ALPSのときの身体汚染のときもそうなんですが、例えば人が病欠で、キーマンになる人が来れなくなって、メンバーをちょっとやりくりしなければいけなくなったとか、そういうイレギュラーなことが発生するときというのは、こういうミスが起きがちだと思いますので、そこは作業管理という観点で、よくよく引き続き、管理のほうをしていただきますようにお願いいたします。
○渡部(東電) 東京電力の渡部です。
 はい。しっかり管理していきたいと思います。ありがとうございます。
○岩永室長 規制庁、岩永です。
 資料1-3に1問と、あと、1-4に対して、幾つか確認させてください。
 まず、資料1-3の13ページなんですけれども、これは、原因となったチップによる、いわゆる温度が上昇していくプロセスにおいて、何があったのかというのは、これは発生したのが2月ですね。やっとこの状態を確認できて、結果として示していただいたのが大体2か月ぐらいかかっているというところです。
 今、実はいろいろなトラブルが発生していて、現場の検査官、いろんなトラブル対応に駆け回っているということと、保安検査に対して、この部分については、この検討会で、かなり当初から、伴委員を含めて、ため過ぎたんじゃないのかということを疑いを持って見ていたわけですけれども、なかなかそれに対して回答が得られなかった。
 2か月もこういうことにかかってしまうと、この度重なるいろいろなトラブルに対して、マンパワーも足りなくなってきているのと、通常の巡視も難しくなってきますので、できれば、きっちり答えられるものはしっかり、早急に答えていただきたい。保安検査で誠実に対応していただきたい。これは非常に我々からの不満としてお伝えしたいということと、この資料の中にある計画なんですけれども、今、この部分について説明を受けましたけども、額面どおりには受け取れません。きっちり28年の屋内保管に対して、必要なチップの処理が、どういうふうにあるべきかというのをもう一度考え直していただきたい。
 通常の産業用の焼却炉のように止められないのは、止められないというか、逆に言うと、我々は止めないといけないというのも十分分かっていますので、その部分についての工夫はまさになされるべきことだと思っています。
 この1-3の資料については、我々としては一部差し戻したいというか、額面どおりは受け取れませんというのをはっきり言わせていただきたいというところです。返事は構いません。要りません。
 もう一つ、1-4の資料をお願いします。1-4の資料の中にあります状態を少し確認させていただきたいんですけれども、まず、このM/CAの負荷に対して、ALPSの移送処理設備がぶら下がっていたということなので、恐らくこのような非常に電圧が高い、これは6000Vぐらいかかっている母線だと思っています。
 これは、支柱工事とかであれば、夜のうちにガス管とか、電気とかを止めることができないインフラ的なものだとは十分理解しているものなんですけれども、非常に重要なインフラがつながっている、もしくは止めたくないものがぶら下がっているけれども、まず、今この作業をこのタイミングでやると言ったことを了承したのは誰なのかという、このタイミングでの責任ですね。この作業にPermitしたのは東京電力のどの部署がしっかりその全体を把握してやったのかというのを教えていただきたい。
 あと、このALPSについては再開をしたということなんですけど、我々は、これは当然だと思っています。いわゆる緊急時に遮断弁が閉じて、止まって、放出が一度止まり、その後、攪拌設備から見直していって、最下流の設備として放出をするということについては、これ当たり前の状態が実行できたということですので、何かを急いだり、何かを飛ばしたりしていないかというのは確認をさせていただきたいのと、手順書どおり、これが動いていることが一番重要ですので、急ぐべきものでもないと、我々は思っていましたので、その点について、現状のその考えを聞かせてほしいということ。
 あと、少し重要なのが、2回目にLCOを起こしています。これは免震重要棟について、電気を確保できていなかったわけですけれども、これは、もちろんその設備にくっついているGTG、非常用ガスタービン発電機を起こしたということですけれども、安定化させるために生きているそのM/CのB系を復活させるという行為の中で、手順どおりやったものの、一度落としてしまったということですので、これにつきましては、従来設けられていた手順がどうであったかというのをきちんと確認をさせていただく。これが最優先かなと思っています。
 あと、最後ですけれども、この資料、非常に我々は見ていて、薄っぺらくて、非常にイラッとするところがあります。1点そこは2ページです。1-4の2ページ。
 ここについて、起こったことは、現場情報が作業員に対して、どこまで周知されていたかというのは確認をしていくわけですけれども、結局この接触を防ぐことが、人の命と、その設備を守るという観点で重要なわけですけれども、この後に皆さんが書いていらっしゃる対策の中に、ここの触れるか触れないかという非常に重要なところに対して、何をやるかというのは一切書いていない。要は立ち会う、確認する、周知することに終始していて、この部分を再発させないということについて、一切ここに書いていないということが、今の取組について十分なのか。
 この四つですね。ちょっとお答えいただきたい。
○伴委員 東京電力、いかがでしょうか。
○橋本(東電) 福島第一から電気計装部の橋本が、1番目の御質問と4番目の御質問について御回答いたします。
 まず、これは誰が承認したかですが、工事のほうですけれども、これは当該のマネジャーのところで計画を立てまして、実施しております。
 ここの部分、ほかの電路も配電線が通っていることと、1、2本の連携線が通っていることというのがございましたが、管路のほうでも、管路のハンドホールの中の水色の管路ですが、ここの中も土が入ってきて、健全性は確認しておりますが、ケーブルをリルートするということも優先して行いたいというふうに思っておりましたので、実施しております。
 あと、4番目、薄っぺらい資料、大変申し訳ございません。対策のほうにつきましては、この重要なケーブル等がございましたら、立ち会うということもありますが、停電の要否だとか、下流側で対応で停電をさせるだとかというところだとか、作業計画そのものを見直すということも踏まえて検討するということで、対策は考えていたつもりではございます。
○岩永室長 岩永です。
 ちょっと先ほどの回答で、ちゃんと答えてくれていないなと思うのは、この2ページの資料の中で、この部分を、これは通電をもうしておかないと止めることができないという前提で、その作業をする際に、触れないという、要は見えないわけですね。これは土中で、上からドリリングをしていくわけなので、その確認ができないところに立ち会って、何か意味はあるんですか。それとも、いろいろな機材を使って確認をするとか、そういうことに対して、その配慮はしないんですか。
○橋本(東電) 御説明が足りておりませんで、申し訳ございません。当然、埋設物の調査をした上で、重要なケーブル建設作業であるというときは立ち会うということを対策で書いたつもりでした。説明が不足しまして、申し訳ございません。
 あと、さらに表層を剥ぐというところではございますが、そういうところにつきましても、表面、ここのハンドホールの中を見ましたら、管路が分かりますので、どこに流れているかというところも十分検討した上で、その部分について、ここ、表層をハスルということが妥当かということを考えて、作業計画と停電の停止の計画を行うというつもりでございます。すみません。御回答になっていますでしょうか。
○岩永室長 岩永です。
 表層とはあまり思えないので、しっかりこのハンドホール、これがあることによって、この構造が多分ほかの表層と違ってきているんだということが理解されたというふうに今解釈はしたので、いわゆるその表層剥がしというところを前提にやったので、これが起こったというのは、ちょっと説明になっていませんので、現状に合わせた作業で、何ができるかというのを改めて考えていただくという発想に切り替えていただくといいのかなと思いましたけれども。
○小野(東電) ちょっとよろしいですか。小野ですけれども。
 多分岩永さんがおっしゃられているのは、要はもっとハード的な場合に当たる対策とかを少し検討したほうがいいんじゃないかというお言葉だと思います。
 ハードといっても、いろいろありますけれども、実はこの2ページの損傷箇所と書いてあるこのドリルが刺さっているところ。ここは実際に今回やってしまったところなんですけれども、本来、我々が考えていたのは、こういう形でコンクリートが全て巻かれている状態ではなくて、このすぐ左側の、この表層部、大体10cm行かないぐらいですけれども、この表層部のところが大体10cmとか8cmとかあって、そこはコンクリート等で舗装されています。
 その下に砕石が出てくるんですけど、こういう構造がずっと続いているというふうに、これは我々の、ある意味誤解というか、調査不足というか、そういうところだと思いますけれども、そういう状態で、今回、要領書等もつくってございますので、要領書と実際の内容というのが、舗装面の表層部の剥がし作業をしてくださいということなんですよ。ただ、作業員さんからすると、コンクリートをどこまで掘ってもコンクリートがあったのは間違いないんですよ。
 だから、我々として、これはちょっと今後も考えますけれども、例えば要領書の中に、もう少し具体的に、どのぐらい剥がしてみて、それで例えば砕石等が出てこなかったら、そこはもう1回作業を止めろとか、もっと具体的なところをきちんと書き込む必要が多分あったんだろうというのが一つの反省点だと思っています。そういうことはしっかりと考えていきたいなと思います。
○岩永室長 岩永です。
 まさに1Fのサイトは、いろんな事業者の方が入って作業をしています。その作業の種類によっては、埋設物の性質で砂利とか、そういうものを使わない場合がある。まさにここがそういう取り合いの部分だと思います。
 表層といえば、数cmで剥がすというのが基本ですから、一旦立ち止まることもできたでしょうし、おっしゃられるように、砂利が出てこないんだったら、その別の構造があると。
 別の会社がやっていて、その会社の常識でやっているところについては、そこに従うとか、何から何まで書いてくれとか、制度化してくれとは言わないんですけれども、その部分のやり取りはないと、同じようなことを繰り返すと思いますので、実はそういうところをしっかり分かるように、説明をしていただきながら、改善をしていただくというのが今できることということだと思います。
○小野(東電) 小野でございます。
 分かりました。実際考えているのは、さっき私が申したようなことも少し我々は頭の中に入れて、対策を打とうとしていますので、そこら辺をしっかり、より明確になるように対策を検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○伴委員 よろしいですか。
○橋本(東電) 1Fから、電気計装部の橋本も了解いたしました。ありがとうございます。
○高橋(東電) 福島第一、建設運用センターの高橋でございます。
 GTGが2回目止まっての件でございます。よろしいですか。
 確かに手順書どおりに、GTGから通常電源のほうに切替え手順はやっておりました。その途中で、遮断機を入れたときに、まだ通電は、載せ替えはしていないんですけど、遮断機をやったときに、ガスタービン発電機が飛んだと、トリップしたというか、停止したということは、そういう状況でございました。
 手順書どおりにはやっていたんでございますが、それがなぜそういうところで止まったか、ガスタービン発電機が止まったかというのは、今、もう一回調査をしっかりやるところでございます。
 その調査結果も含めて、また御説明させて、これは必要なことだと思うので、対策までしっかり取っていきたいと思っています。
 以上です。

○澁谷企画調査官 1F室、澁谷でございます。
 今関連して、免震棟のLCOの話なんですけれども、そもそも免震棟というのは電源が多重化されていて、A系からB系へ切り替わるようになっていたという、実施計画上はそうなっているんですけれども、その切り替わらなかった理由とはどういうことなんでしょうか。
○橋本(東電) 福島第一から、電気計装部の橋本です。
 こちらは、このとき電源がA系共通M/C5Aから免震棟は受けておりました。タイのラインで、下流側で給電しているという状況でしたので、A系の電源がなくなりまして、GTG起動で、電圧A系の母線確立というような状況になっております。
○澁谷企画調査官 1F室の澁谷です。
 ということは、実施計画で書かれているような多重化はされていなかったということですか。
○橋本(東電) このときは、ちょっと事実確認が必要なんですが、A系で充電しているということで、母線B系のほうは、下流側でタイライン、A系の受電をしているという状況だというふうに考えています。ちょっと調査をさせていただいて、御説明させていただきたいと思います。
○澁谷企画調査官 はい。恐らくB系からも両方から受電していると思いますので、その辺りの御説明は、また今後ともよろしくお願いいたします。保安検査の中でも確認していきたいと思います。
 以上です。

○橋本(東電) はい。お願いいたします。
○伴委員 ほか、いかがでしょうか。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 先ほど事務局のほうからも指摘等があったんですけど、やっぱり増設雑固体で、過去にも800tとか置いたときに、そういうふうなちょっと変な兆候があったかと思うんですね。その兆候を踏まえて、今回の対応ができなかったのは、私としても大変残念に思ってございます。
 あと、2028年度までにとおっしゃったんですけれども、それに対し、具体的な方針等が今日も説明がなかったので、次回のときには、どういうふうにしてこれをやっていくのかということを説明すべきだと思います。よろしくお願いします。
○金濱(東電) 1Fの金濱でございます。
 田中先生、ありがとうございます。
 まず、途中、これまで運転していた中で、同じように水蒸気のほうは確認してございました。
 資料はちょっと今日は御説明を省かせていただいたんですけど、17ページのところに、これまで湯気があったときには、入替え作業を行ってございます。我々は、それを経験上、これでうまくいっていたというところがまずありました。それで、このときももっと踏み込んで、CRですとか、コンディションレポートを書いて、気づくことができたかもしれませんので、そこはちょっと反省として踏まえて、こういったコンディションレポートの活用をしっかりやっていきたいなというふうに考えてございます。
 また、28年度の屋外一時保管箇所、私の説明がちょっと足りずに、これは3月期に、3年間の廃棄物の保管の成立性を、毎年、実施計画の変更申請を出させていただいております。
 そのときに、3月期のときに、28年、2年程度止まっても、雑可燃物の焼却といいますか、屋外一時保管が解消されるということを御説明してございますので、また改めて、今後、御説明させていただければというふうに思ってございます。
 以上でございます。御説明が足りなくて、すみません。

○伴委員 よろしいですか。
 それでは、外部有識者の先生方、いかがでしょうか。
 井口先生、どうぞ。
○井口名誉教授 名古屋大の井口です。
 私のほうから、ちょっと2件確認させていただきたいと思います。
 一番最初のほうは、高温焼却炉建屋の漏えいの話で、今回、2ページで対策案が出ていたんですけれども、一番最後のところの注意札の管理面の対策ということについて、資料1-2で、規制庁さんの説明については一応理解できたんですけれども、この管理面の対策で、3月23日から順次開始しているという文言がよく分かりません。この文章によると、注意札というのは、基本的には通常運用と異なる操作に対する留意事項が書いてあって、今回、現場の作業員の方はこれを見落としたということですよね。
 その対策をするために、今後は運転部門の方が、ここで言うPTWタグという、操作札ですね。それを付け加えるというか、そういうふうに書いていまして、その管理によって、注意札を復旧して当該作業の実施を認めるPTWタグに付け替えるということのようなんですけれども、これは、実際の作業は保全部門の方がやるんだけれども、そういう作業の周辺で気をつけないといけないことについては、運転部門の方が、作業承認の内容に基づいてPTWタグを現場に持っていき、当該作業の前にタグをつけて、終わったらタグを外して、状況を確認するという、そういうことを意味しているんですか。
 つまり運転部門の方が全面的に系統全体の面倒を見て、実際の保全部門の方、現場で作業をする方については、そこは見なくていいという、そういう運用にしたという理解でよろしいでしょうか。それが1点目ですね。
 2点目は、これも先ほどいろいろと御質問が出ていた火災警報発生の話ですね。
 資料でいうと、11ページのところで、今までも御指摘があったと思うんですけれども、この図を見ていると、一般廃棄物の埋設処分の構成に似ていて、そういう盛土があって、その下の廃棄物からのガス発生とか、発熱というのは、一般廃棄物の埋設処分の場合は、環境対策の影響評価等で、事前に十分検討されるものだというふうに認識しておったんですけれども、先ほどの話で、設計段階で、あまりそういうことを深く考えていらっしゃらなかったということですが、これは事前評価が可能なんじゃないかというふうに思うんですよね。
 今後、この廃棄物貯留ピットにため込む物量とか、それから、天地返しで掘り返すというふうにおっしゃっているけど、その期間やサイクルですね。事前にそういうガス発生とか、発熱というようなものの検討をしておかないと、後のほうでリスクを再評価するということをおっしゃっていたわけですけれども、その辺りの見通しが得られないんじゃないかと思うんですけれど、どのようにお考えでしょうか。
 その二つについて教えてください。
○渡部(東電) 東京電力の渡部のほうから、まず、一つ目の高温焼却炉建屋に関する御質問についてお答えします。
 2ページ目のところ、すみません。言葉足らずで申し訳ありません。まず、ここでは、まず、東京電力の運用部門がまず一元的に管理するのが大前提になります。ここの記載の保全部門が使用する手順書を基に定めた系統の境界となる弁、こちらは今回の洗浄作業のように、手順書に基づいてやる場合は、実はPTWのタグ札、いわゆる操作札ではなくて、手順書で操作を行っておりました。
 今後、こういった事象を改めるために、しっかりとタグとの照合をするというのが大前提になります。ですので、今後、保全部門が行う手順書についても、境界となる弁、いわゆるバウンダリ弁については、きちんとタグを発行して、注意札とPTWのタグとの照合を行うというのが二つ目の対策になります。これについては3月23日から順次実施しているというものになります。言葉足らずで申し訳ありませんでした。御理解いただけましたでしょうか。
○井口名誉教授 今のPTWタグの照合というのは運転部門の方がやって、いわゆるこの保全部門の現場作業の方はする必要はないということなんですかね。
○渡部(東電) まず、こういった境界弁、いわゆるバウンダリに関わるものについては、東京電力の運用部門がしっかり一元的に管理するというものになります。
 ただ、先ほども御説明したとおり、再チェックの意味で、当社の保全部門も再確認を行うことを考えてございます。
○井口名誉教授 分かりました。了解しました。
○金濱(東電) 続きまして、廃棄物の金濱でございます。
 井口先生、ありがとうございます。
 この貯留ピットにたまった際に、ガスですとか、そういったところをあらかじめ考慮すべきというところだったんですけど、概念の設計の段階では、これは都度処理を基本と考えてございまして、ためても3日間、日々だんだん減っていって、減った分を入れていくと。空になって入れていくというのが思想にありました。
 思ったよりも増設雑固体の運転がちょっとうまくいかなかったというところで、ピットに貯留するような状態になっていったと。そういった状態のときにどう、何を考慮すべきかというところが、うまく概念設計のときに、3日ためたら空になるというところがうまく運用側に伝わらずに、そういった場合に、どういった対処をするかというところが運用手順等に反映されなかったというのは反省と考えてございますので、それを今後は初期の設計プロセスの段階で、しっかりと組んでいきたいというふうに考えてございます。
 そういった意味からして、今回の場合は、初期段階でガス発生だとか、そういったところの監視のところにちょっと設計が及ばなかったということでございます。
○井口名誉教授 分かりました。
 あと、非火災だという判断なんですけれど、今回の火災警報というのは、基本的には熱感知ではなくて、水蒸気の煙探知で発報してということなんですか。
 熱は、その前にチップが熱分解したというのがあるわけですけれども、火災警報だと温度的には60℃以上にならないと発報しないと思うんですけれど、そういうことじゃなくて、水蒸気がもうもうとしたから、煙探知で発報したという、そういうことでよろしいんですか。
○金濱(東電) はい。きっかけは水蒸気が滞留発生して、そこで火報が鳴って、火報とともに、ダンパー等が閉まっていって、建屋内が充満して、ピット内の目視ができなくなったという、そういう事象でございます。
○井口名誉教授 だから、温度的には問題なくて、本来のチップが乾燥していて、本当に火災が起こったりとか、あるいは可燃性ガスが燃えたりということはあり得ないんですよね。
○金濱(東電) 今回の場合は、自然にその発酵事象が進む段階で、発酵事象が65℃ぐらいになってきて、それがどんどん進んでいくと、100℃近くになっていくと、そこでチップの乾燥が進みますと、熱分解等が始まっていって、そこに酸素があると、そこから火が出るというところでございますが、今回の場合は、酸素不足になってきまして、火が出るまでに至らなかったという、そういった事象だというふうに考えてございます。
 これは専門家にも御相談して、そこでちょっと時間がかかったというところがあるんですけれども、そういったメカニズムでいいかというところを確認してございまして、火が出なかったところは、結局建屋内に閉じ籠もっていて、酸素が不足した。そこが火が出なかったというところだというふうに考えてございます。
○井口名誉教授 分かりました。
○伴委員 つまり、火報が鳴ったのは、温度が上がったからという理解でいいんですかということです。
○金濱(東電) 熱ではなくて、あくまで水蒸気によって火報、熱によるものではございません。
○井口名誉教授 分かりました。それが発生する条件について、少し明確にしないといけないような気がしたので、それも今後の検討の中で、ぜひ調べていただければよいかと思いました。
 以上です。

○金濱(東電) はい。保安検査の中でも確認していただいていますので、しっかりと説明してまいりたいと思います。
○伴委員 ほかにいかがでしょうか。
 蜂須賀会長、どうぞ。
○蜂須賀会長 すみません。素人が素人の質問をさせていただきます。
 まず、今のチップの問題なんですけど、常識から考えて、昔からチップって、材木って、ためておくと熱が出て、いろんなものが、田舎で言えば、カブトムシも養殖できるぐらいの暖かさになってくるんですけど、そういうふうな毎日のチップの温度というのは測っているかどうかを教えていただきたいと思います。
 あと、いろいろあったんですけど、先生方の質問で、まずはチップ。あとは、この1-4の資料なんですけれども、リスクに対する認識が東京電力は甘過ぎるのかなというふうに思います。下にケーブルがあるならば、あるという指示をしなければ、いや、コンクリートだけだから、砂利だから、その下にこの配線があるからではなく、やはり配線があることを前もって知らせるべきではないのかなと思います。
 私ごとですけれども、今ちょっと建物を建てていて、そこに植木を植えようと思ったら、その下に水道管があるから、根のあるものは植えないでくれというふうに言われるぐらい、やはりその道の人たちは、下に何が埋まっているかということを私たちに知らせるということが決まりのように思うんですね。ですので、そこまでは行かないだろうとかと思わないで、下に埋まっているから気をつけてねの一言ぐらいはあってもいいのかなと思いました。
 あと、なぜ作業員さんがやけどをする。ちょっと私には、何でやけどをしたのだか想像がつかないんですけど、それを教えてください。
 あと、もう一つ、規制庁さんには、最後の6ページ、東京電力の再発防止の取組を確認していくことというふうに書いてあります。これは強く地域住民として、監視を強くしていただきたいということを望みます。
 なぜならこんなに多くのいろんなものが立て続けにトラブルが起きますと、やはりちょっと説明を求められても、蜂須賀は説明ができない部分がありますので、やはり規制庁としての監視というのを強く求めたいと思います。
 今日も何か御説明を求めると、保安検査にて説明させていただきますとか、そういうふうな回答があるんですけど、私たちは保安検査に立ち会うこともできませんので、分かる範囲で、この会議で説明していただければありがたいと思います。
 その1点、温度を測っているのだか、なぜ作業員さんがやけどをしたのかということを教えてください。
 以上です。

○金濱(東電) 増設雑固の件でございます。金濱でございます。
 温度につきましては資料の18ページにございますとおり、非接触型ですけれども、チップ層の表面の温度を日々測って監視はしてございました。発酵が進むと、先ほど申したとおり、60℃近くなるというところで監視はしておったんですけれども、我々の想像以上に発酵というものが、こういった形で起こるというところが知見として得られたということで、今後、設備復旧に当たっては、もう少しチップ層の中を測れるような改造等をしていきたいというふうに考えてございます。ありがとうございました。
○橋本(東電) 1-4の電源停止に伴います御質問について、1Fから、電気計装部の橋本が御回答させていただきます。
 まず、御心配、御不満、御不安をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。まず、リスク管理について甘いという御指摘は全くもってそのとおりだと思います。拝承いたします。今後も、おっしゃるとおり、どんな作業であっても、注意喚起だけではなく、ここを周知していくということは徹底したいと思います。
 また、やけどの件につきましては、現物のケーブルをちゃんと確認できておりませんが、コンクリートを破砕する道具で、ケーブル損傷をさせまして、3層のうち短絡等を起こしまして、それによって火花が出まして、その火花が作業員に当たったということでやけどをしたというような状況でございます。電圧、電流がでかいものですから、短絡しますと、アークというものが発生しまして、そこで火花が発生したというふうに考えております。
○蜂須賀会長 はい。ありがとうございます。要するに火花でやけどを負ったということですね。
○橋本(東電) はい。そうでございます。
○蜂須賀会長 はい、分かりました。
 あと、チップのほうなんですけど、表面しか測っていなかったということで、チップって回転させないんですか。
○金濱(東電) 東電の金濱でございます。
 チップは定期的に表層面と入替えを行ってございまして、そういったところで蒸気の抑制をしてございました。毎日の運転の中では。それでこれまで2年間やってきた。そこで、我々はうまく抑制できているというふうに考えておりました。そういった入替えの作業は行ってございました。
○蜂須賀会長 あと、測っているのは表面しか測っていなかったということですよね。
○金濱(東電) はい。そうです。そこは表面的だけです。
○蜂須賀会長 あともう一ついいですか。今、岩永さんが、海洋放出を始めるのは当たり前だというふうにおっしゃいました。放出をね。要するにトラブルをなくして、海洋放出をするのが当たり前だというふうに言われたんですけど、私たちは、その電源が1回も2回も切れているのに、直ったから海洋放出をしたんだろうと思ったんですけれども、できれば、もうちょっと詳しく時間を置いて、5時間や6時間ではなくて、原因は追求というか、分かったんだから放出したというふうになるんでしょうけれども、もうちょっと、なぜ2回も落ちてしまったかとか、そういうことを詳しく、私たちの安心のためにやっていただければなと思ったんですけれども、どうでしょうか。
○小野(東電) 東京電力の小野でございますけど、ALPS処理水の放出に関しては、電源が復旧したから、それで放出を再開をしたということではございませんで、当然ながら、電源が落ちて、1回止まっていますので、設備関係は全て1回パトロール等を行って、健全であると、要は何か異常がないということは全部確認をしてから電源復旧をしたということでございます。
 一方で、やはり今回の電源が落ちたことによって、いろいろな事象が発生してございますので、そこら辺は、当然ながら我々もきちんと自治体さん等への説明等は行ってございますが、今回の場合、昨日、私の記者会見もございましたので、その中で、実際こういう原因で、場合によったら、対策は今こういうことを考えているということはお伝えをさせていただいたところでございます。
 そこのところをもう少し、地元の方々に、ある程度直接伝えるとかということをどうやってやったらいいかというのは少し考えさせていただきたいというふうに思います。ちょっと時間かかってしまうかもしれませんけども、時間がかかっても安心ということが大事であるということであれば、それはまた我々としても前向きに考えていきたいと思います。
 ありがとうございます。
○伴委員 多分、今のやり取りを聞いていて思ったのは、技術的に問題がないということは、蜂須賀会長も十分にお分かりなんですけれども、それを一応確認したから、だから始めますというのは、あまりにもデリカシーがないんじゃないですかという、そういうことだと思うんですね。
 だから、その辺の地元の方たちの気持ちというものを、一体東京電力はどれだけ理解しているんだろうかという、恐らくくそういう御指摘だと私は思いますが、合っていますか。
○小野(東電) ちょっと今、ぱっと私は、対策をどうする、だからこうするということはなかなか言えませんけれども、そこら辺は我々は肝に銘じて、今後対応してまいりたいと思います。
○伴委員 ほかはよろしいでしょうか。
 あと、オブザーバーから何かございますか。どうぞ。
○宮原福島県原子力対策監 福島県、宮原です。
 1-3、貯留ピットについてコメントをさせていただきます。
 先ほど井口先生が言われたように、こうしたことについて、先行的な検討があるのではないかということで、実際かなり類似の例として、災害瓦礫、可燃性廃棄物、東日本の震災の後、仮置場が設けられて、そこでの火災防止対策、これは国立環境研究所がまとめています。
 そこでのまとめ方としては、どういう現象が起きているのかというのをしっかり推定してから、それに対してどう対策を立てるというようなことを行っていて、この原因として考えているのが、この資料にもありましたが、好気性の発酵だけではなくて、嫌気性の発酵、これは深層部で起きて、それだけであれば、ある程度温度が上がってくるというところでとどまるのですが、その内部で起きているのが、その後、炎が出ない無炎の燃焼、これが生じることによって、まず、深層の中で火災が発生して、それで今度は表層に移って、今度は有炎、炎の出る燃焼に至るというプロセス、これを想定して、しっかり対策を立ててます。
 そのときの対策の立て方としては、こういう無炎の燃焼も想定して、まず、その温度を測ると。これも蜂須賀委員が言われているように、表面の温度を測るのではなくて、深層の温度を測るということ。さらには、一酸化炭素を計測すると。あと、異臭を感知するといったところ、これを挙げています。
 それで、先ほどの無炎の燃焼というのが、金濱さんが言われたように、100℃を下回るような温度でも生じ得ると。これは具体的には、木材の中の不飽和脂肪酸が寄与して、そういう100℃を下回るような無炎の燃焼も生じると。こうしたことをしっかり想定した上で対策を立てているということが非常に参考になると思いますので、国立環境研究所の資料もぜひ見ていただければと思います。
 以上です。

○金濱(東電) 宮原さん、ありがとうございました。今おっしゃっていただいたことを参考に、復旧の設計等に反映していきたいと思います。ありがとうございます。
○伴委員 ほかはよろしいですか。
 それでは、ちょっと個人的な感想も含めてまとめたいと思いますけど、昨年の10月に、ALPSで体表面汚染の事案が起きて、そうしたら今度、HTIで汚染水の漏えいが起きた。そこまでは、またこういうことが起きてしまったかという感覚だったんですが、この増設雑固体のこれが起きたときには、何をやっているんだろうというのが正直な感想です。
 そして、一昨日、この電源が落ちて、負傷者が出ました。正直頭を抱えました。これはどうしたらいいんだろうって。だって、このケーブルを損傷して、電源が落ちましたって、皆さん、どれぐらい深刻で、馬鹿らしくて深刻かという感覚をお持ちですか。本当に馬鹿らしい事案だと思いますよ、これ。
 例えはよくないかもしれませんけど、人間の手術で言ったら、えらい皮下脂肪の厚い患者さんだなといって、漫然と切り進めていったら、動脈を切って、出血多量で死んじゃいましたと、そんな話ですよ。これを、こんなことを簡単に起こしてしまう。
 一連の事案、今日、いろんな説明がありましたけれども、結局共通しているのは、計画段階でのリスク抽出が十分じゃなかったので、手順書がきちんとできていませんでした。
 不備がありました。その手順書に沿ってやった結果、こういうことが起きてしまいました。
 全部一緒ですよ、それは。
 このことは、昨年10月の体表面汚染事案が起きたときに、それの原因、対策を議論する中で、こちらからも指摘したはずです。計画段階のリスク抽出をちゃんとやってください。
 それが、今後、こういったいろんな作業を安全に行う上で肝になるはずですと指摘しています。議事録にも残っています。
 でも、その後、これだけ続いているって、これはどうしたらいいですか、小野さん、今後。ちょっと真剣に、本当に私も頭を抱えているんですけど。
○小野(東電) 小野ですけれども、やっぱり我々もまだリスクの抽出が甘いというのは、これはそのとおりだと思います。
 私としては、1回場合によったら連休明けを含めて、総点検ということはあまり好きじゃないですけれども、1回、特に我々がやっている作業、それも優先順位をつけますけれども、その中でもう一回作業手順の中に、本当に不備がないかというのをもう一回見てみたいと思います。
 今回、ちょっと電源関係のところというのは、少し多分どちらかというと、その前に起こっていたことが、身体汚染、ALPSの関係の水の関係です。その後の、HTIの、これも水の関係ということで、その水の関係のところに関してはかなり、今言ったように、手順のチェックとか、悪いところがないかというところは見直しているのは事実なんですけれども、焼却炉の件、それから、今の停電の件につきましても、少し優先順位をつけた中で、ちょっと劣後している場所で起きていると私は思っていますので、それは、我々は改めて、連休明け、作業をどうしても継続しなきゃいけないものもございますけれども、1回場合によったら、作業の停止も含めて、リスクをもう一回、これは全体という形で見てみたいというふうに思います。
 その中でまた、それは、また我々はいろんな場で御説明をさせていただきたいと思いますし、そういう段取りを踏んで、ちょっと作業を継続していきたいというふうに思ってございます。
 以上です。

○伴委員 はい。だから、ちょっとこれだけこういう状況が続くと、やっぱりもしかすると、本当に最低限維持しなければいけないものは、そのとおり進めていただくとして、それ以外のものは、もしかすると一旦立ち止まって、本当に原点に返るべきかもしれないので、ぜひそういう甘さを残すことなく、徹底的に検討して改善していただきたいと思います。
 まとめますと、HTIからの汚染水の漏えいについては、先ほど事務局から説明があったとおりですけれども、最終的には、規制委員会において、実施計画違反の影響の程度や、再発防止策の妥当性について判断することになります。
 それから、それ以外の2件につきましては、規制庁が保安検査を進めていきますけれども、今日の議論を真摯に受け止めて、組織全体として、今お話ししたように、危機感を持って改善に努めていただくように、今後の廃炉作業に取り組んでいただくようにお願いいたします。
 では、以上で議題の1を終了いたします。

 はい、お願いします。
○徳永教授 東京大学の徳永でございます。
 今の議論を伺っていて、改善をします、見直しますということをされるということですが、どういう観点のところが実は見えていなかったのかという辺りを少し洗うことも大事かなという気がしていて、すなわち見直しますと言って、同じ視点から見直すと、やっぱり見えないところは見えないということが繰り返されるんじゃないかという気がして、そういうようなところを少し意識した形で見るという、もしくは今までやってきた中で、なぜそこに穴が開いていたのかという背景を少し検討するというようなスタンスで見直していただくと、今後、少し、より前向きになるような改善という方向に行くのかなという気がしたので、非常にこれは長期にわたる事業なので、それを継続していくという、安全性のレベルを保つという意味でも、できないところにパッチを当てていくということに加えて、やっぱりどの部分が今、東京電力さんがおやりになられているという観点のところで、少し見えにくくなっているのかなというあたりを、併せて検討していただくといいかなと思いましたので、すみません。議論が終わった後で話して申し訳ありません。コメントさせていただきます。
○小野(東電) はい。ちょっとこれが直接お答えになっているかどうか分かりませんけれども、資料1-1の8ページをちょっと御覧いただければと思います。
 実は、高温焼却炉の建屋からの水の漏えいの事案を踏まえまして、その前に、例の増設ALPSの身体汚染の事案があったわけですけど、一応経産大臣のほうから指示を受けてございます。この指示の実施事項Aというところがございまして、簡単に言ってしまうと、上の矢羽根のところに書いてあるところ、例えば高い放射線リスクにつながるようなヒューマンエラーが発生するような共通の要因がないか徹底的な分析をしろと。この観点で、まず今抽出をいろいろ行っています。
 あわせて、DXを使ったハードウエアシステムの導入を考えろというふうな御指示をいただいていまして、実はこれに関して言うと、身体汚染、それから、水の漏えいに関しての話なので、これについては、今一生懸命やっているところです。こういう観点から、今いろんな対策というか、改善点を見つけようとしています。
 それに加えて、やはり一昨日の事例を見ると、やっぱり電気というのは非常に怖いものですから、ここの観点も踏まえてやっていきたいと思います。
 あと、あわせて、それに加えて、場合によったら、過去の災害の事例を見ると、落下等の事案も当然ございましたし、巻き込まれで亡くなった方も大分前ですけれども、ありますので、そういう本当にまずどういうふうな災害を起こさないようにすれば、どういうふうな対策をとれば、どういうふうな災害がなくなって、それに対して、どうやったら作業員さんを守れるかというふうな観点で、まず見たいと思いますけど、まず、対象とする災害というのをイメージをして、それに対して、ここにあるような背後要因等を探りながら、対策を打っていきたいというふうに思っています。
○伴委員 作業の特性で分類するというのももちろんなんですけど、先ほど松田が申し上げたように、もうちょっと違うところにもヒントがあるかもしれなくて、結局、いつもとちょっと違う、いつもと担当者が代わった。いつもと、それこそバルブの状態が違っていた。半ばルーティーンでやっているんだけれども、ちょっとだけ状況が変わっていたというようなところに結構落とし穴があったりするんですよね。
 だから、そういう作業の種類だけではなくて、もっと本当に幅広に原因を求めて、いろんな可能性を徹底的に議論すべきだと。
 徳永先生、そういう観点でよろしいですか。ということだと思います。
○小野(東電) 分かりました。小野でございます。
 今おっしゃられた観点については、さっきも申したとおり、汚染水を扱っているところとか、場合によったら高濃度の、例えば硝酸とか、そういうものを扱っているような作業、内包しているものがやはり非常に危険なものだというところに関してのものについても、既にそこら辺の検討はやってございます。
 どうしても我々は、作業とか、要はどういうリスクがあるかということをまず確認をしてから、そういうアプローチを取ってきているというのが実情でございますので、それはそのままの流れでやらせていただいて、それに加えて、まず、さっき言ったような、例えば、関連というか、電気関係のリスクはないのかとか、そういうふうな形で見ていきたいなと思っています。
 なぜそういうことを言っているかというと、どうしてもこれはグループ分けがそうなってございますので、ここで全部一括でワーッとやってしまうと、多分訳が分からなくなってしまいますので、そこは少し交通整理をしながらやらせてもらえるとありがたいなと思います。
○伴委員 今後、その具体的な中身はここで共有していただきますし、実際にパフォーマンスが上がっているということを見せていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小林技術参与 福島第一規制事務所の小林ですが、一つよろしいでしょうか。
○伴委員 お願いします。
○小林技術参与 ちょっと私から、一つぜひお願いしたいんですが、今回の4件を見てみますと、実際の、例えば増設ALPSですと、洗浄作業、本当の処理の前のフラッシングですね。ある意味、清掃。それから、HTIですと、本当の弁の点検の前の準備段階のフラッシング。それと、増設雑固ですと、本当の焼却の前にため込んでいる事前の準備というか、廃棄物の取扱い、それから、M/Cの部分で言うと、本当の修理作業の前の表層剥がしということで、結構本当の作業の前の準備段階、計画の前の、その計画の前段階で落ちているような、手前側で落ちているということが起こっています。
 ですから、東京電力には、危ないところに向かって視点を持っていくのは、これは大事ですが、今、私がずっと今回の事例を、保安検査を見て、日常監視して見ている中で、結構その手前側ですね。事前準備だからいいだろうというようなところで起こっています。
 同じことをやると深いところに行くんですけれども、ぜひもっと手前側で、実際の現場で、現場の人たちに何が伝わっていなかったかとかを考えてください。
 それともう一つ、今回、M/Cの件は、実は2015年くらいに一度、私が1F室にいたときにも、埋設の配電管で被災して、停電になったことがありまして、その後、ガイドをつくって、こういう作業の前には、実際に敷設状況をしっかり見るということになっていましたが、これが今、数日聞いた話では抜けています。
 ですから、しっかり準備段階で、何をすべきかということを徹底的にやるということ。
 本当の手前側、それを行ってください。それは、コメントとして、今の小野さんの話を聞いても思いましたので、よろしくお願いします。
 以上です。

○小野(東電) ありがとうございます。小野でございますが、手前側でのトラブルが多い。これはそのとおりだと、私も今回の例を見ると、そういうことだと思います。
 実は我々は過去に、特にけがという観点で見たときに、実はけがが多いのは本作業ではなくて、例えば準備段階、さらには片づけの段階。片づけの中でも検査、そういうふうなところというのは意外と、過去に我々は手順書なんかをつくらないでやっていたところがあって、その手順書をやっぱり、そういうけがとかが多かったので、手順書をきっちりつくり込んでやっていこうというのが、今、多分1Fはそれをしっかりやってくれていると思いますけれども、いずれにしましても、そういう手順の中で、少し本作業はちゃんとやっているんだけど、甘く見ているところがないかというのはしっかり見ていきたいというふうに思います。
 今おっしゃられたように、手前側のみならず、片づけの段階、そういうところも含めて、しっかり見ていきたいと思います。ありがとうございます。
○伴委員 この議題について、何か言い残したことはありませんか。よろしいですか。
 はい、じゃあ、ありがとうございました。
 議題の2番目に移りたいと思います。次の議題は、3号機S/C水位低下に向けた気相部滞留ガスに係る対応です。
 3号機のS/Cについて、その耐震性の確保の観点から、水位を低下させるということを目標としていますけれども、そのS/C内の気相部で、実際にそこにアクセスして確認したところ、高濃度の水素を含む1600m3のガスが滞留している、そういう事実が判明しました。
 この水素の取扱いなんですけれども、その特性、それから、高線量であるということを考えると、相当難しい作業になるわけですね。
 4月5日に1Fの技術会合を開きまして、そこで、現在実施しているそのガスのパージ作業について、東京電力から説明を受けて議論をしたところですけれども、現在のやり方だと、全量を抜き取るまでに2年以上の期間がかかるという、そういう計算になっています。それ以外にも様々な難しさがあります。
 今日は、この議題では、パージ作業そのものに係る議論だけではなくて、もうちょっと大所、高所から、滞留ガスの存在について、どうしたらいいんだろう、どうするのが一番いいんだろうという、ちょっと今後の方向性を考える、そんな議論にしたいなと思っています。
 では、まず、東京電力から資料2-1の説明をお願いします。
○松浦(東電) 3号機S/C内滞留ガスのパージ作業について御説明させていただきます。
 資料がかなり容量がありますので、まず、ちょっと1ページ目、目次、福島第一の松浦のほうから御説明させていただきます。
 資料の1枚目をお願いします。目次になります。内容がかなり多いので、まず、目次で概要を、本日説明する内容を御説明させていただきたいと思います。
 まず、目次の一つ目、二つ目になりますけれども、PCV内雰囲気の管理について、あとガスパージ作業の実施状況。これについては、今やっている作業の概要になります。それに併せて、今、設備とか、あと、どういった感じでパージをやっているかと、その辺の考えも含めて御説明したいと思っています。
 3ポツ目になります。ガスの現状のリスクと対策ということで、今、先ほど冒頭で御説明がありましたとおり、ガスが大量に確認されていますので、そこに対するリスクと対策についてどう考えているのかというところ。
 4ポツ目が、それを受けて、今やっているパージ作業に対するリスクと対策の取組についての御説明になります。
 あと、5ポツ目になりますけれども、今やっているパージ作業、先ほど御説明がありましたとおり、長期にわたるという課題がありますので、それに対する対策について御説明ということになります。それを受けたスケジュールと、こういう流れで御説明したいと思っています。
 1ページ目をお願いします。まず、PCV内の雰囲気の管理につきましては、下の図で書いてありますとおり、RPV頂部に窒素封入をして、それをPCVのガス管理設備で抽気をして、PCV内の状況を監視しているという状況になります。
 今現在、S/Cというのが、PCVの左端のほうにガスがあるということが確認されていますので、ここを仮設のラインをつけまして、PCV内、D/W側に入れて、作業を実施しているというところになります。
 3ページ目をお願いします。確認されたガスの性状になるんですけれども、12月当初に、まずは作業を開始していますけれども、そのときにガスは大体水素が約75%、酸素濃度は約1%で、体積については約1600Nm3という形で評価を実施しております。
 パージの抜き方につきましては、今、PCV、D/W側のほうが水位がS/Cに比べて高いという状況がありますので、この水頭差を利用して、D/W側に水素を送り込んでいるという状況になります。
 送り出している経路につきましては、ポンチ絵で描いてありますとおり、既設の計装ラックを経由しまして、その間に仮設の設備を設けて、経路をつくって送気をしているという状況になります。
 参考2をお願いします。5ページ目になります。今使っています仮設のガスパージ設備の概要になりますけれども、ここで御説明したいのは、これでガスのサンプリング濃度の測定を実施しているんですけれども、下の4ポツ目になります。安全対策になりますけれども、可燃性ガス用の機材を使って構成しています。また、金属部品関係ですけれども、計装ラックとかも含めて、設置をして、火花が発生しないような措置を実施して今やっているというところになります。
 次の参考の3-1の1/2、2/2につきましては、今やっているパージ方法の考え方になります。
 このパージ先、今D/W側に送っているんですけれども、量が多いというところがありましたので、建屋内、もしくは建屋外、あとPCV部内、この3択で検討しておりました。その中で、作業員の安全確保とか、あと、既設設備、屋外へ送気するラインがないといったところも鑑みると、PCV内に送気したほうがよいのではないかというところで、今のやり方を選択しているというところになります。
 さらに7ページ目になります。D/W側に送るときに、さらには窒素で希釈してから送ってはいかがなものかといったところを検討したものになります。窒素の封入につきましては、いずれにせよ、S/Cのガスを75%というところがありますので、それを可燃性限界未満まで下げることが難しいといった評価をしております。そのため、今現在のやり方でD/W側に送り込んでいるということになります。
 ただ、これについても課題がありまして、説明がありましたとおり、現状の解除方法だと約3年ほどかかってしまうといったところが課題になっているというところになります。
 続きまして、9ページ目になります。現在、S/Cに約1600Nm3のガスがあるというところがありますので、これに対する影響に対する対応というところになります。
 リスクとして考えているのは、センショウ燃焼というところになりますけれども、3ケースを考えています。まず、S/C内で燃焼するケース、S/Cから建屋へ漏えいした場合、S/CからD/W側へ移行して燃焼した場合と、この3ケースになります。
 S/C内につきましては、今ガスの濃度が、水素が75%、酸素が約1%以下で推移しています。これにつきましては、これまでのパージ約1割ぐらい、160Nm3抜いているんですけれども、傾向としてもほぼ一様と、変わっていないというところがありますので、ここのガスについては、ほぼ一様ではないかというふうには考えてはいます。
 また、ここのガスについては、ほぼ一様ではないかというふうには考えてはいます。
 また、サプチャン内、湿潤環境となっているところもありますので、着火のリスクは低いというところで考えています。
 また、サプチャンから建屋内に漏えいするケースとして2通り考えています。例えば、地震によって漏えいするケース、あと機器の経年劣化によって漏えいするケース、いずれにつきましても、建屋の気密性が、今、低い状況でありますので、長期間水素が滞留する可能性は低いと考えておりますけども、今現在、地震とかが起きた場合は、PCVパラメータを確認した後、建屋の水素ガスが滞留しないということの確認を実施しているとともに、日々の作業の中では、水素の滞留がないかというところを周辺において測定しながら確認を実施しているというところです。
 確認された場合につきましては、建屋内の作業を一時中断すると、そういった措置を行っているというところになります。
 続きまして、補足になりますけども、10ページ目になります。サプチャンの水素滞留ガスが濃度が一様であるかと考えている根拠になりますけども、まず先ほどお話ししたとおり、1.600Nm3に対して、今現在、サプチャンの経路を組んでいる附属配管を含めまして、大体160Nm3以上のガスをパージしているというところになります。
 その結果を示しているのが11ページ目になりますけども、濃度傾向からしても、ほぼほぼ変わっていないというところがありますので、サプチャンの中の滞留ガスの濃度分布は一様ではないかというふうに考えています。それなので、酸素濃度が可燃性限界未満であるというところなので、今後も同様な状況が継続するんではないかというふうには考えています。
 次が12ページ以降になりますけども、次はパージ作業におけるリスクと対策というところになります。
 これについては、パージ作業することによって、ドライエリアの水素濃度とか水位の状況が変わりますので、設備ごとにリスク評価を行ったというところになります。
 まず、サプチャンの内部につきましては、燃焼リスクにつきましては、先ほど御説明したとおりで、可燃性限界未満であるというところがあります。また今度、サプチャンのガスをパージしていきますと、12ページ目の漫画を見ていただきますと、緑の斜め線のところです。ここのガスが減ってくると、水位が上昇してくるというところがありますので、耐震の観点で確認が必要というところがありますけども、基準地震動のほうで一応確認をしておりまして、その際になりますけども、最も荷重を受けるサプチャン支持構造物、これについては条件付ということではないですけども、維持されるということが確認をしているというところになります。
 しかしながら、パージ完了後、満水になりますけども、その後は速やかに原子炉注水低減による、今やっている1号機と同様になりますけども、水位の低下に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 続きまして、サプレッションチェンバからドライウェルへ通じる経路のところになります。ここにつきましては、先ほどの話と同様になりますけども、今、移送しているガスにつきましては、酸素濃度が低いというところがありますので、可燃性限界を保持しているというところです。
 それとあと、先ほど、設備の概要でお話ししましたとおり、このパージ設備、動的機器がないというところと静電気による火花が発生しない措置を実施しているというところで、リスクは低いかなというふうに考えております。
 三つ目になります。ドライウェルの中の燃焼リスクというところになります。
 ドライウェルに送気されたガスにつきましては、ドライウェル内に拡散します。それなので、その状況をPCVガス管理設備のモニタで監視しながら実施していますので、可燃性限界以上になるようなことはないのかなというふうには考えています。
 また、局所的なガスの滞留、これにつきましては、どこかしらインリークがあると想定した場合になりますけども、今、水素の注水箇所は距離が離れていますので、そこが同時に可燃性限界を超えるようなケースはないのではないかというふうには考えています。
 また、ドライウェル内も湿潤環境であるというところもリスクの低減に寄与しているというふうに考えています。
 ただ、最近になりますけども、PCVガス管理設備のファンの上流側で酸素濃度を測定したところ、約2〜3%あるということを確認しています。これについては、今、さらなるリスクの低減ということで、窒素封入量の増加を取り組んでいるというところになります。
 ここについては、引き続きモニタリングのほうを継続して対応していきたいというふうに考えています。
 四つ目のパージ作業によるリスクと対策というところで、Cのほうになります。これは、最後の送気先であるPCVガス管理設備になりますけど、これにつきましても、ガスは水素濃度は、可燃性限界未満になるような形で送気していますので、燃焼のリスクは低いというふうに考えています。
 これらのリスクを踏まえた意味で、安全管理対策として三つの観点で実施しているというのが17ページ目になります。
 まず一つは水素燃焼の防止というところで、扱うドライウェル水素濃度ガス、これについては、可燃性限界より低い運転上の制限(2.5%)以下で管理しているといったところ。
 また、扱っている設備については、着火源となる火花を発生させないようなことを採用しているというところです。
 それとあと、ガスの漏えい防止というところで、これにつきましては、漏えい防止を確認するために、定期的にガス設備本体の漏えい確認を定期的に実施しているというところ、あと、日々の確認の中で、周囲のガスの有無の確認を実施しているというところがあります。
 それとあと、今回、水素濃度だけじゃなくて、クリプトン85ガスという希ガスも確認されていますので、これについては敷地境界の被ばく線量の評価を行った上で実施しているというところ。
 あと、建屋内に滞留することも完全には否定できないので、そこにつきましては、可能性は低いとは考えていますけども、特にガス管理設備の排気口の近辺、ここも定期的にガスの滞留がないということをサンプリング等によって確認を実施しているというところになります。
 次、ちょっと飛びまして、21ページになります。サプレッションチェンバ内のガスパージ作業における課題と対策というところになります。
 今現在、パージ作業につきましては、ドライウェルの水素濃度、先ほど説明したとおり、運転上の制限の2.5%より低い、さらにまた社内運用の警報設定が1.5があるんですけれども、そこよりさらに低いドライウェル水素濃度1%以下で管理するように実施しているというところであります。この場合になるんですけども、大体パージの可能量になりますけども、1週間当たり13Nm3と見積もっております。その結果、1,600Nm3に対してパージ可能性まで31か月かかるといったところで評価しているという形になります。
 そういった課題がありますので、2ポツ目になりますけども、今後、ドライウェルの水素濃度の管理値、あと警報設定値の見直しを行いたいというふうに考えています。ただ、この管理値の見直しについて、すみません、資料のほうが一部、字がかぶっちゃっているんですけども、運転上の制限が2.5%以上を超えないと、あくまでも2.5%以下で実施するというところがありますので、可燃限界はより低いような状況で実施していきたいと、可燃限界を超えない、運転上の制限を超えないという範囲で安全に実施したいというところでやりたいというふうに考えています。
 続きまして、警報設定値の変更も含めて今後の対策の話が23ページ目になります。
 まず、運用上の対策ということで二つ考えていまして、ドライウェルへ送る水素濃度の量を多くするという観点で、今、管理値の見直しを行いたいというところ。それと後で説明しますけども、滞留しているガス、排気量を大きくすることで、工程の短縮を図りたいといったところになります。
 一つ目のドライウェルの水素濃度の管理値につきましては、今、運転上の制限は2.5%、これを満足しつつ、警報設定値は、今、1.5で管理しているんですけど、そこをまず2%に上げたいというふうに考えています。
 また、さらに下に、今、実際、作業で管理しているドライウェル水素濃度管理値1%につきましても、1.75%で見直しをしたいと思っています。
 上げた場合になりますけども、いずれもこの警報設定値の考え方につきましては、運転上の制限、もしくは可燃限界に至るまでに、万が一、窒素封入設備が損傷したとしても、それが十分運転上の制限、もしくは可燃限界に至らないような範囲で復旧できるという根拠の下で設定していますので、その考え方は踏襲しながら、警報及び作業での管理基準の見直しを実施してきたと思います。そこを説明しているのが、すみません、11ページ目になります。
 続いて25ページ目になります。PCVガス管理設備の排気量の増加というところになります。
 先ほどの管理基準の見直しに合わせて並行しながら実施していきたいと思っております。
 今現状は、ガス管理設備の排気量が約22m3というところになります。それで、表の一番上を見ていただきますと、22m3、この場合だと31か月かかるというところがあります。これを例えば、下の枠の1.75%、ドライウェル水素濃度管理値を1.75%まで上げた状況で、ガス管理設備の今の22m3だと、大体約19か月まで短縮できるというところになります。ガス管理設備の実績として、過去27Nm3に上げていますので、その場合だと約15か月短縮できるというふうに考えています。
 ただ、これ以上、27Nm3以上に上げたいというふうに考えているんですけど、これにつきましては、今、運転上の実績がないというところがありますので、ここについては、設備上の対応とか監視方法を検討しながら取り組んでいきたいというところで、なるべく早くなるように工程の短縮のほうを考えていきたいというふうに考えています。
 対策の三つ目になるんですけども、今、説明した対策@、Aにつきましては、今の現状のPCVの水頭が維持されるという条件の下で評価してもらうようになります。先ほどの話でも一部触れましたけども、今後、滞留ガスを抜いていきますと、サプチャン側の水位が上がってくるというところがありますので、水頭差が確保できなくなるという懸念がありますので、そこに備えて対策のほうを検討していきたいというふうに考えています。
 今、二つ考えられると思っていまして、一つは強制的に可燃ガス用のポンプを準備して吸引していくという方法、もう一つはPCVの中の水位を上げて水頭を確保していくというところになります。いずれも課題がありますけども、この辺のほうを引き続き検討していきたいというふうに考えています。
 それを踏まえまして、最後、27ページ目、工程になるんですけども、対策@、水素濃度の管理基準の見直しにつきましては、5月上旬以降に実施していきたいというふうに考えております。
 対策Aについては、先ほどの設備の実績のほうのところも踏まえまして、6月上旬以降から実施していきたいというふうに考えています。
 対策Bにつきましては、対策@の実施状況も踏まえながら継続して検討していきたいと思っています。
 最後ですけども、もう1枚御説明したい案件があります。31ページ目をお願いします。
 キセノン135の管理の見直しというところになります。
 今回、確認されているガスはクリプトンなんですけども、今回、監視しているPCVガス管理施設希ガスのモニタリングにつきましては、課題があります。使っている計器の検出器については、NaI(TI)のシンチレータを使っています。これにつきましては、計器の特性上、クリプトンが増加するとキセノン135の測定値のほうにも影響するというところがあります。
 2種類の影響がありまして、まず、一つ、クリプトン85の光電ピークが上がると、キセノン135のエネルギー領域に重なるようになるため、キセノン135の測定値が増加するといったところがあります。
 もう一つは、散乱成分の影響というところで、これにつきましては、キセノン135の検出限界濃度が増加するというところで、裕度がなくなると、そういった二つの課題があります。
 これに対しての対応になるんですけども、今回のガスパージの作業につきましては、水素濃度だけじゃなくて、クリプトン85の増加についても考慮していて、濃度が低い範囲で実施するというところで進めていますので、キセノン135まで影響するようなところまで濃度を上げる計画はないような形で管理をするというところで実施していますので、その辺の可能性は低いというふうに考えています。
 しかしながら、万が一、この辺の対応についても考えたほうがいいというふうにありますので、その場合は、もし万が一、作業中にこのような警報が鳴った場合につきましては、右のようなフローで対応したいというふうに考えています。まず、パージ作業中であるというところになりますけども、それに伴って作業を停止して、すぐ関連パラメータを確認すると。その結果、継続監視して、クリプトン、キセノン濃度の低下が確認されたら臨界事象ではないという判断をして対応していきたいと思っています。
 これについて検討しているところでありまして、これにつきましては、規制庁さんと引き続き相談しながら対応していたいというふうに考えているところです。
 説明が長くなりましたけども、以上です。

○伴委員 ありがとうございました。
 では、続いて、事務局から資料2-2を説明してください。
○岩永室長 規制庁、岩永です。
 資料2-2の説明をさせていただきます。
 今、東京電力から説明のあったパージ対策ということなんですけども、冒頭、伴委員のほうから大所高所というか、いわゆるこのパージ作業について、どういうふうに理解をして、どの方向に向かって進めていくべきかというのを、いま一度この場で共通認識を持つ必要があると思いましたので、資料を用意させていただきました。
 今、東京電力から説明があったものは、この紙の真ん中のカラムにローマ数字のUのサプチャンの水素をPCVを経由してパージするというところになります。
 特にこのカラムの中の★というところです。これが前回の技術会合までにおいて、パージにおける安全性の確認を、一応現段階では行ったというものでございます。
 このような部分が全体としてのリスクとして見たときに、どこに位置するかといいますと、まず、ローマ数字のTといたしまして、左側です。これは、この気相部に非常に濃い水素があるということを認識するまでに、我々がサプレッションチェンバの水位を下げるということをリスク低減の一つの要素として要求させていただいてきたところでございまして、この状態がどういう状態だったかといいますと、気相部に対して水素が着火する要件や燃える要件がほとんどないというところだったので、これまで事故後恐らく13年、この状態が維持されてきたんだと思っています。
 一方、デメリットとしては、従来どおり、ここに水があることによって設計を超えるサプレッションチェンバが保有できる水をそれ以上持っているということから、いわゆる設計上、耐震性が弱くなるんではないか。ですから、これについて水位を下げてほしいというところを要求してきたところでございます。
 そういったところからいうと、この水素を処理しない限りは先に進めないということで、このローマ数字のUのフェーズに入ってきているのではないかというふうに我々も理解はしているところ。
 この中で、数字のUの部分については、先ほど、上限値、窒素を封入する量や排気量を増やすやり方であるとか、封入した後の制限値を少し上げていくということについては、引き続き、これはサプレッションチェンバの水を上げていくということで、カラムの一番下の横串に並んでいますUの領域におけるいずれの方法においても、水頭圧を使った場合にはサプレッションチェンバの水は増えていきますよと。本来、これは減らすべきものを増やしている状態ですので、汚染水とあと耐震性の確保がさらに重要となってくるということでございます。
 また、一つは水頭圧が効かなくなれば、抜き出しができなくなるということも、これは将来的に現時点で推定できるところ。
 あと、もう一つは、事故当時のクリプトンをPCV側に戻しますので、それが実際測るべきクリプトンやキセノンに対して妨害をしてしまうので、通常、臨界管理に対しての影響が出るでしょうというところでございます。
 そのような論点がUの中には依然としてありますよということを認識すべきかなと思っています。
 Vのほうに行かせてもらいますと、ここは、この状態を31か月程度ということでありまして、@とAの真ん中の対策を取っても、それが半分ぐらいになるわけですけども、それを超えるようなパージ策はないのかということも我々としても考える必要はあるのかなと思って、この領域に書かせていただいておりますが、これも直接抜き出すという観点でいえば、サプレッションチェンバから配管を敷設して、そこから直接外に排気する。もちろん、FPだとか放射性物質の除去は前提になりますが、そのようなことをやることで、非常にスムーズに短期間で行えるのではないかというところ。
 ただし、そのような施設はまだ現状、現場にございませんし、それを準備したり、リスク評価をするのに一定の程度の時間と手間暇がかかるというところで、我々としても、このようなUという今の現状策に対して、両サイドにはこのような状態に挟まれているということが、我々の中では認識しているということで、この資料をまとめさせていただきました。
 説明は以上です。

○伴委員 決して東京電力が今やっていること、やろうとしていることを否定しているわけではなくて、何かやろうとしたときに、これはもうやるしかない。これをやるしかないときに、多分、この方法が一番いいだろうという、そういうちょっとものではないんじゃないかと。そもそも、これは立ち止まって考えたときに、何もしないという選択肢も取りあえず、まず考えてみるべきなんじゃないか。それで積極的に水素をパージするんだという立場がもう一つあり、そのときに今のやり方を維持するということもあるでしょうし、もっと加速するという考え方もあるでしょう。それぞれに、やっぱり長所短所があるというか、リスクを伴うので、どれを取るのが一番妥当なんだろうということを議論したいということなんです。
 ですから、2-2の資料って、これが完璧なものだとは我々も思っていなくて、そういう議論を喚起するための、ごく粗削りな資料だというふうに考えていただきたいと思いますが、その上で東京電力から、いかがでしょうか。発言をいただければと思います。
○新井(東電) 東京電力の新井から回答いたします。
 規制庁さんからお示しいただいた資料2-2の中で、ローマ数字のTが現状だというふうに我々も認識しております。まず、このままでよいかどうかというところが一つ目の論点です。
 こちらについては、今後ですけれども、1号、2号、3号については、燃料デブリの取出しというようなことによるリスク低減も図っていきたいと。その中では、多分、長期にわたるであろうから、長期に耐える環境をつくっていきたいと考えてございます。という観点からすると、サプレッションチェンバの水位を下げて、耐震性を上げるということは、ぜひやりたいというふうに考えております。
 その阻害となるのが水素ガスですので、どの程度急ぐかは論点はありますけれども、Tのまま、このまま行くということは望ましいとは考えてございません。UかVに行くべきだろうというふうに考えてございます。
 一方、Uについては、お示ししたとおり、時間がかかるというのが実態で、改善策も考えていますが、これ以外にローマ数字のVのやり方もないかというところは、もう一回、規制庁さんから問題提起を受けて考え直したところではございます。
 現場的な論点からいきますと、サプレッションチェンバに空気の出し入れをするルートがあるかないかというところが非常に大きなところでして、現状は、今使っている計装の配管以外に使えるものが見当たっていないというところがあります。候補はありますけれども、その候補を使うためには、トーラス室というサプレッションチェンバのある部屋に行って、閉じている電磁弁を開けるように操作をする、ないしは、もしくは新たな貫通孔を設けるというような操作が必要になりますけれども、人が行って操作をするには30mSv/h程度の線量もあり、なかなか今現時点でやるには厳しいだろうと思っていますし、また、新たな穴を開けるということも、ほかの配管ではやりましたけれども、こちらも遠隔装置を使ってやるにはかなりの準備期間も必要ですので、ローマ数字のUよりも短縮できる見込みが、今はなかなか難しいかなと考えており、我々としては、やるべきではあるけれども、Vの新たな手段が見当たらず、今はUを中心に考えているというのが実態かというふうに考えてございます。
 以上です。

○伴委員 ありがとうございます。
 規制庁、いかがでしょうか。
○岩永室長 規制庁、岩永です。
 この件、非常に悩ましく難しいということで、伴委員からも、ここにパーフェクトなことを我々も書き切れていないというのが現状です。
 ですが、例えばローマ数字のUについて検討していくに当たっては、Aの領域に入ってくると、やはり我々が今まで死守してきてというか、いわゆる運転条件として定義してきたルールに、制限値に近接していくというところはリスクとしてきっちり評価して、そのリスクがちゃんと見合うものなのかというのを検討しないと、向かっていけないなと思っています。
 特にこれは75%の水素を、多分、PCVの下部から入れますので、一定程度の体積の中に水素が入っていきますが、それが出ていくまでに、きっちり拡散して薄くなっていくかというのが、これは恐らくやりながら数値を見ていく必要もあると思うんです。
 ですので、今、改善策が6月からというふうに示されているところは、少なくとも内容をもう少し定量化していかないと、進んでいかないのかなと思っています。
 今の感想は、そんな感じです。
○伴委員 結局、平均濃度だけで語れないだろうと、局所的な偏りが生じてしまうことは否定できないのではないかという懸念があって、そうしたときに、じゃあ、局所で万が一何か起きたときに、どれぐらいの被害が発生するのかというような、そんな検討も必要になるんじゃないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
○新井(東電) 東京電力の新井から回答いたします。
 まず、局所的な偏りをあるかないかを把握するのが、まず第一歩だと思っております。
 ここは若干我々も反省すべきところがあるのは、ガス管理設備の出口側で、今、酸素濃度や水素濃度を測っているんですが、長期的なトレンドを改めて見返してみると、至近で事故後の当初の段階ではインリークは少なかったんですけれども、途中段階からインリークをし始めていると。大気をインリークした状態のガスを、今、モニタリングしているので、トレンドだけを見ると、変化の兆候がどこにあって、何が起きているかというのを判断するのが難しくなってしまっているというところもありますので、まず、第一歩としては、インリークの手前側に検出器を新たに設けて、しっかりとトレンドを把握すると。その上で変化を与えても問題がないかというところをウオッチをするということをやっていきたいので、変化を与えることもやりますけれども、ウオッチをするというのと並行して、危険なゾーンに行かないことを見ながらやっていきたいと思っております。
 それから、万一の被害のところですけれども、これは仮定のやり方次第で結果は変わってきますけれども、以前に1号機のペデスタルの評価のときにもやりましたけれども、考えられる範囲で大きな影響がないというところの押さえは何らかやりたいと考えてございます。ちょっと、今、具体的なアイデアはありませんけれども、今後、また相談させていただきたいと考えてございます。
○伴委員 ありがとうございます。
 ほかにありますか。
 どうぞ。
○佐藤総括審議官 規制庁の佐藤ですけど。
 今ので補足すると、僕とかは、水素燃焼は多分局所的に起きるということで、やっぱりそれに伴ってダストが舞うというところをですよね、リスクとして考えるのは。その辺りも少し評価をしていただいて、先ほど、ペデスタルの話をお話をされていましたけど、その部分だと思います。それこそ水素燃焼で建物が全部燃え上がるとか、そういうことではなくて、あるならば、そういったダストが舞って、それが外に出ていくのかどうかというところだと思いますので、そこは留意していただきたいと思います。
○岩永室長 岩永です。
 今の佐藤審議官からの補足に加えて、今、先ほどの説明の中にPCVの中が非常に燃えにくい状態であるという御説明もありました。我々、これまで1Fに限らず、いわゆる新規制基準の対象プラントでも、いわゆる爆轟条件ということを前提に管理をするということは非常に重要だと思っていまして、この中にある湿気である水蒸気、あと酸素、水素、この組合せをしっかり管理する、先ほど、ウオッチするとおっしゃったところは、いろんなものを見るよりは、まず、それが最先決であり、かつ、それが局所的にしか燃えないというのは、まさに審議官がおっしゃったようなところは、それで証明ができます。ですので、今、出口であっても、そのような三つのパラメータをしっかり押さえるというところから入ることが、変化に対しても追従できるような管理の方法になると思いますので、ぜひ、その辺を速やかにやっていただくというのが肝要かと思っています。
○伴委員 ほか、規制庁からよろしいですか。
 どうぞ。
○市村技監 規制庁の市村です。
 この水素の議論というのは、今、議論していても、結構難しくて、議題1と比べて、議題1のほうは少なくとも今起こっていることは分かっているべきであるリスクを押さえられていなかった、あるいは顕在化させてしまったという類いだと思うんですけど、こっちの水素の話は、やっぱりアンノウン・ファクターが大きくて、本当にリスクが捉えられないもの、定量的にという議論が今もありましたけれども、なかなか定量的に議論を捉えられないものというのが多くて、それだけに難しい議論なんだと思います。
 そういう意味では、もう既にされているのかもしれませんけど、より水素を専門的に扱っておられる水素メーカーであるとか、ユーザーであるとか、学識経験であるとか、もっと我々の知見の及ばないところで、より高い知見を、75%の水素ということなので、非常に高い水素ですから、より専門的な知見というのを活用できるところがあるんじゃないかと思うんですけれども、その辺りというのは模索をされている、あるいは活用されているのかどうかというのをお聞きしたいと思います。
○新井(東電) 東京電力の新井から回答いたします。
 現状は、どちらかといいますと、今できる対策を優先に考えておりましたけれども、規制庁さんからの問題提起も踏まえて、水素の在り方、75%以上のものの扱い等については、関連するところに御意見を聞こうという、今、動きを始めたところです。まだ結論には至っていませんけれども、そういう活動を続けていきたいというふうに考えております。
○伴委員 よろしいでしょうか。
 では、外部有識者の先生方、いかがでしょうか。
 井口先生、どうぞ。
○井口名誉教授 元名大の井口です。
 私のほうから1点の質問と、1点コメントをさせていただきたいと思います。
 一つは、今回の報告書の中で、S/C内の滞留ガスの濃度が一様であるというような、そういう前提条件というか、仮定されているんですけれども、もともとS/C内には水があって、その中には大量の放射性核種が入っているわけなので、水の場合は当然放射線分解が起こるわけですよね。そこから例えば水素とか酸素のラジカルが発生して、それが定常的に供給されている状況を想像するんです。今回、まずは測定された滞留ガスの濃度が水素は75%、酸素が1%というふうになっていて、これは分析結果で正しいかと思うんだけれども、何でそういうことが起こるのかというのがちょっと分からないということと、今、調べてみると、水素の発生のG値と、それから酸素発生のG値だと、4対1か5対1かなので、10ページですか、表に示された1号機のほうの水素と酸素の割合というのは、これは非常に妥当だと思うんですけれども、3号機の水素と酸素の割合は非常に不自然に思うんですが、その辺りはどんなふうに評価されているのですか。それから、これはコメントですけれども、今回、資料2-2で幾つかオプションが書いてあって、東京電力さんのお話を聞いていると、なるべく早くPCVから水を供給して、S/C内の水位を上げて、今のガスを押し出すという、そういう状況になると思うんですけれども、全部を押し出したときというのは、S/C内が水で満杯になるわけですよね。そうすると、そういう状況というのが望ましくないのであれば、その後、PCV内の水位を低下させて、S/C内の水位を低下させることになるわけですけれど、リスク評価としては、その後の段階の作業を連動させて計画を立てないといけないのではないかと。特に、今ある滞留ガスを押し出したところはいいんだけれども、その後で下げていくと、また、先ほど言ったように、今ある水頭から、あるいはPCV内からいろんなガスがS/C内に入ってくるわけですので、そこは置換しないといけない。
 そういうようなことも含めたような作業計画をつくらないと、片手落ちではないかという気がします。その2点について何か回答をいただけるとありがたいと思います。
○新井(東電) 東京電力、新井から回答いたします。
 まず、1点目、ガスの濃度の関係でございます。
 3号機のサプレッションチェンバについては、今、測っている上層部のガスにはなりますけれども、水素が多量に入っていて、それ以外は多分概ね窒素だろうと推定してございます。それ以外にも僅かではあるものの、酸素1%、それからクリプトンというように酸素より重い元素も一定程度確認されており、つまり気体は全く上が水素のみ、下に重いものが沈んでいるというような分離をしているのではなく、一定程度混合しているんだろうというふうに推定してございます。
 また、あと、36ページにグラフが記載してございますが、こちらは2011年の事故以降、ロングレンジでのトレンドを描いてございます。この中でのオレンジのものが水素濃度なんですが、水素濃度はマックスでも0.25%程度というところで、非常に酸素の量と比べれば低い量を長期的に維持しております。
 これは何を申しているかといいますと、水の放射線分解の量は全くないとは言いませんけれども、大分少ないだろうというふうに考えてございます。
 この理由としては、ちょっとページが飛びますが、10ページに他の系統の水と3号のサプレッションチェンバの水質が記載してございます。セシウムの量を比較しますと、例えば、1号機のRCWですと、水素と酸素が両方検出されました。ここの水の濃度は1010Bq/L、一方で3号のサプレッションチェンバはそれより2桁低い数字ですので、これは想定になりますけれども、セシウムの濃度が低いことにより、水の放射線分解が発生しにくい環境だったんではないかというふうに推定できるのではないかと考えてございます。
 一方、後段のほうですけれども、御指摘のとおり、ガスパージが終了しましたら、水位を低下させたいというふうには考えてございます。こちらについては、現状、注水量を抑制すると水位が下がる傾向であるということが判明しておりますので、注水量を絞り水位を低下させるということを今、考えてございます。
 こちらは1号機も同様のサプレッションチェンバに水位が満水になっているんですが、1号では既に注水を減らすことにより、水位低下は今実施中でございます。3号機も同じようにパージが完了したら速やかに注水量低下による水抜きを開始したいというふうに考えてございます。
 以上です。

○井口名誉教授 ありがとうございました。
 要するに、水の放射線分解は気にしなくていいというか、そう影響はないということなんですね。もともとたまっていたガスを抜いてしまえば、あとは外部からの置換ガスで全部置き換わるという、そういう状況になっているということですね。
○新井(東電) バランスとしてはそうだと考えております。
○井口名誉教授 了解しました。
 あとは水位を上げたり下げたりするというのは、これは従来から検討されていることだと思いますので、ぜひ、そこも含めた作業計画については示していただけるとよいかなと思いました。
 以上です。

○伴委員 ほかにいかがでしょうか。
 オブザーバーの方、何かございますか。
○宮原福島県原子力対策監 福島県、宮原ですけれども。
 議論の喚起ということで、少し自由に発言させていただきます。
 規制庁の提案で三つ目のものと、それから東京電力の資料の7ページ目に四つのオプションがあって、それで@が選定されているということですが、やはり、パージという言葉からすると、窒素ガスでパージして水素を追い出すというのを最初に抱いてしまう。それがこの水位で押し出すというのよりは能動的に管理しやすのではないかなというちょっと先入観を持っています。
 その場合に、このB-2で、一つの配管で押し出す、パージしていくということが、このインとアウトを一つの配管で扱ってしまうので、なかなか進まないというデメリットが書いてあると思うのですが、これは作業が伴って困難だという御回答になるのだと思いますけど、例えば、この一つの配管のところを二重管にするとか、それでインとアウトを区別するとかというようなことも頭の体操としてはあるのではないかなと思った次第です。
 以上です。

○新井(東電) 東京電力の新井です。
 B-2で二重管にするというアイデアも概念としてはあろうかと思っております。実態として、今使っている配管は小径の計装配管ですので、小径の計装配管に二重管を入れてしまうと、ちょっと詰まりぎみになってしまうので、実現性があるかどうか、ちょっと難しいとは思いますけれども、概念としてはそういうところも含めて考えていきたいと思います。
 以上です。

○田中委員 すみません。先ほど聞き忘れたんですけども、新井さんのほうからはというか、まず、私としては、ドライウェルの中の濃度分布が一定なのかとか、ローカルなところで変なことが起こらないのか気になるんですけど、先ほど、新井さんのほうからインリークというのがあったので、これはどの部分に、どういうふうなガスがインリークするということを考えているんでしょう。
○新井(東電) 東京電力の新井です。
 インリークについては、概念的には右下2ページの図を見ていただきたいと思うんですけれども、今、測定されている酸素濃度をベースに申し上げますと、ガス管理設備の上流側、格納容器の中では最大でも3%の酸素がございます。一方で、ガス管理設備のファンの下流側では7%程度の酸素がありますので、まず一つはファンのところで軸部から大気がインリークしている。これは明確にあろうかと思ってございます。それに加えて、PCVの中で3%未満とはいえ、酸素濃度があるということは、どこからか入ってきているだろうというふうには考えられます。こちらについては、窒素封入とガス管の流量コントロールで、我々、制圧、微制圧を目指そうとしていたんですけれども、もしかしたら、均圧もしくは負圧の時期があるのかもしれないと。じゃあ、そこのインリーク箇所がどこかと言われると、まだ明確には分かっていないという状況かとは思っています。
 ただ、大きな流れとしましては、窒素封入を圧力容器の中に入れて、そこから格納容器の中に拡散させるようなやり方を取っていますので、あまり局所的に高濃度の酸素があるような可能性は低いんじゃないかとは思っております。
 以上です。

○田中委員 大体分かりました。また、これからもだんだんと装置のいろんな劣化等があると、またインリークの量とか場所とかが変わるか分かりませんので、しっかりと見ていただきたいなと思います。
○伴委員 本件につきましては、ほかに御発言はございますでしょうか。よろしいですか。
 では整理したいと思いますが、取りあえず、今日の議論を通じて、この問題が難しいということは共有できたかと思います。
 今後、加速化の可能性について技術会合で議論をしていきたいと考えておりますが、取りあえずは少しでもパージを進めるために、現在の作業を十分に注意した上で、パラメータを注視しながら進めていただきたいと思います。万が一、パラメータに有意な変化が生じたときは立ち止まって、しっかりチェックした上で、大丈夫ということであれば、また再開すると、そういう注意深いアプローチを取っていただきたいと思います。
 では、以上で議題の2を終了いたします。
 ここで一旦休憩を入れたいと思います。10分間休憩をして、その後、再開いたします。
 では、休憩に入ります。

 (休憩)

○伴委員 それでは再開いたします。
 次は議題の3番目、固体廃棄物の分析計画の更新についてです。
 この議題は、3月に東京電力が2024年版として更新した固体廃棄物の分析計画について議論を行うものです。
 この固体廃棄物の安定的な保管というのは、1Fにおいて大きな課題になっていますけれども、相当量の固体廃棄物をきちんと分類して合理的な形で保管をしていくためには、綿密な核種分析、これを系統的に行う必要があります。この問題について、今日は今後の論点などを明らかにできればと思っております。
 では、東京電力から説明をお願いします。
○金濱(東電) それでは、資料3-1を用いまして、廃棄物対策プログラムの金濱のほうから御説明させていただきます。
 固体廃棄物の分析計画の更新ということでございます。
 1ページを御覧ください。資料の構成ですが、初めの2枚で概要としてまとめておりまして、それ以降は3月28日に公表してございます資料を再掲してございます。
 1Fの固体廃棄物の分析計画の更新ということでありますけれども、昨年度策定いたしました分析計画を更新してございます。1Fにおける廃炉作業の進捗状況や1Fの技術会合において固体廃棄物に関する課題の議論の状況、また、実際の現場の作業状況、試料採取の状況等を踏まえて分析計画を更新しております。今日は資料が多いため、ここの2枚の概要についてまとめて御報告させていただきます。
 更新のトピックスといたしましては、中期的な目標・課題に基づく分析ニーズを反映した点であります。1Fの固体廃棄物に係る下に示してございます三つの課題、これに対応した分析を優先して実施するものでございまして、必要となる分析データ、時期を整理して計画に反映してございます。
 この四角の枠で三つくくってございますけれども、これは1Fの技術会合にて掲示して議論いたしましたもので、技術的な課題・目標、この結果を踏まえまして、規制庁さんのリスクマップに反映されてございまして、これを用いまして、課題としてはお互い共有と共通の認識であるというふうに考えてございます。
 まず、一つ目が、解体モデルケースの検討ということで、28年度目標ということですが、建屋の解体に伴いまして発生します廃棄物量、これは多くなりますので、将来の解体に向けてその発生量を抑制できる合理的な解体方法を構築するための分析がまず必要だろうということ。
 二つ目、瓦礫の放射能濃度管理手法を移行するということで、構築のために必要な分析ということで、合理的な保管方法の検討、再利用ですね。あと処分方策の検討、これらに対する基準適合性を管理するため、放射能濃度による管理へ移行する必要があるため、この必要な分析が必要となりますということです。
 三つ目、水処理二次廃棄物の固化処理の方針を決定づけるために行う分析ということで、特に大量の水分を含みます保管上リスクの高いALPSスラリー、これにつきましては、早期に処理を行い、安定的に保管できる状態に移行させるための分析が必要だと、こういうところに基づきまして、分析計画を見直し、反映してございます。
 優先にして進めるべき分析については、早期に実施するものとして具体化した一方、対応に緊急性の低い分析のものについては時期をずらしてございます。全体計画の見直しを行いまして、年度ごとの分析数は2028年度までに250試料というふうに考えてございまして、29年度以降は400試料に増やすことを考えてございます。これにつきましては、通し番号でいいますところの12ページに棒グラフとしてまとめてございます。
 29年度以降の分析数の増分につきましては、それに対応できるように総合分析施設の設置や人材育成を進めていきます。
 次、2ページです。分析体制構築に向けた取組状況ということで、こちらに施設と人材に対する取組を書かせていただいてございます。
 JAEAが研究開発した方法を用いまして、東電が主体的に分析を進めることを基本とし、これに向けてJAEAが放射性物質の分析・研究施設第2棟の設置、東電が総合分析施設の設置、また人材の育成・確保を進めているところでございます。
 ただし、東電におけます分析体制の構築には一定の期間を要するため、当面の間、JAEAさんのほうに社外分析機関における協力を得ながら廃棄物分析を進めてございます。また、NDFさんからの技術支援やエネ庁さん、JAEAによる育成支援を受けることなどオールジャパン体制で分析体制の構築に、今、取り組んでいるところでございます。
 23年度の体制構築に向けた東電の取組実績としては、下に書かせてもらっている三つのことをやってございます。
 先ほど言ったオールジャパン体制の分析体制の構築につきましては、通し番号で言いますところ20ページ、21ページに詳細をまとめてございます。
 報告は簡単ですが、以上になります。

○伴委員 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に対して事務局から指摘などありましたらお願いします。
○元嶋専門職 説明、ありがとうございました。規制庁、元嶋です。
 分析計画については、昨年度の技術会合での議論を踏まえて主に三つの分野、建屋解体物と瓦礫類と、あと水処理二次廃棄物というところで項目分けをして、今後10年間の分析の数についてグラフという形で分析の計画が示されたというところで、具体的な中身については、今後、技術会合で確認させていただければと考えています。
 具体的には分析の数もそうなんですけども、その前提として何のために分析をするのかという考え方があって、それを達成するために必要な分析数というところがあって、その分析数というところが適切に分析を行っていけるだけの体制がきちんと整備されていくのかというところを並行して見ていくということなのかなと思っていて、技術会合の中では、基となる分析の考え方というところをまず押さえつつ、並行して試料の確保や分析の計画、体制の整備が適切になされていくかというところも、そことひもづけながら確認していくような形が取れればと思っています。
 この場で大きく確認したいことが幾つかありまして、まず、資料の9ページですかね、2023年の分析実績というところを示していただいておりまして、我々は昨年度リスクマップを改定しまして、固形状の放射性物質について、引き続き優先して取り組むべき分野として性状把握及び適切な処理のためにマイルストーンを設定して、10年先に向けてこういうことを達成していくという姿を描いていて、それが13ページのほうの資料の中でも掲載していただいておりますが、この2023年の分析実績というところとリスクマップ上のマイルストーンというところの関係というのはどうなるのかというところを把握したいと思っておりまして、具体的には立てていたマイルストーンに対して去年の実績というところが進捗があったものであるのかどうなのかというところ、まだ、そこまで具体的な進捗というところではなく、さわりの部分ということなのかもしれないですけれども、ただ、実績を見ると、計画からずれてきている部分とか、計画より多く分析している部分とか、計画に対するばらつきというのも見られると思うので、そこが進捗としてどうだったのかというところも含めて、今、ここで言える範囲で何かしら情報を示していただければと思います。
 すみません。よろしくお願いします。
○増田(東電) 東京電力の増田です。
 それでは、ただいまの御質問について回答させていただきたいと思います。
 通し番号で9ページです。こちらで昨年度の分析の実績を表にしてまとめておりますが、昨年度は通常の廃棄物の性状把握を目的とした分析と、あと、大熊1棟のほうで分析技術開発の技術検証を目的にした分析ということで、大きく二つの目的で分析しております。
 そのうち性状把握を目的にした分析につきましては、こちらは計画と実績ということで比較をしておりまして、計画63に対して実績62ということで、合計数としては概ね計画どおりなんですが、内訳は大きく変わっています。これは瓦礫類について大熊1棟の分析、技術検証、そちらのほうに試料を回した関係で、全体として分析数を見直したという形になっております。
 昨年度の実績とリスクマップの関係につきましては、それぞれ解体廃棄物、瓦礫類、水処理二次廃棄物ということで表で並んでいるんですが、こちらのほうがリスクマップのほうと対応していまして、リスクマップが通し番号で13ページにありまして、a、b、cということでマーキングしておりますが、リスクマップ上のこのa、b、cの箇所が特に分析データが不可欠だと考えた箇所ということで、ここに対応する課題として、上にa、b、cということで箱書きで書いていますが、解体廃棄物に関するもの、あと瓦礫類、あと水処理二次廃棄物ということで、これがこちらの9ページの表と対応するような形になっています。
 それぞれのこのリスクマップに対応した検討に資することを目的に分析を進めたということになりますが、昨年度、何が分かったのかというところにつきましては、まず、解体廃棄物と瓦礫類につきましては、分析数がかなり限られていた、それほど多く取れていませんので、これまでのデータを補強するような形、データ数は増えているんですが、例えば、新たな新しい傾向とか、そういうものが確認できたというところまでは至っておりません。
 一方で、水処理二次廃棄物、吸着材、こちらはALPSの吸着材になりますが、一つトピックとしましては、銀ゼオライトの分析をしていまして、ヨウ素129ですね。これはかなり今後の処理処分方策の検討とか、影響の大きい核種ですので、どれだけ吸着されているのかというところは非常に注目していたところですが、こちらのデータが取れまして、おおよそオーダーとしてはセシウム、ストロンチウムと同じぐらいの濃度です。それほど突出して高いというわけではないんですが、やはり、それなりに含まれているというところが確認できましたので、銀ゼオライトのそういった今後の対応、処理処分方策、保管管理等も含めて、そういったところを検討するためのデータの蓄積が進んだというふうに考えております。
 以上になります。

○元嶋専門職 説明、ありがとうございます。
 状況について理解しました。引き続き分析を進めていただいて、その結果を含めた先ほど申し上げた考え方であるとか、分析結果の活用方法であるとかを含めて、瓦礫というか、廃棄物の種別を確認させていただき、それを分析計画に反映していくというところをコミュニケーションを取りながらやっていければと思います。
 少し、すみません、論点、ずらしますけれども、分析の体制という部分についても、少し分析計画全体としての確認というところをさせていただきたいと思っておりまして、東京電力さんの資料の1ページ目から2ページ目に体制をどのように拡充していくかというところの方針というのが記載されていると理解しています。
 1ページ目に、2029年度以降の分析数の増分に対しては総合分析施設、自社で設置されるもので対応できるように人材育成を進めていくというところ。分析体制全体としてはJAEAさんのほうで研究開発した方法を用いて東京電力が主体的に進めるというところで、今、既に活用されていると思うんですけど、1棟に含め2棟と、あと総合分析施設も活用していくという、そういう見込みなのかなと思っていて、少しここの部分について具体的に確認したいと思っているのは、1棟とか2棟とか総合分析施設とかというところで、具体的に何を分析して、どういうふうに振り分けて分析を進めていくというふうに考えていらっしゃるのかなというところをお聞きしたくて、分析計画の全体のグラフの推移等見ると、2029年度から1・4号機解体廃棄物の分析数が飛躍的に増えて分析数全体として増えているような状況もあるので、総合分析施設、解体廃棄物の分析を中心にやっていくのかなとも思いつつ、その辺をどういうふうに振り分けながらコントロールして分析を行っていく予定なのかというところを、もう少し具体的に状況を把握しておきたいというところもございますし、あとは東京電力さん社内の体制についても、昨年の監視・評価検討会で示していただきましたように、分析に対する者というのは拡充して、体制を強化していくというようなところを示されていたと思うんですけれども、そういった方の採用とか教育した方というのは、各分析施設、1棟なり2棟なり、今後、運用開始予定の総合分析施設、どういうふうに配置して分析を滞らないように進めていく予定であるのかというところを、もう少し具体的に、今、考えられていることというのを教えていただければと思います。
 すみません。長くなりましたが、お願いします。
○金濱(東電) 廃棄物施設(については)、金濱のほうからお答えいたします。
 具体的にどこの施設で、どういった分析をしていくかというのはこれからでございますが、概ね、まず、我々の分析施設、立ち上がった当初は、そんなに高度な分析ができないかもしれませんので、まず、数物といいますか、瓦礫類の数が必要な分析をまずやるとか、そういったところを今後これから行います分析の結果を踏まえながら考えていきたいというふうに思ってございます。
 全体の東電のこれからの人材育成に向けてということで、実績のほうは2ページに書かせていただいてございますが、21ページに示したとおり、前々から御説明しております人材育成のレイヤー、こういった体制を構築すべく、今、人材を教育といいますか、育成をしているというところでございます。
 それにつきましては、繰り返しになりますけれども、東電だけでは力不足といいますか、足りませんので、JAEAさんとかNDFさんのお力を借りて、また、エネ庁さんのお力を借りまして、こういった体制に向けて取り組んでいるというところになります。
○元嶋専門職 規制庁、元嶋です。
 説明、ありがとうございました。状況について理解しました。
 今、おっしゃっていたように、分析をしながら、結果を見ながらでないと、どういうふうに人材配置を含めて、手綱を引いていくかというところは難しい状況なのかなというところも理解しますが、一方で、分析を進めていく中で、人だったり、必要な分析だったりというところが足りないといった場合に、手戻りが生じるようなことがないようにあるべきではないかなと考えておりまして、27ページのほうに分析対象核種の一覧というところも示されていますけれども、これも全て一様にこれらの核種について分析するということではなくて、優先核種を順位づけて、優先核種についてはやって、その他の分析対象核種については、廃棄物の種別に必要なものは分析していくという形なのかと思いますけれども、この分析対象核種ありきで分析を行うということになると、分析を進めていく中でこれ以外の核種について分析が必要となった場合、手戻りが生じるようなこともあり得るかと思いますので、27ページの分析対象核種については、前段として手戻りが生じないためにきちんと確認していく必要があると思っており、この部分についても核廃棄物について技術会合で詳細を議論させていただく中で並行して確認させていただければと思っています。
 ちょっと長くなりましたが、私からは一旦以上にさせてください。

○田中委員 今、手直ししますと話があったんだけど、分析の確認核種についても技術会合等で、また、特定原子力施設から発生するものですから、普通のものじゃないということも我々は認識しながら議論したいと思います。
 1個、気になりますのは、1ページ、2ページで話があったんですけども、これまでも分析施設のこととか人を本当にどう確保するのかで、結構苦労されているというのは、ずっと我々も理解しているんですけども、廃止措置をしっかりやっていくために、分析は非常に重要なものであって、リスク低減マップにしっかり書いているんですけども、今までの経験したいろんな問題とかも認識しながら、今後、施設とか人材確保のどういうふうなところに留意して、あるいは問題点を解決しながらやっていこうとしているので、もうちょっとその辺のところを聞かせていただきたいんですけども。
○金濱(東電) 東電、金濱でございます。
 先生、御指摘のとおり、特に分析の要員というのは、なかなか前から人材を育成する、新人もそうですけれども、どちらかといいますと、もう既に技術をお持ちのベテランの人材の方に、今、お声をかけて、お力を貸していただけないかというような活動もしてございますし、また、エネ庁さんを含めまして、NDFさんを含めまして、いろんなところに分析の人材のお声がけをさせていただいていまして、そういったところから、今、草の根活動的なところも含めまして地道にやっているというところでございます。
 あとは会社全体といたしましても、化学の分野の要員、新しい学生さんとか、そういったところの雇用もしっかりと取り組んでいるというところでございますので、そういったところを、少しずつですけども、この計画に間に合わせるために人材育成のところもしっかり取り組んでいるというところでございます。なかなか一長一短にはいかないんですけども。
○田中委員 そういうふうなことで、地道にやっていることは理解いたしました。地道にやった結果が見えるように少しずつ見させていただけたらと思います。
 以上です。

○金濱(東電) しっかり御報告させていただきながら進めさせていただきたいと思います。
○伴委員 ほか、いかがでしょう。
 どうぞ。
○松田室長補佐 すみません。規制庁、松田です。
 私、1点だけ。今日、お示しいただいている情報というのは、まだ検討段階のものだと思うんですが、今後、データ整理されていって、ルーチンとして分析が進んでいく中で、データの代表性という観点から、どういうグループから、どうサンプリングしたものがこのデータになっているのかというのは、今は説明されなくて結構なんですけど、今後、そういうものも併せてちゃんと説明をしていただいて、初めてどういう意味のあるデータになるかということが認識できると思いますので、そこは併せてお願いいたします。
○増田(東電) 東京電力の増田です。
 代表性に関しましては、やはり実際に取れるデータ、取れないデータとか、そういうところもありますので、例えば、取れる範囲であれば、どこまで説明できるのかとか、そういうところも含めて、きちんと論理的に代表性といいますか、その数値がその評価の目的に対して妥当であるということを示していくような説明をするように整理のほうは進めていきたいと思います。
 以上です。

○大辻管理官補佐 規制庁、大辻です。
 1点だけコメントで、先ほど元嶋からあった体制とか人材がニーズや計画に対して十分なものであるのかということも、今後、議論していきたいという点について、今日、東京電力からの資料で22ページに総合分析施設を2020年度代の後半竣工を目指すということを書かれていて、これが本当であれば、もう設計や計画って相当進んでいるはずで、実施計画の変更申請というのもそろそろ多分視野に入ってくるというような段階じゃないかと思うんです。なので、ニーズや計画というのがどのような考えで出されていて、それが満たされるような施設になっているというところが、我々も理解をしていきながら議論していきたいと思っていますので、そんなにのんびり議論していくようなことじゃないんじゃないかなと思っていて、いろんな廃棄物があるので、多岐の分野の東京電力の中でもいろんな部門の方が関わられているんじゃないかなと思うんですけど、ぜひ、より具体的に技術会合で議論をできるように御準備いただければなと思います。これはコメントです。
○金濱(東電) その辺はしっかりと分析計画の今後の申請を含めてしっかりと相談させていただきながら進めたいと思います。ありがとうございます。
○伴委員 ほかに規制庁から、どうぞ。
○澁谷企画調査官 原子力規制庁、澁谷でございます。
 あと、先ほども出ていましたけど、核種の選定の妥当性というものは、全体の話をする中では非常に細かいので、技術会合に落ちると思うので、資料の後ろのほうにでも今後つけていただければと思います。
 それで、1点、コメントなんですけども、出てくる核種がどうしても違和感があります。
 それは今まで原子力施設で埋設で使っている核種とちょっと異なっているなと思います。
 特に一番違和感があるのは、ALPSの処理水で選定したときの核種とやっぱり大分違うというのがあって、3分の2ぐらい入っているけど、3分の1ぐらい入っていないとかあります。
 原子力施設と違うとかというのは、当然、原子力施設全体で考えるときはPWRも考えているので、いろんな核種が入ってくると。
 一方、ALPSのときは非常にちゃんとやったと思っていて、東電の1Fで使っているような材質や何かを徹底的に抽出して、あとは燃焼度とか、そういうのも考えて、一から全部どんな放射化がありそうかというものも考えて核種を最終的に選定していったという経緯があります。大分技術検討会でもぎりぎりやったんですけど、なので、多分、途中までは同じで、放出のときは、例えば、短半減期核種の影響があるからあるけど、例えば、埋設では短半減期核種を切ったとか、理由は当然あって変わってくるのは分かるので、そこが見えるようにしていただきたいなというふうな感じがあります。
 多分、長半減期だから入っているんだろうなというのが、例えば、ジルコニウム93とかモリブデン93とかパラジウム107とかスズ126なんてというのが、多分、そういう過程で出てくるのかもしれないんですけど、今、それが9ページになると、もう大熊1棟の分析技術開発のほうの核種に入っているんですね。そこが一つこけると、恐らく、せっかく開発したのに、これやらなくてよかったじゃんということにもなりかねないので、特にそういったALPSの放出から出てこない核種なのに、ここに上がってきている核種で、こうやって分析を検討するような核種というのは、早めに本当に妥当性が正しいのかどうかというのは、我々も含めて確認させていただければというふうに思います。それが1点です。
 それから、あと、分析のコンクリート何点とか何とかというこういうやつ、なかなか全体像が見えないんですけども、やっぱり、我々が把握したいのは、原子炉の中はちょっと違うと思うんですけど、原子炉の外側で、今たくさんある放射性廃棄物、たくさん出ている廃棄物というのは、かなりの部分がセシウム137で支配的に汚染されているんじゃないかというのは、何となくみんなうろ覚えで思っています。それに長半減期で同じく放出されそうなカーボンとかヨウ素とかというのがどれだけ入っているのかと。それが入っていると、多分、減衰管理みたいなことはできないし、逆にそういうのがなくて、さらにセシウム137なら何となく減衰させようかという気にもなるし、そういう政策判断につながっていくような話になっていくと思うので、そういう何十核種を一遍にやるというのも重要なんですけど、結局、そういう分けられるのかどうかというようなアウトプットもなるべく早めにこういう場でオープンにしていけたらいいなと思うので、そういう結果については逐次こういう場でも報告いただければと思います。
 以上です。

○増田(東電) 東京電力の増田です。
 核種に関しては、別途考え方、その辺りについて説明させていただいて、御議論いただきたいと思います。
 あと、特に低汚染の廃棄物について、セシウム以外の核種がどれだけ優位に含まれているのかというところを考えると、やはり1F廃棄物の特徴として、瓦礫類についてはかなりボリュームがあるというところがありますので、ヨウ素やカーボンというところが結構効いてくるといいますか、かなり重要な核種だと認識しております。なので、我々もその辺りに着目して分析のほうを進めたいと考えていますので、その辺りも考え方も含めて、また御議論いただければというふうに思います。
 以上です。

○伴委員 ほかはいいですか。
 では、外部有識者の方、いかがでしょうか。
 井口先生、どうぞ。
○井口名誉教授 元名大の井口です。
 御説明、ありがとうございました。
 この資料、非常に興味深く拝聴させていただきました。とりあえず、技術会合でいろいろこれから具体化するということなんですけれど、2028年度までの5か年計画の中で、今回、三つの柱が立てられていますよね。それについて確認とコメントというか、お願いみたいなことをしたいと思います。
 まず、最初は、資料でいうと14ページのところに、今回、建屋解体物について解体モデルを作るというふうにおっしゃっているわけですけれども、解体モデルを考えたときに、基本的にどこまでを御検討するかということがあって、基本的に真ん中に炉心部というか、デブリの取り出し部分については触れないので、周辺なんですけれども、周辺といってもいろいろ領域があるわけです。ここで結局解体モデルというものの検討範囲について教えていただけませんでしょうかということが1点です。
 2点目は、その次のところなんですけれども、瓦礫類について、これは前々から質問させていただいていましたけれども、やはり表面線量率から核種濃度の管理へ移行することについて、大体これまでの説明とか、ほかの報告会で瓦礫を概ねグループ分けして、その中でスケーリング則、例えば、セシウムをキー核種にしたスケーリング則により、全体の核種を仕分けるようなことと思っております。ただ、瓦礫類というのは、先ほど、コメントがありましたが、グルーピングの仕方が重要ですし、物量が多いわけですので、そのときに換算する評価単位ですか、物量のどこまでを領域にとって濃度換算するかによって答えが大きく開くんじゃないかと。それも不確かさも含めてやってしまえばいいという話もあるんですけれども、そういうグルーピングについて、代表性とか、先ほどおっしゃっていましたけれども、評価する単位をどんなふうに考えるかということを、ぜひ、技術会合の中で明確にしていただけるといいかと思います。そこがあまり揺らがないような考え方を導入しないと、桁で違うような核種の推定濃度を示されても、あまり分析の意味がなくなるんじゃないかと思って、その辺りをよろしくお願いしたいと思います。これはコメントです。
 3点目は、次のところで、前々から申し上げているんですけれど、水処理二次廃棄物の場合はセメント固化が主体で検討するということはこれまで説明を受けていますけれども、申し上げたいのは、あくまでも安定化のためにセメント固化をするのではなくて、ぜひ最終処分を含めて技術の絞り込みを行ってほしいというのがあります。
 規制庁さんのほうでは、従来の二次埋設の基準で判断するというふうにおっしゃっていますので、やり方は明確になっているわけですね。なので、この部分の絞り込みについて、どういうものならオーケーなのかという条件を明確にしていただきたいということと、それから、最後、セメント固化にふさわしくない炭素14とかヨウ素129等の長半減期核種の閉じ込めの話があったと思うんですけれども、そういう場合にセメント固化以外のオプションをつけたような結論になるんじゃないかと思うんです。その場合は国内で実績が少ないオプションの方法について、どういう要件を満たせばオーケーなのか、その辺りについても、ぜひ技術会合の中で明確にしていただきたいと思います。これもコメント、要望です。
 最後です。実施体制で、20ページですか、この20ページについて、この前、JAEAの大熊分析第1棟の準備状況については確認していただいたんですけれども、2028年度から東京電力さんの総合分析施設ができて、先ほどの御説明だと、試料の分析数が倍増、250から400ぐらいになるということですね。このときに、この絵を見ると、東京電力さんの総合分析施設というのはJAEAの大熊の第1棟と第2棟を合わせたような機能を持っているのかというところを確認したいということと、それから、これはコメントですけれども、やっぱり立場が違うということで、ここにやることが書いてあるので、概ね大体の役割分担というのは明確なんですけれども、JAEAの大熊分析第1棟、第2棟というのは、あくまでも第三者機関分析施設の位置づけにあるように思うので、将来的には東京電力さんがこういう分析を主体的にやるというふうにおっしゃっていましたので、ルーチン分析の役割分担と、それから、JAEAの大熊分析第1棟、第2棟との品質保証の体制、どういう格好で東京電力さんがやっていらっしゃる分析の信頼性を担保するかという、その辺りをぜひ技術会合の中で明確にしていただけるとよいかというふうに思います。
 ということで、質問二つとコメント三つですか、それについて答えられる範囲で結構ですので、よろしくお願いいたします。
○増田(東電) 東京電力の増田です。
 まず、コメント三つ、解体モデルケースと、あと瓦礫類、あと水処理二次廃棄物に関する説明に関しては、コメント拝承ということで、こちらはいただいたコメントのほうをしっかり技術会合等で答えられるように説明していく形で対応したいと思います。
○金濱(東電) あと、4番目にいただきました今後の役割分担といいますか、業務所掌みたいなところは、まさに今後分析を進めていく中で体制構築も含めて、どんな役割、前々から井口先生のほうで御指摘いただいています品質保証の体制なども考慮しながら、念頭に置いて、JAEAさんとも、今、お話しさせていただきながらやっていますので、それを含めまして技術会合等でまた御説明していきたいというふうに考えてございます。
 すみません。今、ちょっとはっきりとした答えがございませんので、すみません。以上です。

○井口名誉教授 ありがとうございます。
 質問のところだけお願いします。最初の解体モデルというケースの場合に、どこまでの範囲を今想定しているかということと、それから、東京電力さんの総合分析施設の人材については、この前の説明いただいたんですけれども、機能としては、結局、JAEAの大熊分析第1棟、第2棟を兼ね備えているんですか。規模がどのぐらいかというのを教えてもらえませんでしょうか。
○松澤(東電) 東京電力福島第一、松澤です。
 総合分析施設の機能について回答します。
 まさに、おっしゃっているとおり、イメージされているとおりで、第1棟、それから第2棟、これはいわゆる廃棄物とデブリの分析です。これの分析機能を持ちつつ、現状、今、我々が運営している構内の東電のラボ、5、6部の分析施設、それから化学分析棟、こういったところも含めたトータル的な分析機能を持たせた施設として、今、考えて設計のほうを進めてございます。
 以上です。

○井口名誉教授 分かりました。
 解体モデルの検討範囲はどこを考えていらっしゃるんでしょうか。
○増田(東電) 東京電力の増田です。
 解体モデルケース検討に関しましては、まず、試検討として3、4号炉などを対象に実際の汚染状況の調査と、それを踏まえた解体方法の進めるということで考えています。それを将来のほかの施設の解体にも使えるように一般化していこうということで、例えば、建屋の状態ということで、塗装の有無とか、ひび割れの状態とか、そういった建屋の状態や、あとばく露環境、例えば雨水にさらされているとか、他領域と接触があるとか、そういったところの組合せで汚染の状況が変わってきますので、その辺りを分析で汚染状況に関するデータを取得して、体系的に、どういう状態だと、どういう汚染のメカニズム、どういう形で汚染が進行しているのかとか、その辺を評価して、どういう状態の場所であれば、どういうふうな汚染が生じているのかというところを評価できるような形で整理していきたいと考えています。
 なので、3、4号炉などを対象に基本的にはほかの施設にも適用できるように検討を進めていくというような、そういった考え方になろうかと思います。
 すみません。以上です。

○井口名誉教授 分かりました。ありがとうございました。では、技術会合での具体的な結果を期待していますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○田中委員 田中ですけども。
 井口先生、計測の専門家として、いろいろな御意見、ありがとうございました。
 実際にどういうふうな核種をどう分析するかというのは、先生のおっしゃるように、第二次廃棄物として廃棄体としてどういうようなものを見ないといけないのかという観点からということになっていくと思いますので、そういった技術会合でお願いします。
 質問なんですが、三つだけ、何かのときに、何かオプションという話があった、これはどういう意味なんですか。質問というか、中身がよく分からなかったで、教えてください。
○井口名誉教授 私へのご質問ということで、要するにコメントは、まず、セメント固化を主体に東電さんと規制庁さんで議論されて、そこはかなり明確になると思うんですけれども、多分、セメント固化だともたないような核種、例えば、ヨウ素129とか炭素14というのは、セメント固化だと最終処分に持っていくには厳しいんじゃないかということで、それ以外のオプションで、水処理二次廃棄物の中にも、いろんなものがあるので、例えばカーボンのフィルタとか、そういうものについては、セメント固化じゃない方法も入れないと、いわゆる最終処分の方向性は検討はできないんじゃないかというふうに思っているので、それをオプションというふうに呼びました。それ以外のオプションについては、現在、まだいろいろな技術開発がされているので、それは東電さんは非常にお詳しいと思うので、そういうオプション提案もなされるんじゃないかなというふうに思っている次第です。
○田中委員 分かりました。
○伴委員 どうぞ、徳永先生。
○徳永教授 徳永でございます。ありがとうございます。
 分析に関わることではないと思うんですが、東電さんがオールジャパン体制でやりますとおっしゃっているんですが、本来、オールジャパンでやるのは、東電さんが廃炉に向けて努力するのと、規制をされるというお立場の方も規制をしながら、最終的には福島第一原子力発電所をきちっと終わらせるということで、それを全てがオールジャパンでやるんじゃないかという気がしていて、しかも、それが長い時間にわたってやる、我々の世代だけで終わらないという中で、どういう形で人材を確保していき、私も教育機関なので、そういうことで人材教育の責務があると思っているんですけども、国として、例えば、規制庁としては、どうそこを考えていらっしゃっていて、例えば、経産省さんとしてはどう考えていらっしゃっていてという意味での日本全体でどうこの問題を考えるんですかということを言わないと、ここで東京電力さんはオールジャパンとおっしゃっていますが、多分、それとは違う傘の中でのオールジャパンでこの問題をどう解くんですかというのは、どこかでちゃんと考えて、かつ、次の世代の人を育てるというような体制を真剣に考えないと、今、ここにいる人間だけで最後までやり切るわけにもならないと思うので、そこは、私は、繰り返しますけど、教育機関にいる人間として責務を持ってやっていきたいと思いますが、そういう視点からの国のお考え、もしくは規制庁のお考え、経産省のお考えみたいなものも共有できる場が必要ではないかと思いました。
 すみません。ちょっと議論の方向性が違っているかもしれませんけど、コメントさせていただきます。
○伴委員 今の御指摘は物すごく重要なところで、それは実はこの場でも既に共有されていて、国全体としてどう考えているのか、長期的に本当に人材育成だけじゃなくて、その人たちの処遇とか、そういったことも含めて考慮する必要があるよねと。場合によっては社会システムそのものを変えていかなければいけないかもしれないみたいな議論があって、実は規制委員会に資エ庁をお呼びして、それに対する一定の答えをくださいというふうに言ったことがあります。資エ庁としてのその時点で考えられる案をお示しいただいて、ただ、それを実際に具体化していくのに、今後、どういう努力が必要かというところは、まだ詰め切れていないという理解ですけれども、そういう理解でよろしいですか、資源エネルギー庁として。
○山口室長 その理解で結構です。国としても長期的にどういうふうに確保して支援していくかというのは考えていきたいと思います。
○徳永教授 そこはぜひお願いしたくて、そこに我々もどう貢献するかということを一緒に考えさせていただければと思います。
 ありがとうございます。
○伴委員 どうぞ、蜂須賀会長。
○蜂須賀会長 すみません。今、立派な話が出てしまったので、私のはそんなのではないかなと思うんですけど、今の東電さんの説明の中で、東電でそれぞれ分析をしているというふうなお話があったんですけども、何人の方がその分析に、今現在、携わっているのか。
 それと、あと、ここに技術者1名の確保と書いてありますけど、1名ぐらいで間に合うのかなと。いろんな分析をするに当たって、たった一人の技術者の教育とか、それこそ、今、徳永先生が言った大きな視野の中での教育も必要、自分の、東京電力の会社の社員を育てるのも私は必要なのかなというふうに思っておりますので、今現在、何人の方が東京電力の人たちが分析、第1棟、第2棟にかかわらず、携わっているのか。
 あと、もう一つ、排気筒を解体しましたけど、あれも分析するようなお話で、大事に大事に取ってあるんじゃないかなと思ったんですけど、あれの分析はしているんだかどうかも教えてください。
 以上です。

○松澤(東電) 東京電力福島第一、松澤です。
 現状、今、どの程度の人数で分析に携わっているかというところのまず回答ですけれども、今、東京電力社員は大体20から30、25から30、大体30弱ぐらいが、今、分析に携わっています。このほか、グループ企業で約100名程度、トータル足して130名で、この後、育成、確保することで、20年代後半にはおおよそ百五、60ぐらいには増やしていきたいと、今、考えています。
 ちょっと参考に申し上げますと、JAEAさんのほうではJAEAさんの職員で20から30だったと思いますけど、あと、分析員で大体40ぐらいだったと思いますので、今、1FというよりJAEAさん、東電合わせて、分析の人材でいくと、大体200名ぐらいが規模感でございます。
 技術者の育成1名で足りるのかというところも、おっしゃるとおりだと思っていまして、今年度またさらに追加していきます。そして、廃棄物以外の分野におきましても、例えば、バイオアッセイという内部取り込みをしたときの評価をするときに行う分析の人材育成とか、こういった部分もこれ以外にもやってございますので、そういったほかのおっしゃられていた廃棄物以外のところも踏まえた1F廃炉に必要な分析の人材というのを見定めながら、必要な人数を確保するために育成を進めていくといった考えでやってございます。
 以上です。

○金濱(東電) サイト側で排気筒の分析、分かる方はいますか。
○岩永室長 岩永です。こちらで受けます。
 排気筒につきましては、切断後に全てのパーツを取っていまして、我々の規制庁の分析チームと東京電力の分析チーム共同で、表層のガンマ線の分布と、あと、表面からスミヤを取って、どういう核種がついていたのか、ほとんどセシウムだったということではあるんですけども、一通りの分析はやっておって、そのデータも一応公開ベースで用意しておりますので、ほぼほぼ分析は終わっているという状況でございます。
○蜂須賀会長 ありがとうございます。
○伴委員 よろしいでしょうか。
 オブザーバーの方、ございますか。
 どうぞ。
○宮原福島県原子力対策監 福島県、宮原です。
 1ページの三つの分類、よくまとめられていると思います。
 それで、やはり、一番議論になりますのが、これまでもありましたように、大量に発生するコンクリート系の廃棄物、特に放射性物質が不均質に分布しているというところで、瓦礫類については、なかなか除染も難しいというところで、まずは減容を進める形になって、それで減容によって、ある程度、クラッシュをするという、粉砕するやり方で均質になってくると考えられますが、それによってうまく仕分をしていくと、分析数はある程度限られた形で再利用や処分方策の検討に結びつけていけることができるのではないかということで、こういう減容と分析みたいなところの方策をうまくデータとともに示していただけるといいかなと思います。
 一方で、その上に書かれてある解体につきましては、ある程度、除染が可能になってくるのではないかと思いますので、その除染の見通しも踏まえて、再利用できるものがかなり出てくるのであれば、それは非常に望ましいことになると思いますので、そうした上で、さらに減容を図っていくとか、そういうためにも、分析結果も踏まえつつ、こうした見通しがどのように具体化されていっているのかということが、その都度、分かるようになってくるとありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
○増田(東電) 東京電力の増田です。
 瓦礫類につきましては、特にコンクリートも金属もそうなんですけど、形状の多様性というところが非常に難しい問題で、それに対して、減容が進むと、かなり状態が均質になるということもありますので、まずはそこをベースに検討を進めて、形状の多様性とか、その影響に検討を広めていくというような、そういった進め方を、今、考えております。
 建屋解体物のほうにつきましては、除染をうまく実施して、放射性廃棄物がない廃棄物をできるだけ増やしていきたいというところもありますので、切り分け方といいますか、そういうところ、合理的な解体によってどう切り分けていくのが合理的なのかというところ、そういうところの検討を進めていきたいというふうに考えております。その辺りも技術会合のほうで詳しく説明させていただければというふうに思います。
 以上です。

○伴委員 本件に関しまして、ほかに御発言はございますでしょうか。よろしいですか。
 たくさんの御意見いただきまして、ありがとうございました。今後は技術会合で議論を進めていきたいと思いますが、東京電力にお願いしたいのは、結局、今回、これだけの分析をこういうスケジュールでやっていきますという、言わば結論のところだけ出ているんですけれども、なぜそうなるのか、これだけのものをどういうふうに分析するのか、その理由を、根拠を示していただきたいということです。それをぜひ技術会合で議論していきたいと思いますので、必要な準備をお願いいたします。
 では、以上で議題3を終了いたします。

 次、議題4ですけれども、中期的リスクの低減目標マップの改定です。
 この議題は前回の検討会で議論いただきまして、その後、2月28日に規制委員会において決定をしたものです。
 それでは、事務局から資料4に基づいて簡潔に説明をお願いします。
○大辻管理官補佐 規制庁、大辻です。
 それでは、資料4-1に基づいて御説明したいと思います。
 リスクマップにつきましては、前回2月19日の検討会で、この場で御議論いただいて御意見も頂戴しました。それを踏まえたリスクマップの改定について2月28日の規制委員会において了承されています。
 2月19日の監査・評価検討会で議論いただいたバージョンから大きな変更はありませんが、いただいた御意見に対して、どのように対応したかということを簡潔に御説明したいと思いますので、この資料の最後のページを見ていただければと思います。
 ここにはいただいた御意見のほうを列挙しておりまして、番号を振っておりますので、簡単に@から行きたいと思います。
 まず、@、Aについては、東京電力から少し留保のような形の御意見をいただきましたが、規制庁としては、@の大型廃棄物保管庫第一棟への吸着等類の屋内保管移行完了(2026年度)という目標と、あとAの10年後までにSARYY脱水物の固化処理施設設置運用を開始するというのは、この言葉どおりの目標、姿として維持をして、それに向けて取り組んでいただきたいと考えておりますので、このまま維持をする形としております。
 Bの分析については、今、議論があったところですが、この分析人材の確保については、規制委員会のほうでも東京電力自身の分析人材の育成の重要性について言及があって、東京電力からもここに書いているとおりの意見がありましたので、リスクマップにも個別の目標として位置づけました。
 Cの水素のパージについては、本日、議題2で議論したとおりとなります。
 山本委員と高坂オブザーバーからいただいたDとEについては、直接リスクマップに反映するものというよりも、今後、進めていく上で規制庁としても留意して進めていくべきものというふうに考えております。
 以上、簡単ですが、いただいた御意見に対する対応です。

 今後、このリスクマップに基づいて東京電力と議論を進めて、取組の進捗を監視していきたいというふうに考えています。
 今日、既にリスクマップの中にある3号サプレッションチェンバの水位低下に関連する水素のパージ、そして分析計画について議論したところですが、今後、特に新たに設定した直近の目標については、早めに議論を進めていきたいというふうに考えておりまして、具体的には3ページのほうである設備・施設の維持・撤去の中で2024年度の目標として、廃炉設備の維持・撤去に係る計画の策定というのを挙げさせていただいています。ここについては、東京電力とも問題意識のほうは共有しているというふうに考えていますので、この部分について早めに議論を始められるように東京電力には御準備いただければというふうに考えています。
 簡単ですが、私からは以上です。

○伴委員 ということで、前回の資料から大きく変更はないんですけれども、今の設備に対して東京電力からコメント等があればお願いします。
○飯塚(東電) 東京電力、飯塚です。
 特にコメント等はございません。喫緊の目標に関しましては、取りまとめて早めにいろいろ議論できるような形にさせていただきたいと思います。
 以上です。

○伴委員 そのようにお願いします。
 では、外部有識者の先生方、何か質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 橘高先生、どうぞ。
○橘高名誉教授 橘高ですが。
 資料の4の中の4-6になってしまうんですけど、よろしいんですかね。長期的な目標マップだと、建屋解体物等で今後生じるというので、地震計等を設置するというのが資料であったので、それに関してなんですが、よろしいんですかね。
○伴委員 はい、リスクマップとの関連でお願いします。
○橘高名誉教授 4-6で1号機に地震計を設置したと、仮に外壁の外側につけたということなんですが、4-6の1ページ目で、現状で地震計がどういうところに設置されているかというようなことが示されているんですが、この中で建屋の経年変化の傾向把握のために設置すると。1号機もそういう目的だと思うんですが、せっかく設置するということであれば、健全性の評価というのをどういうふうに行っていくかという、その辺の方針があるといいかなと。例えば、具体的に3月15日に結構大きな地震があったと思うんですけど、震度5ぐらいですかね。それに対して、例えば、2号機、3号機というのは、たしかオペレーションフロアに地震計を設置していると思うので、その加速度応答とか、その辺がどうだったかというのは知りたいかなというのもあるんですけど、そういうのは技術会合で検討されているのかどうか、その辺の方針というのは、毎回地震のたびにやってもしようがないんでしょうけど、示していただければありがたいなということが一つと、今、例えば、デブリを取り出すのにいろんな機器を設置していると思うんですが、あまり検討会に資料が最近出てこないので、よく分からないんですが、例えば、駆体を利用して、そういうクレーンなり設備を設置するとなると、その辺の耐震性とか健全性というのは重要だと思うので、その辺も震度特性と絡めて、応答倍率法でたしか22年度はやられていたんですが、その程度でもいいので、何か健全性というのを評価する枠組みが示されるといいかなというふうに思ったんですが、よろしくお願いします。
○伴委員 東京電力としての方針をお聞かせいただけますか。
○飯塚(東電) では東京電力の飯塚からお答えいたします。
 今、先生がおっしゃっているとおり、1、2、3号に地震計を設置しておりまして、オペフロ等損傷していない部分も当然ございますが、そういった現状のモデルと地震計の示す応答がそんなに狂っていないというのと、あと、地震のたびの状況を確認して、変化があるかないかというのを、今、見ているという状況でございます。
○橘高名誉教授 その辺は安全性が確認できているということで、特に資料にはあえて出す必要はないと。
○飯塚(東電) 必要に応じてといいますか、取りまとめていってはございますので、機会に応じてお示しすることはできるかと思っておりますし、今、現状の状況だけを申し上げますと、変化も特になく、劣化している状況には今はないというふうに判断してございます。
○橘高名誉教授 分かりました。
○伴委員 ほか、よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○岩永室長 規制庁、岩永です。
 時間がないので手短になんですけども、橘高先生の御質問に対して、我々、固有周期が変わらないかというのをベースのものと上部のものを比べながら確認をしておりまして、前回の3月15日、ちょうど石渡先生を含めて我々も現場にいまして、そのときの波形も多分入手可能だと思いますので、その点を含めて、今、異常がないというのは第一報で東京電力から聞いておるところもありますので、その具体的な波形も可能であれば、御覧いただけるような機会を設けたいと思いますが、ある意味、生データを使いながらの管理がしっかりしているということも示していけると思いますので、その点、今後、御相談いただければと思います。
○伴委員 よろしいでしょうか。
 それでは、オブザーバーの方から何かございますか。よろしいですか。
 今回の改定、今までとやり方を変えて、10年後までに実現すべき姿を示して、それで規制庁と東京電力との間で具体的な絵姿を共有するという形を取りました。これはすなわち東京電力にそれだけ主体性を発揮していただきたいということでもありますので、しっかり取り組んでいただくようにお願いいたしますし、また、進捗の状況は監視・評価検討会で検討し、共有していきたいと思います。
 以上で議題の4を終了いたします。

 議題の5はその他ですけれども、その他の中で資料5-1というのを取り上げたいと思います。
 令和6年2月26日付で申請のあった水処理センターの設置に係る実施計画変更認可申請、これはALPS処理水プログラム部を解体して水処理センターを新たに設置するというものなんですけれども、この設置については以前のALPS処理水プログラムの設置について審査会合で議論を行いましたので、今回の再編についても検討会の中で共有しておきたいと思います。
 では、東京電力から資料5-1の説明をお願いします。
○松本(東電) 東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの松本から御説明いたします。
 資料5-1を御覧ください。先ほど、伴委員からお話があったとおり、ALPS処理水プログラム部は一昨年2021年9月にALPS処理水の海洋放出の設備の建設、運用を担うために責任箇所を明確にしたということで設置した組織でございます。
 他方、今回、処理水の放出を開始して以降、今後、長期的にわたるALPS処理水の海洋放出を安全、着実、かつ計画的に進めるために、今回の水処理センターの組織改編を考えているという状況でございます。
 1ページをお進みください。今回、考えている水処理センターの所掌範囲は、下の図に示しますとおり、滞留水を建屋からくみ上げて、セシウム吸着装置等で処理をした後、淡水化装置で原子炉への注水に戻すもの、それから、ALPSのほうに浄化処理に回すものというふうに分けた後、必要に応じて多核種除去処理水のタンクに貯蔵する、その後、海洋放出をするというプロセスを全て担うということになっています。
 もともとALPS処理水プログラムは、この図の中の一番左下、ALPS処理水希釈放出設備のみを担っておりましたけれども、水処理全体を俯瞰した体制を組むことで、安全かつ計画的な水処理並びに海洋放出が実現できるというふうに考えています。
 2ページにお進みください。そもそもALPS処理水プログラム部は、この図で示します赤い点線の範囲を業務所掌としておりました。特に測定評価用設備、いわゆる処理水を希釈放出する前のタンクの改造並びにそれを希釈設備、放水設備に移送する設備等を建設し、その運用方法を検討したというところでございます。
 また、3ページにお進みください。その後、ALPS処理水プログラム部に関しましては、海洋放出開始後の運転・保守、放射線管理についても、一部、その業務を所管するということで、赤い点線の範囲を加えた上で、現在、この組織の中で運用を進めているという状況でございます。
 今回は、4ページに進んでいただきますと、先ほど申し上げたとおり、ALPS処理水の海洋放出の計画策定に係るグループをこのセンター内に集約することによりまして、水処理センター所長の一元管理による水処理設備全体を鑑みた計画が策定できるというふうに考えております。
 単に海洋放出に関しましては、年度単位で何回、何万m3を放出するというだけではなくて、その後ろ側にどのタンクから、どういうふうに移送してくるか、そのほか、ALPSやセシウム吸着装置等の保全計画等も踏まえた上で綿密に計画を立てる必要がありますので、その辺りを一元管理できるようにしたというところでございます。
 次に、設計を担うグループと建設・設置及び保守管理を担うグループの統合になります。
 こちらはちょうど6ページのところで、現在の組織を御説明いたしますけれども、いろんな部署にまたがっている状況でございますので、これを統合いたしまして、安全と品質をより一層高めていきたいというふうに考えるとともに、今回は建設・設置と保守管理を担うグループを一つのグループに統合してまいりますので、運転保守の設備上の課題、あるいは改善箇所等について、設備の更新ですとか改造に反映が速やかに行えるものというふうに考えております。
 5ページにお進みください。水処理センターの体制に関しましては、発電所のALPS処理水プログラム部を廃止して、新たに水色のハイライトした箇所、水処理センターを設置いたします。その下に七つのグループを設置するという状況になります。
 6ページにお進みください。水処理センターの体制の見直し前と見直し後の比較になります。
 今回は左側に示しますような緑、赤、水色といったところの各センター等にばらばらに存在しております水処理プロセスに関する所管するグループを、右側にございます赤い実線で示します水処理センターの中に統合したというような構成になります。
 この統合に至っての考え方につきましては、右に示しますとおり、三つのポイントで考えております。
 一つ目は、要員でございますが、今回の体制におきましても設置前と同等の要員数を充当いたしますので、ここで減員するというようなことではありませんし、設置前と同様の力量管理を実施してまいります。
 また、ポイントの二つ目といたしましては、組織的には水処理プロセスに関する機械分野のグループを特に集約いたしまして、計画策定に関するところも合わせて統合いたします。ただし、土木・電気・計装・建築に関しましては、各グループ以外にも広く業務がありますので、集約する場合、しない場合それぞれをよく判断した上で業務所掌を決めていきたいというふうに考えておりますし、こちらのほうに関しましては、実施計画の変更認可申請書の中に反映させていただきました。
 それから、ポイントの3といたしましては、組織の規模として所管する設備を同程度とすることで、過大な業務所掌にならないようなグループの再編をこの際に併せて行っています。例えば、建設運用保守センター処理設備グループに関しましては、これまでサリー、それからALPSといった主な水浄化設備を保有しておりましたけれども、所掌範囲が大き過ぎるということで、滞留水処理設備と多核種除去設備に分けたというようなことをやっております。
 それぞれの具体的な業務の内容については7ページに示したとおりです。
 なお、8ページからは、現在、ALPS処理水プログラムが設置時の審査会合で担っていた業務がどういうふうになるかというところを示したものです。
 例えば9ページを御覧いただきますと、ALPS処理水プログラムの業務を列挙しておりますけれども、青色で書いているところはALPS処理水の海洋放出の設備の設置、放出開始に伴って業務そのものが終了したもの。緑色のところは、今回、水処理センター及び建設・運用・保守センター等へ業務を移管するものということで、何か業務の漏れがないような確認はいたしております。
 松本からの説明は以上となります。

○伴委員 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に対して規制庁側から何か指摘等はありますか。ありませんか。
○横山係長 規制庁、横山です。
 本件については、先月の実施計画の審査等に関わる技術会合の中で、水処理センターを設置することで、どのような体制がよくなるかということについて、きちんと説明いただくようコメントをしておりました。
 本日の説明とかでも、まず、審査の中でも一定の説明がなされて、現時点では大きな論点、課題等はなくなっております。
 ただ、細かい点について確認ができていないところがありまして、一例を申し上げますと、今回の変更によって新たに設置される水処理センターで管理されることになる設備の中で、それらの設備等で、「等」、「など」なんですけども、ついているものがあって、具体的に申し上げますと、雨水処理設備等、などがつくことがあったとか、この「など」が何を指すかというのがまだ不明瞭なところがあります。雨水処理設備についていえば、本体となる雨水を処理する設備のほかに、タンクだったり、そういう貯留設備もあります。
 これらの「等」がこれはどこまで含むものなのかを明示的にまとめ資料のほう、審査の中の資料の中に示すようにしていただきたいところです。
 そういった上で、こういった「等」を含めた場合の関連施設、設備、具体的にいえば、先ほど言ったタンクなんですけども、それらがどこが何を所掌しているかというのを各設備の所掌事務の取り合いについても、また、まとめ資料の中に示していただきたいと思っています。
 本日は、あまり時間もないため、この場でのコメントへの回答というのは不要なんですけども、引き続き、審査の中でその内容が適切に説明、記載されているかというのを確認していきたいと思っています。
 以上です。

○松本(東電) 東電、松本です。
 御指摘、ありがとうございます。「等」、「など」で表現しているところについては、御指摘のとおり、まとめ資料の中でこの部分を指すのだというところを明確化させていただきますし、業務のところもまとめ資料の中にしっかり書き込みたいと思います。
 ありがとうございます。
○伴委員 では、そのようにお願いします。
 外部有識者の方から御質問、御意見等はございますでしょうか。
 井口先生、どうぞ。
○井口名誉教授 元名大の井口です。
 1点だけ確認させてください。2ページの図のALPS処理水プログラム部の業務分掌の中に廃棄物が入っていますが、今回の新しい水処理センターの業務所掌の中で、ALPSの水処理二次廃棄物の管理というのは、どこが行っているんですか。要するに、新組織体制では、水処理の二次廃棄物の管理はどこが担当することになったのでしょうか。
○松本(東電) 水処理二次廃棄物等、ここではいわゆるキャスクのような廃棄体が出た後に関しましては、現在、福島第一でございます廃棄物対策プログラム部が受け持っているということは変わりはございません。
○井口名誉教授 だからセンターの中には含まれていないということですか。
○松本(東電) 東京電力、松本です。
 おっしゃるとおり、センターの中では廃棄物の管理までは含んでおりません。
○井口名誉教授 分かりました。以上です。ありがとうございました。

○伴委員 ほかはございますでしょうか。
 オブザーバーの方、何かございますか。よろしいですか。
 では、そういう形で今のやり取りに基づいて、今後、論点を詰めていただきたいと思いますし、まとめ資料としてそれは提出していただくようにお願いいたします。
 それでは、資料5-1以外で本日資料配付したものについて御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日の議論での主な指摘、確認事項をまとめたいと思います。
 事務局からお願いします。
○大辻管理官補佐 規制庁、大辻です。
 それでは、本日の確認事項として記したことについて御説明します。
 議題1、まず、トラブル事案関係ですけれども、相当議論があったので、ここでは議論を捉えて残すという意味で記載をさせていただきました。
 まず、原子力規制庁からは、増設雑個の件、電源停止事案について、今後、リスク抽出、86管理、先行事例の水平展開がなされていたか等の観点から保安検査を進めていくということを言っています。
 その次に、蜂須賀委員からいただいた、続いているトラブル事案を見ると、東京電力のリスクに対する認識が甘い。規制庁には東京電力に対する監視を強めることを求めるといういただいた御意見を記しました。
 その後に、井口委員と宮原オブザーバーからいただいた増設雑個について先行事例を計画や管理において考慮すべき、もしくは、できたのではないかという観点を記しています。
 あと、最後に、徳永委員、そして伴委員から御指摘、御発言がありましたけれども、トラブルが続いている状況を重く捉えて、リスク抽出を見直すべきであり、その際にはこれまでと同じ視点で見直すのではなくて、背景要因まで考慮し、どういう視点が欠けていたのかを検討した上で見直しを行うべきという御意見を記しました。
 次に議題2のサプレッションチェンバの水位低下に向けた水素を含む滞留ガスに係る対応のところで、ここは議論ありましたけれども、出ているペーパー以外で残すところとして、井口委員からいただいた水頭圧で押し出していく場合、押し出した後の水位低下までを含めて計画を立てるべきという御意見を記しました。
 次に、議題3の分析計画のところですけれども、ここも議論を残すという意味で、1点目は規制庁からコメントした 今後、技術会合でこういうところについて具体的な説明を求めるというところを列挙して書いています。
 その次に井口委員からいただきました、最終処分も考慮に入れて、長半減期核種を含む場合を含めて処理のオプションに対する要件を明確にしていってほしいという御意見を記しています。
 あと最後に、徳永委員からいただいたオールジャパンで人材育成を考えるべきという状況の中で、東京電力だけではなくて、規制委員会、資源エネルギー庁の考え、取組も示しながら議論を進めていくべきという御意見を残しました。
 あと、議題4の中期的リスクマップの改定については、橘高委員からいただいた地震計のデータを使用して行っている建屋健全性の評価の方法、結果について、今後、具体的に示してほしいという御意見について残しています。
 私からは以上です。

○伴委員 以上がまとめになりますけれども、何か御意見等はございますか。これが足りないとか、これは違うとかというのは、ありませんか。
 では、これは本日の当日作成資料としてホームページに掲載したいと思います。
 そのほか、全体を通じて何か御意見、御指摘等はございますでしょうか。
○澁谷企画調査官 すみません。先ほど、井口委員と松本さんとのところで、水処理二次廃棄物なんですけども、恐らく議事録に残っちゃうので、正確にしたほうがいいかなと思ってコメントするんですけど、7ページに使用済みセシウム吸着等保管施設については、水処理センターで見るということになっているので、恐らく一次保管までは水処理センターが見て、それを大型廃棄物保管庫へ持っていくというところからは金濱さんのところが見るというのが、多分、正しい答えかなと思ったので、そこを議事録に残らないようにというか、修正できるように発言いただければと思います。
○松本(東電) 失礼いたしました。水処理二次廃棄物の中で最終的に保管管理をするという箇所については、廃棄物対策プログラム部、いわゆるPG4で見ていますし、その手前で用意するところまでは、この水処理センターの中で実施いたします。
○伴委員 責任分界点はそこにあるということで、井口先生、これでよろしいでしょうか。
○井口名誉教授 はい、よく分かりました。ありがとうございました。
○伴委員 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 では、以上をもちまして特定原子力施設監視・評価検討会の第112回会合を閉会いたします。本日もどうもありがとうございました。
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