[2023_08_22_14]福島第一原発 燃料デブリ取り出しへ新工法 国専門機関の委員会(NHK2023年8月22日)
 
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福島第一原発 燃料デブリ取り出しへ新工法 国専門機関の委員会

 18時27分
 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉で最大の難関とされる「燃料デブリ」の本格的な取り出しに向け、国の専門機関の委員会は、原子炉などに充填(じゅうてん)材を流し込み、燃料デブリごと固めた上で、砕くなどして取り出すという新たな工法を提示しました。
 福島第一原発では、「メルトダウン」を起こした1号機から3号機の原子炉やそれを覆う格納容器の底に、溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混じり合った「燃料デブリ」が、推定でおよそ880トンたまっています。
 東京電力は、今年度後半にロボットアームを使って試験的な取り出しを始めることを目指していますが、本格的な取り出しに向けた工法は決まっていません。
 「燃料デブリ」を取り出す方法を検討してきた国の専門機関「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の委員会は22日、中間報告をまとめ、3つの工法を提示しました。
 このうち1つは今回新たに示された工法で、原子炉や格納容器の一部に、例えば溶けたガラスのような充填材を流し込み、燃料デブリごと固めた上で、砕くなどして取り出すというものです。
 委員会は、この工法では放射性物質の飛散が比較的少なく、建物を覆うカバーなどがほぼ不要になるメリットがある一方、放射性廃棄物が増えるおそれがあると説明しています。

 このほかに、
 ▽原子炉のある建物を巨大な構造物で覆い、被ばくを抑えるため全体を水で満たす方法と、
 ▽格納容器が壊れていることを考慮して水で完全に満たさず、空気中で取り出すという、
 2つの工法が示されています。

 委員会の更田豊志委員長は「30年から40年という廃炉のスケジュールを踏まえ、手遅れにならないよう、取り出し方法の検討を加速したい」と話していました。
 委員会は今後、安全性や技術面での課題の整理を進めた上で、来年の春ごろまでに最終報告をまとめ、工法の優先順位などを示すことにしています。
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