[2023_08_25_16]福島第一原発汚染水放出の経済被害は4兆5000億円〜 風評被害補償というようなレベルではない 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2023年8月25日) |
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中国は日本産の水産物を全面的に禁輸すると発表した。 2022年には日本から中国に717億円の水産物が輸出されている。(※1) もしこれが止まると日本経済全体にどのくらいの影響があるだろうか。 単に漁業者の損害だけではなく、流通システムなど日本経済の全体に波及する被害が発生する。 そもそもこれまで福島第一原発事故の影響で、福島県の漁業には年間で最大で年額100億円の被害が出ている。(※2) もし放出が50年間続くとすると、日本経済全体で4兆5000億円の被害になる。(※3) 風評補償分として福島の漁業者に数百億円払うというようなレベルの話ではない。いったん流してしまった放射性物質は回収できないから、いつまでも禁輸の理由を与えることになる。 放射性物質の問題だけでなく「東電の経費節減のために日本経済全体に4兆5000億円の被害を与える政策が正当か」という議論をしなければならない。 (※1)財務省税関ホームページ「水産輸出統計」 https://www.customs.go.jp/yusyutu/2022_01_01/data/j_03.htm (※2)福島県「海面漁業漁獲高統計」 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36035e/suisanka-toukei-top.html (※3)緊急に計算したため今後の検討で変わる可能性があります。 |
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