[2023_08_04_01]長崎・対馬の核ごみ調査 参考人「住民懐柔の期間」 市議会特別委 16日に請願採決へ(長崎新聞2023年8月4日)
 
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長崎・対馬の核ごみ調査 参考人「住民懐柔の期間」 市議会特別委 16日に請願採決へ

 対馬市議会は3日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の請願を審査する特別委員会を開いた。招致された参考人は文献調査について、「住民懐柔の期間だ」と主張した。特別委は参考人招致を同日で終え、16日に請願を採決する。
 脱原発を訴える「はんげんぱつ新聞」の末田一秀編集長は、既に処分場建設が進む北欧と異なり、地盤が不安定な日本で「地層処分ができると考えるのは間違っている」と指摘。「文献調査が始まればNUMO(原子力発電環境整備機構)が対馬に事務所を構えていろいろな所に顔を出す。住民の説得活動をする期間だ」と述べた。
 NPO法人・原子力資料情報室の高野聡研究員は、文献調査を受け入れた北海道寿都町で、調査に反対する住民から聞き取った「地域分断」の事例を紹介。「(反対団体)メンバーは、涙ながらに実情を語っていた。涙の重みと意味を理解してほしい」と訴えた。
 3日の特別委では、文献調査実施中の北海道2町村の首長に書面で照会した調査についての意見も報告。両町村長はNUMOの仲介による企業進出、ふるさと納税の増加、自治体の知名度向上などを調査受け入れのメリットに挙げた。
 次回の特別委は16日に開き、これまで聴取した参考人の意見などを踏まえて議員間討議をし、調査受け入れについて賛否などの立場で出された請願8件を採決する。

KEY_WORD:対馬_最終処分場誘致_:寿都町_調査応募検討_: