[2023_07_31_04]処理水放出理解遠く 首相、今月全漁連と面会(東奥日報2023年7月31日)
 
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処理水放出理解遠く 首相、今月全漁連と面会

 政府は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、福島県など地元漁業関係者への説明に注力している。日本からの輸入水産物に対する全面的な放射性物質検査を実施する中国に反論し、安全性に関する国内外への発信を強化。岸田文雄首相は環境が整い次第、8月中に全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会し、直接理解を要請する方針だ。複数の政府関係者が31日、明らかにした。
 当初、首相と全漁連会長との面会は7月中を想定していた。漁業関係者からの理解獲得が十分進んでいない現状を受け、西村康稔経済産業相らによる地元説明を継続すべきだとの判断に傾いた。政府高官は「地元と十分話し合いをしてから首相が面会する段取りだ」.と説明した。
 政府は「夏ごろ」の放出開始方針を堅持している。松野博一官房長官は31日の記者会見で「処理水の処分は廃炉を確実に進め、福島の復興を実現するために決して先送りできない課題だ」と強調した。
 首相は、全漁連側との面会結果を踏まえ、具体的な放出開始時期を決定する意向だ。
 政府は中国の放射性物質検査に関し「日本産食品の安全性は科学的に証明されている」と反論。放出批判に対し、科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めていく。外務省は国際社会の理解を深めるため、放出計画を説明する動画を多言語で配信する。
 政府は31日、放出への懸念が根強い太平洋島しょ国で構成する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」に集中的な説明を実施したとの報告書を公表した。
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