[2023_07_30_05]宮城漁協「反対変わらず」 処理水巡り経産相と面談(産経新聞2023年7月30日)
 
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宮城漁協「反対変わらず」 処理水巡り経産相と面談

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、西村康稔経済産業相は29日、宮城県漁業協同組合(同県石巻市)を訪れ、放出開始に向けて寺沢春彦組合長らに改めて理解を求めた。面談は冒頭以外非公開で、終了後に取材に応じた寺沢氏は「風評への不安がある以上、反対は変わらない」と述べ、話し合いは平行線だったことを説明した。
 政府と東電は夏ごろまでの放出開始を目指しており、西村氏と県漁協との会談は6月10日に続き2度目。西村氏は海洋放出に関する国際原子力機関(IAEA)の包括報告書の内容や、政府の風評被害対策を説明したが、漁協側は改めて放出に反対することを伝えた。
 寺沢氏は、海洋放出に反対する中国が日本の輸入海産物に対する規制を強化したことなどで、水産物の価格下落や、流通の停滞が既に発生していると強調。「このまま放出開始されれば『実害』が大きくなることもある」とし、政府に早急な対応を求めた。諸外国に対してや、国内流通業者への説明不足も指摘した。
 寺沢氏の「実害」との指摘に対し西村氏は終了後の記者会見で、国の300億円の基金による支援や、東電による賠償で対応するとし「丁寧に事情を聴き、適切に対応していきたい」と述べた。
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