[2023_07_25_02]韓国で激しい抗議を受けたIAEAグロッシ事務局長 IAEA報告書は“お墨付け”ではないと言明 中国だけが反対というウソをばらまく日本メディア 原発全廃運動で海洋放出を止めよう 「メディア改革」連載第131回 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)(たんぽぽ2023年7月25日)
 
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韓国で激しい抗議を受けたIAEAグロッシ事務局長 IAEA報告書は“お墨付け”ではないと言明 中国だけが反対というウソをばらまく日本メディア 原発全廃運動で海洋放出を止めよう 「メディア改革」連載第131回 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 
◎ 「紙の爆弾」9月号(8月7日発行)に、「福島原発・核汚染水海洋放出を止め原発全廃を」というタイトルで原稿を書いて、23日夜、中川志大編集長へ送った。記事では、小出裕章氏、武藤類子氏、柳田真氏らにインタビューした。
 この記事では、岸田文雄自民・公明野合政権と東京電力の広報宣伝員になって、日本の他、韓国、太平洋島嶼国のクック諸島、ニュージーランド(NZ)の3か国を回った国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長を批判した。
 グロッシ氏は7月4日に岸田首相に「海洋放出は国際基準に合致」などとする包括報告書を手渡し、日本政府と東電は「海洋放出に科学的根拠を得た」と宣伝し、8月にも放出を強行する構えだ。IAEA報告書を「科学的、中立的」と評価する朝日新聞の社説は万死に値する。

 東京新聞「特報面」がIAEAと日本政府・原発マフィアとの関係を特集し、「日本は巨額の分担金、電力業界も人員派遣」などと書いたのは良かったが、記事の視点が報道記事に生かされていない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/261656

◎ グロッシ氏は7日深夜にソウルの金浦国際空港に着いたが、IAEA報告書に抗議する大規模デモのため、空港内で約2時間足止めされた。グロッシ氏は韓国民衆の声に対し、「韓国は民主国家だから」(聯合ニュース)と理解を示した。
 日本は民主国家でないから、強い抗議運動がなかったのか?

 グロッシ氏は朴振外相、劉国熙原子力安全委員会委員長らと会談。韓国メディアとのインタビューに応じ、多核種除去設備(ALPS)で取り除けないトリチウムを海水で薄め放出する日本の計画に関し「特別な方法ではなく韓国や中国、米国なども行っている」と述べた。

◎ たんぽぽ舎の柳田真共同代表から、黒田節子氏(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)が本メルマガ(6月15日)に書いた<汚染水放出の「3つの理由」は大うそ>と題した記事を教えてもらった。。 そこに紹介されていた「これ以上海を汚すな!市民会議」のホームページを見ると、グロッシ氏が韓国で市民・学生・労働者から激しい抗議を受けていることが分かった。
https://www.facebook.com/koreumi/

◎ 7月11日 に「日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース」がアップした「OhMYテレビ」の動画は必見だ。日本語字幕がついている。
https://www.facebook.com/subtitleofkoreannews/videos/3565345890458282
https://www.facebook.com/subtitleofkoreannews
 記事には<日本では全く報道されていませんが。グロッシ事務局長は韓国では多数派野党民主党議員の質問に全く答えられませんでした。グロッシ氏の表情をごらんください。本来日本のマスコミが日本国民の安全のためにこういう質問をせねばならないのに。「処理水は安全」政府の意を伝えるだけのマスコミこそ「反日」ではないでしょうか?>とある。的確な指摘だ。

◎ 政権反対党の議員たちは「海に国境はない。魚は回遊する」と強調した後、こう訴えた。
 「あなたが昨日のマスコミ取材に、核汚染水は飲める。水泳もできると言ったことを懸念している」「その水を海に捨てず、水不足国である日本が国内で飲料水やの行用水に使うように進める意思がないか」「海洋放出以外のより安全な代替案はなかったのかの検討をしなかった」か? また、「地球上の環境をないがしろにする最悪の前例になる」と強調した。鋭い指摘を受けて、グロッシ氏は終始、目をきょろきょろさせ、落ち着かない様子だった。

◎ 共同通信社が14〜16日に実施した世論調査によると、「処理水」放出を巡る政府の説明について「不十分だ」との回答が80%に達した。
 放出について「大きな風評被害が起きる」「ある程度の風評被害が起きる」は計87%だった。
 岸田内閣支持率は34.3%で6月の前回調査から6.5ポイント下落し、岸田内閣で最低水準となった。不支持率は7.0ポイント増の48.6%だった。
自民党支持率も30.1%で2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、最低だった。

◎ 私が書いた朝鮮新報(7月10日付)の「時事エッセー・沈黙の声」第37回の<“水の惑星”地球の敵になる日本 福島放射能汚染水の海洋放出>と題した記事を、ブログにアップした。
http://blog.livedoor.jp/asano_kenichi/

 政府は2015年に福島県漁連に対し、「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と文書で約束している。
 メディアは、中国だけがうるさく反対しているかのように情報操作しているが、政府・東電・メディアが宣伝する「科学的根拠」が揺らいでいる。海洋放出阻止は原発全廃運動の重要な柱だ。人民の力で止めよう。
KEY_WORD:汚染水_: