[2023_07_23_01]福島第1原発処理水 海洋放出 東電、停止指標を設定(東奥日報2023年7月23日)
 
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福島第1原発処理水 海洋放出 東電、停止指標を設定

 東京電力は福島第1原発処理水の海洋放出に向け、周辺海域で放射性物質トリチウムの濃度が比較的高い値を示した場合に、放出停止を判断する指標を設けている。放出口近くの原発から半径3キロ以内では1リットル当たリ700ベクレル、原発正面の海側10キロ四方では1リットル当たり30ベクレルとした。
 東電は、処理水に含まれるトリチウム濃度を国の基準の40分の1となる1リットル当たり1500ベクレル未満になるよう大量の海水で薄め、海底トンネルを通じて沖合約1キロから放出する。指標は濃度基準を確実に守るため、設備や測定の不確かさも考慮して設定した。事実上、1500ベクレルの半分以下となる700ベクレル未満が放出時の運用目標になる。
 東電が最初に放出する予定の処理水を分析した結果、トリチウム濃度は1リットル当たリ14万ベクレルだった。濃度を700ベクレル未満にするため、放出時には海水で約200倍に薄めて放出することになる。海側10キロ四方の指標は、直近3年で測定した国内原発の前面海域のトリチウム濃度の最大値となる、1リットル当たり20ベクレルを超えた場合を通常ではない状況と考えて設定した。
 処理水のトリチウム濃度は保管タンクごとに異なり、最初の放出分は濃度が比較的低いタンクから選んだ。堤在保管中の計約134万トンのうち約7割は、過去の浄化設備のトラブルなどで放射性物質が基準値を超えて残る。
 東電は多核種除去設備(ALPS)などを使い、基準値以下になるまで再浄化する方針。
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