[2023_07_16_03]汚染水浄化で発生 「汚泥」置き場不足 容量96%、廃炉影響も(東奥日報2023年7月16日)
 
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汚染水浄化で発生 「汚泥」置き場不足 容量96%、廃炉影響も

 東京電力福島第1原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化し、処理水にする過程で発生する汚泥の保管場所が逼迫している。保管量は容量の96%に達しているといい、新たなスペースを確保しても数年でいっばいになる見通し。汚泥の置き場がなければALPSは運転できず、政府や東電が目指す「夏ごろ」に処理水を放出開始できたとしても、廃炉作業が進まなくなる可能性がある。
 汚泥は白や茶褐色の泥状の廃棄物で「スラリー」と呼ばれる。放射性物質も含まれており、ポリエチレン製の容器(約3立方メートル)に入れ、コンクリートの箱で遮蔽し、保管している。
 容器は2日に1基のぺ一スで増え続け、6日時点で保管容量4384基分に対して4198基。今年に入って192基分のスペースを設けたが、今後さらに336基分増やす。同時にALPSの改良を進め、汚泥の増加ペースを抑える。
 ただ、これらの対策を取った上でも、2027年7月には保管場所が満杯になる見通し。想定は、海洋放出の前に再浄化が必要な処理水の分を含んでいないため、満杯になる時期がさらに早まる恐れもある。
 保管場所が不足しているのは、脱水処理で汚泥の量を減らす施設が稼働していないため。東電は原子力規制委員会から作業員の被ばく防止対策が不十分との指摘を受け、設計を見直し中。当初計画から4年遅れの27年3月の運転開始を見込む。
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