[2023_07_10_06]原発推進GX法が成立しても止められる 原子力推進の矛盾はむしろ拡大 その3 原子炉等規制法改訂について 1.30年高経年化技術評価の旧法との違いについて 2.長期施設管理計画の旧法との違いはどこにあるのか 3.延長運転期間審査での期限切れの取り扱いについて 4.長期施設管理計画の軽微な変更について 6/17山崎ゼミの資料紹介 (その8)(連載) 小山芳樹(たんぽぽ舎)(たんぽぽ2023年7月10日)
 
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原発推進GX法が成立しても止められる 原子力推進の矛盾はむしろ拡大 その3 原子炉等規制法改訂について 1.30年高経年化技術評価の旧法との違いについて 2.長期施設管理計画の旧法との違いはどこにあるのか 3.延長運転期間審査での期限切れの取り扱いについて 4.長期施設管理計画の軽微な変更について 6/17山崎ゼミの資料紹介 (その8)(連載) 小山芳樹(たんぽぽ舎)

 
 その3 原子炉等規制法改訂について

 1.30年高経年化技術評価の旧法との違いについて

 炉規法では「発電用原子炉施設の劣化の管理等」が新たに規定されているが、40年の運転期間が規定されていた第43条の3の32は改訂後は「発電用原子炉設置者は、その設置した発電用原子炉について最初に第43条の3の11第3項の確認を受けた日から起算して30年を超えて当該発電用原子炉を運転しようとするときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、当該30年を超えて運転しようとする期間(10年以内に限る。)における当該発電用原子炉に係る発電用原子炉施設の劣化を管理するための計画を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。』と改訂されている。
 これは現行では30年目までに行わなければならないとされる「高経年化技術評価」(実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第84条第2項)とほとんど同じだ。
 また、運転後30年を経過しても許可を受けることができなかった場合は、その段階で直ちに運転が停止されるというが、その後も規制委が評価を承認したら再稼働できる。
 規制委はこれまでの評価結果は規則から法律に格上げしたのだから厳しくしたというが、旧法ならば40年を超えるまで新規制基準適合性審査を通らなければ廃炉になった。
 タイムアウトがあったのに、新規制ではいったん原発を止めねばならないが、震災を経て動かすことは可能とされているのが大きな違いだ。これは一般に規制緩和という。

 2.長期施設管理計画の旧法との違いはどこにあるのか

 第2項の規定では『長期施設管理計画には、原子力規制委員会規則で定めるところにより、長期施設管理計画の期間、第5項の規定により実施した劣化評価の方法及びその結果、発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置その他原子力規制委員会規則で定める事項を記載しなければならない。』についても、前項と同様、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第84条に各項目の規定があり、第1項第4号のイからチに記載されている。これと本質的に違いはない。

 3.延長運転期間審査での期限切れの取り扱いについて

 第3項でも規定される『第1項の認可を受けた者は、当該認可を受けた長期施設管理計画の期間を超えてその発電用原子炉を運転しようとするときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、当該期間を超えて運転しようとする期間(10年以内に限る。)における長期施設管理計画を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。この項の認可を受けた者が、当該認可を受けた長期施設管理計画の期間を超えてその発電用原子炉を運転しようとするときも、同様とする。』の基本的考え方も同じで、以前は40年目までに延長運転が認められなかったときは、原発は廃炉になるが10年毎の長期施設管理計画が期限まで許可されない場合も運転はできなくなるだけで管理計画が承認されれば再稼働できるのだから、規制緩和をおこなったと言える。

 4.長期施設管理計画の軽微な変更について

 第4項では『第1項又は前項の認可を受けた者は、これらの認可を受けた長期施設管理計画の変更(原子力規制委員会規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。』について、軽微な変更とは具体的に何を指すのか不明確だ。規制庁の説明では、例えば会社の代表者の変更や所在地の変更などとしている。
 しかし具体的に示していないので何が軽微なのかわからない。
                       (その9)に続く

 ※小山:補足(念のために)
  6/17山崎久隆ゼミ資料の本文をそのままコピーしております。
  抜粋しようと思いましたがあきらめました。あと2回の予定です。
KEY_WORD:原発_運転期間_延長_:廃炉_: