[2023_07_06_02]福島第一原発汚染水海洋放出に加担するIAEAとメディア グロッシ氏事務局長は原子力マフィアの首領 海洋放出で“水の惑星”地球の敵になる日本 御用メディアは「中国・韓国と漁協だけ反発」と捏造 「メディア改革」連載第130回 (上)(2回の連載) 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)(たんぽぽ2023年7月6日)
 
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福島第一原発汚染水海洋放出に加担するIAEAとメディア グロッシ氏事務局長は原子力マフィアの首領 海洋放出で“水の惑星”地球の敵になる日本 御用メディアは「中国・韓国と漁協だけ反発」と捏造 「メディア改革」連載第130回 (上)(2回の連載) 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 
◎ 国際原子力機関(IAEA)によるチェルノブイリ原発事故の影響調査、ウクライナ戦争での原発をめぐる攻防に関する姿勢などを見てきた私は、IAEAは科学的、中立的な国際機関などではなく、原発産業を推進する胡散臭い組織だと思ってきた。
 7月4日朝、来日したラファエル・グロッシIAEA事務局長は、日本政府が東京電力福島第一原子力発電所の敷地内に貯まり続ける放射能汚染水を海洋放出する計画に何の問題もないと説得している。
 5日午後には首相官邸で「放出は国際基準に合致」との包括報告書を岸田文雄首相へ手渡した。
 IAEAはまさに「原子力マフィアの総元締め」(小出裕章・元京都大学原子力研究所助教)だと確信した。

◎ 日本のメディアはIAEAを「核の番人」と呼び、「科学的な調査を実施した」と報じているが。IAEAは「原子力マフィア」の用心棒、日本の自民・公明野合政権の宣伝広報官ではないか。
 IAEAは、菅義偉政権が2021年4月、関係閣僚会議で、海洋放出する方針を突然決めた後、日本政府の依頼を受け、去年からアメリカや中国、韓国など11か国の専門家が参加する調査団を日本に派遣。放出方法の妥当性や、東電や原子力規制委員会の対応の適格性などを検証していた。
 グロッシ氏は岸田氏との面談前、林芳正外相と会談した後の共同記者会見で、「福島原発をめぐって重要な局面を迎えている。本日午後、報告書を提出することができ、光栄に思う」と述べていた。

◎ グロッシ氏は岸田氏との面談後に日本記者クラブで会見し、「人体や環境に与える影響は無視できる程度」「水や魚など環境に大きな影響はない」と断言した。
 海洋放出以外の選択肢はないのかと記者から尋ねられると、「一定量の放射性物質を含む水を薄めて放出することは中国や韓国、米国、フランスなど多くの国々で行われている」と説明。
 数十年の放出期間の安全性をどう保証するのかという質問には、「第一原発内にIAEAの事務所を設置し、そこに居続けてレビューを継続する」と答えた。
 グロッシ氏は5日、福島県いわき市で開かれた廃炉と処理水対策の評議会に出席。放出に反対している福島県漁協組合連合会の野崎哲会長ら一人一人と握手を交わして回った。
 「最も大切なのは、皆さんの声を聞くこと。皆さんの考え方、疑問や懸念に耳を傾けることだ。我々は皆さんとともに、この先何十年もここに居続ける。処理水の最後の一滴が安全に放出されるまで」。その後、福島第一原発の汚染水処理施設を視察した。
 [福島中央テレビ]
https://news.yahoo.co.jp/articles/161e174f894089860ed5632aa9b7caea422a1f80

◎ 政府と東電の計画でも海流放出は早くても30年はかかると言われる。グロッシ氏が生きている間に終わるのか。グロッシ氏は7日から9日まで韓国を訪問する。韓国ではIAEA批判の行動があるのではないか。
 その後、ニュージーランド、クック諸島の3カ国を訪問する。日本政府と東電の工作員だ。
 IAEA報告書は「処理水の放出は日本政府が決定することであり、この報告書はその方針を推奨するものでも承認するものでもない」と強調している。グロッシ氏は、汚染水の放出決定は日本政府と東電が行うものだと逃げをうっている。
 そうであるなら、なぜ、「報告書は、日本が次のステージに進む決断を下すのに必要な要素がすべて含まれている」「人体や環境に与える影響は無視できる」などと無責任なことを言うのか。

◎ 公明党の山口那津男代表は2日、福島市で記者団に、「海水浴シーズンなどは避けた方がいいのではないか。いたずらに不安を招かないようにすべきであり、考慮していただきたい」と述べ、政府は慎重に放出時期を判断すべきだという考えを示した。
 海水浴シーズンが終わっても、不安は消えないのではないか。薄めているから安全だというなら、中国や韓国の人たちが言うように、工業用水などに使えばいい。麻生太郎自民党副総裁は「飲める」と言うのだから、自民党本部の食堂、麻生事務所で飲用に使えばいい。薄めるのは、汚染水がそもそも危険だからではないか。

◎ メディアはIAEAの報告書が、海洋放出に「お墨付き」を与え、政府と東電は「後ろ盾を得た」と強調した。松野官房長官は5日の会見で、「春、夏ごろに開始という決定に変更はない」と述べ、日経新聞は「8月に開始か」と報じた。
 日本のテレビ・新聞は、「安全性が評価されたことで、政府が夏ごろとしている放出開始に向けて準備は最終段階に入る。反発している国内の漁業関係者、中国、韓国などへの説明が課題」(5日朝のNHKニュース)
 「『夏ごろ』としている政府の具体的な放出時期の判断に注目が集まる」(毎日新聞)
 「既に関連設備の工事は完了し、原子力規制委員会による使用前の検査にも近く合格が出る見通し」(読売新聞)などと報じた。 (下)に続く
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