[2023_06_26_04]「また島が割れる」 長崎・対馬で動き出した核のごみ問題/上(毎日新聞2023年6月26日)
 
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「また島が割れる」 長崎・対馬で動き出した核のごみ問題/上

 候補地選定が長年課題となってきた原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を巡る動きが活発化している。政府は今年4月、選定に向けて積極関与に乗り出す方針を表明。一方、新たに長崎県の離島・対馬で、選定の前提となる調査の受け入れの賛否を巡って、島を二分する議論が始まった。「核のごみ」問題はどこへ向かうのか。

 交付金20億円 期待する対馬市商工会

 「『異議なし』ということでよろしいでしょうか」
 対馬市議会開会を1カ月後に控えた5月19日、玄界灘を望む「対馬グランドホテル」の会議室。1050事業所が加盟する市商工会の山本博己会長は、集まった理事ら26人に淡々と諮った。
 理事会では、最終処分場選定の第1段階となる文献調査の受け入れ検討を市議会に求める方針について、事前調査で約120人いる総代の6割超が賛同したと報告があった。理事から目立った異論はなく、市議会への請願提出は全会一致で了承。20日に開会した対馬市議会には、市商工会や漁協など11団体が賛否の請願8件を相次いで提出した。
 商工会が期待するのは、文献調査受け入れと引き換えに国から自治体に配られる最大20億円の交付金だ。山本会長は理事会後、記者団に人口減少が続き産業が衰…(後略)
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