[2023_05_24_05]四国電力は6月1日から平均29%の料金値上げ(東京電力は平均16%) 「原発を動かせば電気料金が安くなる」という説が全くデマであることを実証している 性急な「脱炭素」が現実には原発再稼働の口実になっていることに注意すべき 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕(たんぽぽ2023年5月24日)
 
参照元
四国電力は6月1日から平均29%の料金値上げ(東京電力は平均16%) 「原発を動かせば電気料金が安くなる」という説が全くデマであることを実証している 性急な「脱炭素」が現実には原発再稼働の口実になっていることに注意すべき 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕

 
◎ 2023年5月23日に、四国電力伊方原発3号機運転差し止め訴訟の第34回口頭弁論が松山地裁で行われ、私(上岡)が原告側証人として避難計画の不備について陳述した。
 地元の関心は非常に高く、原告関係者など多くの人が集まったため、傍聴で取材を予定していた新聞記者が抽選に外れるという珍事が発生したほどであった。

◎ 四国電力の伊方1・2号機はすでに廃炉確定で、ちょうど裁判当日に3号機が定期検査停止から再稼働の予定のところ、作業ミスにより再稼働が次の日に延びるトラブルもあった。
 今回の口頭弁論で伊方の差止め訴訟として初めて避難問題が取り上げられた。佐多岬半島の地形の特殊性などを強調したが、詳細はまた別の機会として、今回は松山に向かう途中や、地元の方との話の中で気づいたことを報告したい。

◎ 首都圏では報道されていないが、四国電力は6月1日から平均29%の料金値上げを行っている。これは東京電力の平均16%よりはるかに高い率である。つまり原発を運転していながらはるかに高率の値上げをしており「原発を動かせば電気料金が安くなる」という説が全くデマであることを実証しているようなものだ。

◎ 東京から松山へは、新幹線とJR四国の特急(瀬戸大橋経由)を使ったが、その途中の愛媛県新居浜市で、車窓から大規模ソーラーが見えて驚いた。ここは以前に訴訟の対象にもなっている。
 グーグルアースの写真を下記に示す。写真では平面に設置されているように見えるが、実際は見るからに危なっかしい山の斜面一帯に設置されていて、すぐ下には国道が通り民家もある。
http://sustran-japan.eco.coocan.jp/datafile/solar.jpg

◎ しばしば「原発もダメ、ソーラーもダメというならいったいどうするのだ」という批判が聞かれるが四国電力でも火力で十分に供給力がある。
 ここでネックとなるのが「脱炭素」の問題である。もちろん化石燃料の大量消費は、気候変動との関係の有無にかかわらず多くの問題を起こすので段階的に減らしてゆくべきだが、性急な「脱炭素」が現実には原発再稼働の口実になっていることに注意すべきである。
KEY_WORD:電力各社_電気料金_値上げ_:IKATA_:廃炉_: