[2023_05_18_03]Q&A 柏崎原発 運転禁止継続 改善計画4項目が不十分(東奥日報2023年5月18日)
 
参照元
Q&A 柏崎原発 運転禁止継続 改善計画4項目が不十分

 原子力規制委員会が、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出した事実上の運転禁止命令を継続することを決めました。

 Q どんな命令ですか。
 A 核燃料の移動を禁じる是正措置命令です。6、7号機は新規制基準の適合審査に合格しており、地元同意が得られれば再稼働できるはずでした。しかしプールで保管する核燃料を原子炉に装填(そうてん)できなくなり、命令解除まで運転できません。

 Q 何が問題だったのですか。
 A 核燃料に使われるプルトニウムなどの核物質は、テロリストに盗まれると悪用の恐れがあります。核物質がある建屋とその周辺の区域はフェンスと門で囲われており、出入りはカメラや侵入検知センサーで厳重に監視され身元確認が行われます。同原発では侵入検知の設備が故障したり、東電社員が同僚のIDカードで中央制御室に不正入室したりと、テロ対策の不備が相次ぎました。

 Q 命令後の対応は。
 A 東電は第三者委員会を設置して原因を分析し、改善計画をまとめました。規制委は2年以上かけて検査をしてきましたが、確認した27項目のうち4項日で改善が不十分だと判断しました。

 Q 今後は。
 A 規制委は「自律的な改善」が見込めるまで命令解除せずに確認の検査を続けます。東電は6、7号機の再稼働で収支改善を見込んでおり、経営にも影響しそうです。
KEY_WORD:柏崎_核セキュリティー違反_:KASHIWA_: