[2023_04_09_01]敦賀2号の審査再び中断 日本原電の姿勢が問われる事態 データ書き換え審査書の誤り多数 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2023年4月9日)
 
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敦賀2号の審査再び中断 日本原電の姿勢が問われる事態 データ書き換え審査書の誤り多数 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準適合性審査で、二度目の審査の中断が決まった。
 断層データの資料を書き換えていたことが発覚して、最初の中断が2020年に発生し、その再発防止と原電の姿勢を問う審査会合が行われて、いったんは昨年12月に審査が再開された。
 しかし原子力規制委員会は4月5日に再び中断することを決めた。
 申請書のうち、原子炉直下の断層に関する部分を8月末までに修正して出し直すよう、原電に行政指導するという。

◎事業者に大甘の規制委

 申請書とは、それに基づいて規制委が新規制基準適合性を確認するための行う基本文書のはずだ。
 それが書き換えられたり間違っていたり、合計1000カ所以上も問題があるとされた文書を、単に「出し直せば良い」とは、余りにも甘すぎる。

◎すでに規制委員会は活断層と認定している

 敦賀原発2号機の真下の断層は、2012年に行われた現地調査で、活断層の可能性が高いことから、そのままでは再稼働はできないと認定されている。
 規制委のこの判断に対して原電側は新証拠を出して否定しなければならない立場だ。その新証拠を巡って申請書を書き換えたり誤記したりするのだから、失格とするべきであろう。

◎最後といいながら何度も書き換えさせる規制委

 今回の事態を受けて、規制委は審査を打ち切りたかったようだ。毎日新聞によると「山中伸介委員長は審査の打ち切りも示唆しており、定例会でも打ち切りを問う意見が委員から出た。」
 しかし規制庁すなわち官僚は、これで審査を打ち切ることは難しいと難色を示して8月までの書き直しを指示することにしたという。
 「山中委員長は記者会見で、今回の事態について『基本的に最後の判断』と述べた。また同様の事態になれば、再び申請書の修正を求めることはせず、審査を打ち切って許可や不許可を判断する可能性に言及した。
 不許可になれば、敦賀2号機は再稼働できず、廃炉になる見通しだ。」
と、毎日新聞は伝えている。
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