[2023_01_26_01]またも東京電力虚偽報告 審査書類の情報を偽装 柏崎刈羽3号機(新潟県)の情報を2号機に置き換え 規制委の危うさが改めて浮き彫りになった事件 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2023年1月26日)
 
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またも東京電力虚偽報告 審査書類の情報を偽装 柏崎刈羽3号機(新潟県)の情報を2号機に置き換え 規制委の危うさが改めて浮き彫りになった事件 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 
◎ 運転開始から30年目までに行われる高経年化技術評価の審査書類について、東電は柏崎刈羽3号機の審査書を2号機のデータを使って書き換え、合計150か所もの誤りやねつ造箇所があったことが明らかになった。

◎ 1月20日のNHKニュースによると、19日に開かれた規制委の審査会合で、東電が提出していた「柏崎刈羽3号機の高経年化技術評価審査」書類に「149か所の誤りがあった」ため、東電が訂正を申し出たことで明らかになった。
 この「誤り」のうち、131箇所は、既に同じ審査を終えている2号機の機器類データをそのまま「流用」し、あたかも3号機のものであるかのように記載していたという。

東電の審査に対する態度があらわに

◎ この評価こそが改定されようとしている新規制基準の根幹になるものと同種のものだ。
 現在の炉規法(原子炉等規制法)でも運転開始から30年になる日の前に、設備の管理状況などを確認する規制委審査を受ける必要がある。
 柏崎刈羽3号機は新規制基準適合性審査さえ申請しておらず、再稼働をする気があるかどうか分からない原発だが、廃炉になっていないため法令上は今年8月の運転開始30年までに高経年化技術評価を受けなければならない。

◎ そのため昨年8月に審査に必要な書類を提出していた。
 その審査会合が1月19日に開かれ131か所に、既に審査を終えた柏崎刈羽原発2号機の情報を使っていたことを明らかにし、訂正を申し出たという。
 東電は、これらは経年評価の結論に影響を与えるものではなく、3号機の設備のなかで建設時の設備仕様がわからなかったものについて、同時期に建設した2号機の情報を流用したと説明した。
 しかしこれでは、審査書に嘘を書いていたことに変わりはなく、そうした設備情報を把握し切れていないという問題を隠蔽する意図があったと言われても反論できない。

◎ こうした行為が原子力の審査では往々にして起きていて、これら全てを審査側が把握しチェックすることなど不可能だ。
 今回の事件は、審査を書類審査で行っているところは、事業者側の手の内にあり、規制が有効に働かない危険性が随所にあることを示している。

◎ こんなありさまで運転延長を更に容認するとか、停止期間を除外するなどと規制を緩和してもかまわないと判断している規制委の危うさが改めて浮き彫りになっているのではないだろうか。
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