[2022_12_22_13]規制委委員長が知らない間に…原子力規制庁と経産省の職員が非公開の場で情報交換「頭の体操のため」(東京新聞2022年12月22日)
 
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規制委委員長が知らない間に…原子力規制庁と経産省の職員が非公開の場で情報交換「頭の体操のため」

 原発の運転期間の見直しを巡り、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁職員が、経済産業省職員と非公開の場で日常的に情報交換していたことが分かった。規制庁が21日の記者会見で明らかにした。東京電力福島第一原発事故を受け、推進と規制を分離するために発足した規制委だが、両者が密接に関わりながら見直し議論が進んだ実態が浮かんだ。
 規制委は10月5日の定例会合に経産省幹部を呼び出し、運転期間の見直しの検討状況について聴取。新たな規制のあり方についての検討を規制庁に指示した。その日の記者会見で、事務方の規制庁職員と経産省とのやりとりについて山中伸介委員長は「公開することが原則だ」と説明。規制委ホームページでは、10月7日以降、計5回分の規制庁と経産省の担当者間の面談録を公開している。
 しかし、21日の会見で規制庁職員は山中氏の指示がある前から「経産省がどういう検討をしているのか、電話などで聞いていた」と話した。これらのやりとりは公開されていない。

 ◆規制委委員長は「問題ない」

 非公開のまま経産省と情報交換していたことに山中氏は会見で「知らなかった」とした上で「制度の検討をする上での準備だと思う。最終的には委員会で議論して意思決定するので、職員同士で意見交換することは問題ない」と述べた。
 非公開でのやりとりを今後公開するかどうかを問われると、「今の段階では考えていない」と答えた。
 規制庁職員は本紙の取材に「経産省職員とは日々の電話連絡や国会答弁のときなどに話すことがあり、法改正を考えていることは聞いていた。頭の体操のためで、協議や調整ではない」と話した。(小野沢健太、増井のぞみ)

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