[2022_12_18_01]<Q&A>原発建て替えで有力視される「革新軽水炉」って?本当に安全なの?(東京新聞2022年12月18日)
 
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<Q&A>原発建て替えで有力視される「革新軽水炉」って?本当に安全なの?

 廃炉が決まった原発の建て替えで、有力視される「革新軽水炉」とは、どのような原発なのか。
 Q 革新軽水炉とは何なの。
 A 原子炉の冷却に水を使うことや発電の仕組みなど、基本的な構造は既存の原発と同じ。東京電力福島第一原発事故を受け、事故対策の機能が追加されている。
 Q どのような機能が加わっているの。
 A 設計中の国内メーカーの資料によると、事故時に電源がなくても自動で炉心を冷やす設備や、溶け落ちた核燃料が格納容器内に広がって容器が損傷することを防ぐため、受け皿となる「コアキャッチャー」、格納容器の破裂を避けるために排気(ベント)する際、放射性物質を除去してから排気する設備などがある。
 「運転員がいなくても自然に7日間冷却できる」「放射性物質を二重の格納容器に閉じ込めるので避難しなくていい」といった設計思想で、事故が起きても安全に対処できると、メーカー側は強調している。
 Q 革新と言えるの。
 A 海外では同様の原発がある。開発メーカーの一つの東芝エネルギーシステムズは「(1996年に運転開始した)東電柏崎刈羽原発6号機の改良型だから、技術的には心配していない」としており、革新とは言い難い。
 Q 本当に安全なの。
 A 事故対策が向上しているのは事実だが、安全に100%はないというのが福島事故の教訓。安全性ばかりを強調するのは「原発事故は起こらない」と思い込んでいた安全神話への回帰につながりかねない。(増井のぞみ)
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