[2022_12_10_03]原子力規制委員会委員長あてに手紙を書きました。 現在の規制委員会についての率直な感じ方と今後のお願いの2点 運転期間40年についての今回の結論を撤回して下さい・・・他 永野勇(原発さよなら千葉)(たんぽぽ2022年12月10日)
 
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原子力規制委員会委員長あてに手紙を書きました。 現在の規制委員会についての率直な感じ方と今後のお願いの2点 運転期間40年についての今回の結論を撤回して下さい・・・他 永野勇(原発さよなら千葉)

                      2022年12月2日
原子力規制委員会委員長
 山中伸介さま
                お 願 い
                   千葉県市原市在住 老人 永野勇
 山中委員長の日頃の規制業務に対するご尽力に敬意を表します。
 私は、千葉県市原市在住、79歳の爺さんで永野 勇と申します。
 私は「人の命を最優先する」ことを信条としていますので、福島第一原発の大事故後は、原発は過酷事故を起こした場合多くの方の命と健康を犠牲にし、環境を破壊することを経験しましたので、その後は、反原発の立場で生活をしております。
そこで私は、現在の規制委員会についての率直な感じ方と今後のお願いの2点について、失礼だと思いましたが手紙を書いた次第です。ご無礼をお許し下さい。

○まず、規制委員会についての率直な感じ方を述べさせて頂きます。

 山中委員長(当時は委員)に届いているかどうかは分りませんが、一時、原子力規制委員会は原子力推進委員会ではないのかとささやかれた時期がありました。しかし、それを払しょくし得たのは、特定重大事故等対処施設の設置期限(5年)を延ばしてほしいという事業者の要請を認めず、運転中の原発を停止したことであります。そして原子力規制委員会が、原子力規制委員会設置法の目的に基づき今後は活動してくれると思いました。
 さらに今回の委員長交代での山中委員長の挨拶をお聞きし、特に「皆さんにお願いします。今ここで福島決して忘れない。自分自身に誓って下さい」との言葉が印象に残りました。この言葉をお聞きし上述の意を更に強くしたのであります。

○ところが、10月5日の定例記者会見をお聞きし「えっ」と驚きました。

 それは、福島第一原発の大事故の反省の上に出来た原子炉等規制法43条の3の32(運転の期間等)で定められている運転期間40年の制限規定について、これは利用政策であり原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない。として資源エネルギー庁の考えをいとも簡単に容認してしまったからです。そしてその根拠を聞かれても、上記の結論を繰り返すばかりでしたね。

○首相官邸ホームページ(2012年)では、「原子力安全規制の強化」の中で、発電用原子炉の運転期間を「40年」に制限する制度と明確にしています。

 確かに国会での論議経過を見ると、自民党と公明党は40年の運転制限を設けるべきでは無いと主張されていますが、最終的には、民主党(当時)・自民党・公明党の3党合意により運転期間の制限として設けられたことは疑いの余地はありません。それをなぜ利用政策としたのか?

○次に何点かのお願いをしますので宜しくお願いいたします。

 *運転期間40年についての今回の結論を撤回して下さい。
 なぜかと言えば、今回の規制委員会の解釈(令和2年7月29日の見解を含めて)が違っていると考えるからであります。原子炉等規制法43条の3の32(運転の期間等)で定められている運転期間40年は、上述の通り制限規定であることは明らかであります。これを「利用政策」であると判断した原子力規制委員会の見解が間違っているのです。時の政府が運転期間を「40年」に制限すると国民に約束したことなのです。それを規制委員会といえども、たがえることは出来ないと思います。
 そして私は、山中委員長が朝日新聞のインタビューに答えた報道内容(2022年11月21日)
 ・対応しないと間に合わないと思った。ぎりぎりのタイミングだった。
 ・誤解は生じるだろうな、運転期間について我々は触れられないことをどうとらえられるかと心配はしていた。
 ・最後は国会で論議(法律改正なので当然であるが、何か開き直りに聞こえました)等をみて、なぜ山中委員長が前のめりになっているのか、お考えがおかしいと感じました。
 また、今回の件は当初の事業者側の申入れは、運転期間から停止していた期間を除外して、その分を延長してほしいというものであったと理解していますが、それがどうして原則40年の運転期間の問題にすり替わってしまったのか疑問があります。

*科学的知見が最上のものとの考えを否定するものではありませんが、科学的知見には限界があるとする意見がありますが、私もそのように考えますので、今後はそのことも考慮して下さい。(内閣府原子力委員会の審議依頼に対する、2012年9月11日付 日本学術会議の回答の6つの提言より)

*今まで日本の行政は、国民の命が犠牲になってから物事を改めることで進んできましたが、これからは、国民の命が犠牲になる前に物事を改める事が重要と思いますので、法律や規則の改正に際しその様にして下さい。*規制委員を増員し倫理の専門家を入れて下さい。(このことは前にもお願いしてあります)

*今後は国民の命を最優先にした取り組みをして下さい。

*原子力規制委員会の審査期間が長いのでもっと短縮するようにとの考えが一部から出ていますが、私はそうは考えません。審査期間がかかるのは、事業者の側に問題があるからです。必要提出書類の提出に時間がかかるとか、提出書類の不備が多過ぎる等が原因だと思います。原子力規制委員会は良くやっているという著名人もいます。

○以上色々とお願いを出しましたが、最後のお願いです。

 原発から国民の命を守れるのは、原子力規制委員会しかありません。そこで今後は、原子力規制委員会設置法第一条の目的と衆議院付帯決議の第一項に基づき、その長として、もう少し国民の命を尊重し、国民に寄り添って欲しいのです。その結果として、原子力規制委員会が国民の最大の信頼を得ることが出来ると考えます。どうかよろしくお願いいたします。

          以上

参考資料 手紙には入れませんでした参考までに以下を参照してください。
衆議院付帯決議(2012年) 
 政府は、「原子力規制委員会設置法」を施行するに当たっては、次の事項に留意し、その運用について万全を期すべきである。
一 本法律が「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資すること」を目的としていることに鑑み、原子力行政に当たっては、推進側の論理に影響されることなく、国民の安全の確保を第一として行うこと。
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