[2022_12_01_07]北電45%値上げ申請 大手5社で率は最大 2023年4月から家庭、商店向け(北國新聞2022年12月1日)
 
参照元
北電45%値上げ申請 大手5社で率は最大 2023年4月から家庭、商店向け

 北陸電力は30日、家庭や商店、小規模工場向けの規制料金で、平均45・84%の値上げを経済産業省に申請した。燃料価格の高騰に伴う措置で、来年4月1日の改定を目指す。申請は電力大手では5社目で、北電の値上げ率は志賀原発が停止している影響などで最大となった。認可されれば第2次オイルショックで値上げした1980年以来、43年ぶりとなる。

 ●志賀原発、26年再稼働想定

 電力大手10社のうち、既に申請した東北、中国、四国、沖縄電力の値上げ率は平均28〜39%程度だった。
 北電の値上げ対象は、家庭向けの従量電灯や小規模事業者向けの低圧電力などとなる。北電が契約する家庭115万世帯のうち、55万世帯が該当する。
 標準的な家庭(月間使用量230キロワット時)で1カ月当たり2696円の負担増となる。オール電化家庭や企業向けなどの自由料金の値上げ幅は検討中で、12月に公表する。

 ●松田社長「心苦しい」

 富山市の北電本店で会見した松田光司社長は、石炭価格などの高騰で今期連結決算の経常赤字が1千億円と過去最大になると説明し「経営効率化だけではコスト増を賄いきれない。大変心苦しいが、値上げを申請した」と理解を求めた。
 値上げ率が最大になったことに関しては「元々の料金が安かったことが影響した」と述べた。
 北電は、停止中の志賀原発2号機が2026年1月に再稼働すると想定し、発電コストを算定した。原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が効率的に進むことを前提とした。算定期間は23〜25年度で、1号機の稼働は想定しなかった。
 北電はこれまで、原発停止によるコスト増を料金に織り込まず、国内大手10社では最も安い電気料金を維持してきた。過去の料金改定では、第1次オイルショックの1974年の値上げ率が59・5%、80年は47・9%だった。

 ●送電料金も反映

 来年4月からの電気料金には、北陸電力送配電の託送料金の改定分も反映される。低圧電力料金はさらに5%の値上げとなる見込み。政府は電気料金を2割程度抑制する負担軽減策を導入するとしている。
 経済産業省は30日、北電からの値上げ認可申請を受理した。今後、電力・ガス取引監視等委員会で審査し、公聴会を開催する。
KEY_WORD:電力各社_電気料金_値上げ_:SIKA_: