[2022_11_30_03]福島惨事忘れたのか…日本、廃炉原発の建て替えと寿命延長を推進(ハンギョレ新聞2022年11月30日)
 
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福島惨事忘れたのか…日本、廃炉原発の建て替えと寿命延長を推進

 日本政府が、廃炉が決まった既設の原発を修理して再稼働し、最大運転期間(60年)も緩和する案を公開した。同案が確定すれば、日本は2011年の3・11福島第一原発惨事以後続いてきた「原発の新増設を想定しない」という大原則と決別することになる。
 日本経済産業省は28日に開かれた原子力小委員会で「原子力政策の基本原則と政策の方向性・アクションプラン」という文書を提示した。同文によると「次世代革新炉の開発・建設」項目で、「まず廃炉決定炉の建て替えを対象に、『バックエンド』(backend、使用済み核燃料など後処理)問題の進展も踏まえつつ具体化」と明らかにした。日本政府は福島第一原発事故以降、原発の新増設を想定しない方針を守ってきたが、廃炉方針が決まった原発を建て替えて稼働する方式でこれを迂回する意向を明らかにしたわけだ。経済産業省はさらに、「その他の開発・建設は、(原発の)再稼働状況や(住民の)理解確保の進展等、今後の状況を踏まえ検討する」とし、今後の原発の新増設も念頭に置いていることをほのめかした。
 経済産業省はまた、福島第一原発事故以降、原発の安全対策を強化するために導入された運転期間も「東日本大震災発生後の法制度および行政命令、そして裁判所の仮処分等に伴って生じた運転停止期間」は60年制限から外すと明らかにした。この例外を適用すれば、原発稼動期間が10年ほど延びる。
 日本は東日本大震災により東京電力福島第一原発から放射性物質が流出し、数多くの避難民が発生する大災害を経験した。当時、民主党政権はこの事故の教訓を生かし、原発を新設せず、既存原発の稼動期間が終われば自然に脱原発に向かう政策を推進した。2012年末、自民党政権に変わってから原発ゼロ政策は廃棄されたが、「原発依存度をできるだけ減らす」という基本方針は維持されてきた。
 しかし今年2月末、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機と脱炭素の流れが重なり、日本のエネルギー政策は「原発を最大限活用する」方向に変化し始めた。岸田文雄首相は8月、「年末までに具体的な結論を出せるよう検討してほしい」とし、原発政策の見直しを指示した。経済産業省が今回提示した案は、岸田首相の3カ月前の指示によるものだ。同案は年末に最終確定する。朝日新聞は、この案が正式決定されれば2011年の東京電力福島第一原発事故後の「(原発)政策が大きく転換する」とし、政策転換過程について「もっと丁寧な議論を」という声もあがったと報じた。
 チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 韓国語原文入: 2022-11-29 17:46
 https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1069405.html 訳H.J
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