[2022_10_19_03]岸田政権の愚かな原子力政策 (上)(2回の連載) 「原子力マフィア」という犯罪組織 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教授)(たんぽぽ2022年10月19日)
 
参照元
岸田政権の愚かな原子力政策 (上)(2回の連載) 「原子力マフィア」という犯罪組織 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教授)

 
☆ 岸田政権は「原発の建て替え、新設は行わない」という従来の方針を転換し、「次世代革新炉の開発・建設」を宣言したうえ、「最長60年となっている運転期間の見直し」、「既存原発の早期再稼働」についても言及しました。
 関西よつば連絡会では、“食”を切り口に自然との関わりが大切にされ、誰もが安心して暮らせる社会を目指すという立場から、一貫して原発反対を訴えてきました。そのなかで現実のものとなってしまった福島第一原発事故を私たちは決して忘れません。
 苦しい状況に追いやられた生産者の事を、放射能への不安と生産者への想いに引き裂かれた会員の皆さんの事をそして何より、故郷を、家族を、安らかな暮らしを奪われた福島の人たちの事を決して忘れません。
 「安全な原発」など、これまでもなかったし、どのようにして言葉を飾ろうがこれからもありえません。
 私たちは、断固として政府の原子力政策に反対します。
            (関西よつば連絡会事務局長 松原竜生)

以下、小出裕章氏の文章です。

 日本では、これまで57基の原発が運転されてきた。それらすべては自民党政権によって安全だと認可されたものだ。
 彼らは原発だけは絶対に安全で、大事故を想定することは不適当だとした。でも事故とはもともと想定できないからこそ、事故というのである。
 フクシマ事故が起きた後、彼らはその事故は「想定外」だったと言い訳した。
 フクシマ事故では20万人近い人たちが生活を根こそぎ破壊され、流浪化し、今でも数万人の人たちが自分の家に帰ることができない。
 多くの日本人はすでに忘れさせられてしまっているが、事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は11年半以上たった今も解除できないまま続いている。
 被曝に関する法令は反故にされ、本当は「放射能管理区域」に指定して一般の人々の立ち入りを禁じなければならない場に被曝感受性の高い子どもを含め100万人単位のひとは棄てられたままになっている。

〇「原子力マフィア」という犯罪組織

 日本では国を頂点として、電力会社、巨大原子力産業、マスコミ、電通など広告宣伝会社、学会、教育、裁判所などがすべて一体となって「原子力ムラ」と呼ばれる巨大な権力組織を作って原子力を進めてきた。それなのにフクシマ事故に対する責任を負うべき彼らは、誰一人として責任を取らないままである。
 私は彼らは犯罪者組織だと思うので、「原子力マフィア」と呼ぶようになった。
 「原子力マフィア」の中心であった安部元首相は自分たちの責任を忘れさせるために、国民を東京オリンピックのけん騒に引きずり込んだ。
 その安部元首相は自分が働いた悪事の数々がバレそうになったら、さっさと逃げてしまった。
 安倍政治を継承すると言って跡を継いだ菅前首相は、COVID19への対応で無能・無策をさらけ出し、簡単に政権を降りた。その後を今、岸田首相が継いでいる。(下)につづく

 (発行:関西よつば連絡会、「よつばつうしん」2022年10月138号、「いりあい知」より了承を得て転載)
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