[2022_10_19_02]原発への武力攻撃 「安全規制求めず」規制委員長(日経新聞2022年10月19日)
 
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原発への武力攻撃 「安全規制求めず」規制委員長

 原子力規制委員会の山中伸介委員長は19日、原子力発電所への武力攻撃時の安全確保について「(事業者を対象とした新たな)規制は要求しない。攻撃の強度にもよるが施設で守るのは不可能だ」と述べた。
 仮に攻撃の危険がある場合は「国民保護法の範囲で、例えば原子炉を止める命令を政府から発出することは可能」との見方を示した。
 19日午後の定例記者会見で、武力攻撃への対応は「原子炉等規制法の中での話ではない」と断言した。規制委による安全規制とは別物で、内閣官房を中心に国民保護法などの枠組みで対応すべきだという考えだ。
 建屋上部のプールにある使用済み燃料が狙われるリスクについては、山中氏は「(冷却水を使わず空気で冷やす)乾式キャスクで保管した方が防護強度は上がる」と指摘。「非常に強い強度をもった武力攻撃には、いずれも防護能力は保証されない」と述べた。
 ロシアによるウクライナ侵攻では、廃炉作業中のチェルノブイリ原発や欧州最大級のザポロジエ原発をロシア軍が占拠した。
 岸田文雄首相は国家安全保障戦略などの3文書改定に向けた年末までの議論のなかで、原発のリスクも含めて検討する意向を示している。
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