[2022_10_12_07]関電元幹部らを追加告発 原発推進派の元高浜町議に利益供与疑い(毎日新聞2022年10月12日)
 
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関電元幹部らを追加告発 原発推進派の元高浜町議に利益供与疑い

 関西電力の歴代幹部による金品受領に端を発した一連の問題で、福井県高浜町議だった男性(64)に不当な利益供与を続けていたなどとして、市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」は12日、森詳介元会長(82)や八木誠前会長(72)ら旧経営陣6人に対する会社法の特別背任などの疑いで大阪地検に告発状を提出した。
 告発状によると、関電は子会社を通じて2007〜18年、元町議が経営する会社所有の倉庫を高値で賃借。元町議側にこの間、相場より総額約3億5000万円多く支払うなどした。八木、森両氏は社長などとして決定に関わり、関電に損害を与えたとしている。元町議は当時現職で、原発推進派の議員として知られていた。
 市民団体は約3億5000万円は「賄賂」とし、森、八木両氏を含む3人は贈賄容疑、元町議は収賄容疑にあたるとも訴えている。市民団体の代理人を務める河合弘之弁護士はオンラインで記者会見し、「原発を維持するため、金をばらまき続けた」と批判した。
 関電では、高浜町の元助役(死去)を巡る金品受領や役員報酬の補てん(ほてん)が発覚。市民団体の告発を受け、大阪地検は八木氏らを不起訴としたが、検察審査会は役員報酬の補てんを「起訴相当」と議決したため、地検が再捜査している。
 関電は「旧経営陣らが刑事告発を受けていることは重く受け止めるが、これ以上のコメントは差し控える」としている。【沼田亮、古川幸奈】
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