[2022_10_01_05]国・東電 賠償基準を事前提示 処理水放出で対策説明 水戸(茨城新聞2022年10月1日)
 
参照元
国・東電 賠償基準を事前提示 処理水放出で対策説明 水戸

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、国と東電は30日、水戸市内で説明会を開き、新たな風評被害対策などを茨城県内の自治体や漁業関係者に説明した。東電は年内に策定する風評被害の賠償基準について、公表する前に示す方針を明らかにした。
 説明会は、8月に行動計画を改定して以降、初めて開かれた。県内の漁業団体や市町村、県の担当課など計14団体が参加。経済産業省など関係省庁や東電の担当者が説明した。
 国側は、テレビやインターネットを通じ、全国に向けて安全性の理解を促すほか、漁業者らを対象にした少人数での意見交換会を開き、対話を深めるとした対策を示した。
 東電は、風評被害が起きた際の賠償基準を年内に示すと説明。漁業関係者らの意見も基準に反映するとして、検討内容を「なるべく早い段階で示す」とした。賠償については、地域や業種、期間を限定せず、被害実態に合わせて対応すると説明した。
 これに対し、漁業団体は政府と東電が2015年に約束した「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」との方針を確認。その上で「風評被害は起きないと思っているのか」とただすなど、根強い不信感を見せた。
 計画では、処理水の放出終了まで数十年かかる見通し。終了後、茨城沿海地区漁業協同組合連合会の飛田正美会長は「これから数十年も流されたら子孫まで生活に困るかもしれない」と話し、「海洋放出に対する反対は変わらない」と強調した。
 同省の松永明参与は「風評被害に対する認識をしっかり持って対応していくとともに、海洋放出への理解を求める説明を尽くす」と述べた。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: